2022年05月08日

【薙刀式】JISカナの中途半端さは、玉虫色の妥協にすぎない

日本人の一番ダメなところや。

それまでプロのオペレーターが使っていた、
頻度順に並べた大阪逓信局案、
カナモジカイの頻度順2案目の山下案がすでにあったにも関わらず、
第3のStickney案をさらに改悪して、
「行ごとに近く配置しつつ頻度にも目くばせしてオール単打系」
のがJISカナだ。

これが、結局誰も幸せにしなかった。

やるなら徹底するべきだった。
頻度順に並べるか、
50音順と割り切るかの、
極端な二択のどちらかにするべきだった。

その選択は、思想そのものだ。
幕の内弁当はストロングポイントがないのだ。
負けないけど勝てないのだ。
日本サッカーのようだ。


ちなみに詳しくは、
http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~yasuoka/publications/ISCIE2003.pdf
で読める。


結局、
「どの人にも好かれたい」という無意識が、
玉虫色の結論に至った原因だと思う。

熟練者からは使いづらく、
初心者殺しの配列は、
誰にとっても便利な道具ではない。

道具とは、現実を加速するものでなければならない。


JISカナ出現当時では、
サイトメソッドによる運用が前提であったが、
現在に至っては、
熟練者はブラインドタッチが前提である。

一方初心者はキー配置など覚えられないから、
最も検索しやすい50音順であるべきだ。

初心者は50音順で、
熟練者は各自使いやすいプロ用の配列で、
印字は50音順で、
オプションで無刻印で、
プロ用の配列はIME側で切り替えられる、
というのが理想だと思う。

その配列は、
新JIS(センターシフト)、
月配列、
親指シフト、
飛鳥配列、
シン蜂蜜小梅配列、
新下駄配列、
薙刀式、
カタナ式、
SKY配列、
けいならべ、
きゅうり改、
Eucalyn、
漢直系、
などなどなどから選べるようになっているのが、
理想な気がする。
たいしてメモリ食わないんだから、
100種類くらい収録してもいいと思う。

たとえば紅皿を、
デジタル省経由国語審議会経由マイクロソフトジャパンに、
正式IME(の前駆機構)として提案するべきだろう。
現在のデジタル省に、
そこまで仕事ができる人がいるとは思えないし、
日本語の複雑性とデジタルの親和性について、
真剣に考えている人がいるとも思えない。



誰からも嫌われたくない結果、
誰からも愛されなかったJISカナは、
不幸な生まれ方をした嫌われ者である。
そろそろとどめを刺して、
50音順配列にしたほうがいいんじゃないか。

qwertyローマ字は、
初心者はすぐ覚えられても、
熟練に至る難易度は高すぎる。
JISカナは、
初心者は手を出せず、
熟練者の指を壊す。

文字入力効率は、
カナ入力のほうが良いのはあきらかだ。
問題は、
JISカナを廃止できないことにある。
posted by おおおかとしひこ at 13:29| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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