2022年05月06日

【薙刀式】運指距離の比較

qwertyは指の運動に無駄があると思う。
薙刀式はそれに比べて動きが少ないと思う。
打鍵数が仮に同じになってもだ。

定量的に比較してみた。

結論から言うと、
qwertyは、薙刀式の1.7倍、指の運動距離が長い。



【測定方法】
kouyさんの100万字統計から、
頻出二連接50を選び、
これを打った時の、指の運動距離を調べる。
(50にしたのはしんどそうだったから)


【測定モデル】
・二次元平面として、移動距離をはかる。
・打鍵コストは0として、移動距離のみを積算する。
・キーの中央を叩くと仮定し、移動は直線と仮定する。
・最初はホームポジションにいるとする。
・上下段、人差し指伸ばしを打つときは、「手ごと移動」と仮定して、
 一々ホームポジションに「戻さない」とする。
 そこから次を打つ時に移動する時、はじめて移動距離を足す。
・二連接を打ち終えたら、ホームポジションに戻ると仮定する。
 (これはなくても良く、ホームに戻さないまま次を打つモデルも考えられるが、
 手計算のためこうした。
 プログラムを組めば、一万字の文章をシミュレートするなどが可能だろう)

・キーボードは上段1/4Uズレ、下段1/2Uズレの、
 伝統的ロウスタッガード型を用いた。
 たとえばホームポジションから上段キーを打つ移動距離は、
 左1/4U、上1Uの三角形の斜辺、1.03Uである。


例: ょう you
qwerty:
右手をYに動かす距離、1.60
右手を1UぶんずらしてOを打ち、1
上段でそのまま動かさずにUを打てるので、0
ホームポジションに戻るのに1.03

文字を打つまで 2.60
戻り      1.03
トータル    3.63

薙刀式:
右手を上段に動かして「よ」1.03
中段に戻して「う」1.03
ホームポジションに戻る0

文字を打つまで 2.06
戻り      0
トータル    2.06


【計算結果】
手で計算したので間違ってたらすいません。
単位はU(=19.05mm)。
単純に足しただけで、頻度の重みは入れていない。

qwerty:
ホームポジションから文字打ちまで 123.62
ホームポジションに戻る       61.02
トータル             184.64

薙刀式:
ホームポジションから文字打ちまで 68.29
ホームポジションに戻る      42.43
トータル             110.72

移動距離比(qwerty/薙刀式):
ホームポジションから文字打ちまで 1.8
ホームポジションに戻る      1.4
トータル             1.7

参考:
打鍵効率
qwerty: 1.7
薙刀式: 1.3
打鍵数比(qwerty/薙刀式): 1.3

【考察】

打鍵数比1.3、移動距離比1.7。

打鍵数あたりの距離もqwertyの方が多い。
つまりqwertyは薙刀式に比べて、
1打鍵当たりの移動距離が1.7/1.3=1.3倍ずつ大きい。
それだけ「無駄な動き」になっている。

また、ホームポジションに一々戻らずに、
長いフレーズを打つ実戦的な打鍵を想像すると、
1.7の数字は1.8に漸近すると考えられる。



【感想】

qwertyは色んなところに指が飛び飛びになる印象があるが、
つまりは薙刀式より1.7倍の距離を指が動いていたわけだ。
こりゃ疲れて当然だわ。

薙刀式に変えると、qwertyの1/1.7=59%程度に、
指の移動距離がちぢむぞ。

すなわち同じ疲労度ならば、
薙刀式はqwertyの1.7倍書ける。

この計算では、BSやエンターやカーソルを無視した。
実際にはその移動距離は大きく、頻度も大きい(10%程度)ので、
同じ疲労度ならば、
2倍程度の開きがあると見積もるべきかも知れない。


これまで打鍵数比較や、頻度分布比較はあったが、
直接的な指の移動距離の比較はなかった。

あっても、一打ごとにホームポジションに戻るという、
近似の荒いモデルであった。(計算がしにくいためだろう)
今回のモデルは、一回手を動かしたらその場で次を打つまで待機する、
という前の打鍵に影響を受ける、
より現実に近いモデルを採用したので、
以前の調査よりは実感に近い数値になっていると思う。

全ての打鍵パターンを示したいが、めんどうなので省略。




「楽」という指標は打鍵数のこともあるが、
「指がバタバタしない」ということでもある。
そのバタバタを総移動距離で比較してみた。

バタバタは、qwertyの1.7倍楽になる。
カタカタは、qwertyの1.3倍楽になる。
薙刀式のリアルな数字。



また、この計算法だと、
ホームポジション率の高い飛鳥は、
移動コストがほとんどないのではないかと予想される。
親指の打鍵コストは大きいが、
下手に指が動かない配列だと、数値的に出そうだね。
posted by おおおかとしひこ at 08:47| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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