誰もが悩む二幕の展開部。
なぜ悩むのか、どうすれば面白くなるのだろうか。
おそらくだけど、
一幕と三幕を先に思いつき、
二幕をあとづけでつくっているからだと思う。
そういうときは多分、
一幕が一番面白くて、
三幕が次に面白くて、
最後に二幕の順番になると思う。
だからつまらないともいえる。
一番面白くないパートだからね。
で、
まず目標は、
一幕より二幕が面白くなろうぜ、
ということなのだ。
そんなことわかっている、というかもしれない。
しかし二幕は一幕の倍の長さがあり、
なにしていいかわからない、非常に難しいパートだ。
一幕を書いた時点で、
たいていエネルギー切れになり、
一幕よりもつまらなくなってしまうのだ。
じゃあどうすればいいのだろう?
他の名作を参考にするとよい。
極端にいうと、
漫画の、一話以外はすべて二幕である。
クライマックスの最後の決戦を除く、
9割(以上?)はすべて二幕だ。
その、漫画の面白い部分を分析するとよい。
何が起こっているのか?
どういうのが展開の例なのか?
何をしたら面白いストーリーになるのか?
いろいろあるだろう。
トーナメント展開でもいいし、
誰かが死ぬ展開でもいいし、
浮気される展開でもいいし、
誰かが怪我をして機能しない展開でもいいし、
ライバルに圧倒される展開でもいい。
謎が次々に明かされていく展開でもいい。
とにかく、
好きな展開を調べよう。
どういうのが面白いんだっけ。
面白そうなキャラクターが出てくるのがいいんだっけ。
そのあとにいろいろなことが起こるのが面白いんだっけ。
なんでもいい。
そういうものを書けばいいだけだ。
二幕はストーリーの本体である。
一幕や三幕が本体ではない。
そのことを考えておくべきだ。
「そのストーリーはどこが面白い?」といったとき、
二幕のことがないならば、
それはストーリーとしては、そんなに面白くないストーリーの場合が多い。
なぜなら、
一幕は「満足への期待」にすぎず、
三幕は「満足したことの確認」に過ぎないからだ。
その間の何かで満足しないと、
面白かったストーリーにはならないわけである。
厄介なことに、
面白いストーリーは、自分が夢中になってしまい、
冷静に分析できないことが多い。
だから、
とりあえず夢中になったストーリーを持ってきて、
なにが起こったか、だけを書き出すとよい。
トーナメント展開が面白かったら、
「トーナメント展開」とだけ書けばよい。
「死んだはずの兄を見つける展開」でもいいし、
「敵の弱点を知っている人に会いに行く展開」でもいし、
「双方の陣営の橋渡しをする展開」でもいいぞ。
なんでもいい。
面白さをあなたの言葉にする訓練だ。
そして、そういうものが10本でも20本でもたまってきたら、
あなたのストーリーでそれをできないか、
考えるとよいだろう。
どんなストーリーでもトーナメント展開は無理があるだろうが、
「隠されていた秘密が暴かれる」展開や、
「絶体絶命に思われたが、大逆転のヒントを見つける」展開、
「死力を尽くして頭脳合戦する展開」、
「運命のライバルに出会う展開」などは、
大体どれでも行けるだろう。
面白かったその展開の例はすでに名作にあるから、
そのままパクるのではなくて、
構造を利用するといいわけだ。
言葉にするのはそうした理由だ。
そのままコピペするのではなく、まったく違う展開になるからね。
「運命のライバルに出会う展開」と言葉で書いておけば、
ディテールはまったく元ネタと違う展開を考え付くだろう。
元ネタがちらついていると、
それをそのままパクりがちだから、
いったんそれを脱構築して、言葉に還元しておくのがコツだ。
どん展開でもいい。
面白い展開を考えよう。
ネタは、あらゆるところに転がっている。
「まさかああいう展開になるとは思わなかった」やつや、
「この展開待ってました!」となるやつを、
いろいろ探して、ストックしておくのだ。
今このストーリーで使えそうなのは、
どういう展開?
ジャンプで新連載が始まったとき、
アンケートで、
今後どのような展開を望みますか?
ってのがあったよね。
「それはいらんやろ」から、「まあ順当」まで、
いろいろな例が提示されていたと思う。
そんな感じで、
どんどん展開の例を考えておくとよい。
「死んだと思われた父を探していく展開」
「恋愛メインの展開」
「ライバルに追い抜かれ、抜き返す展開」
など、いろいろなパターンがあったと思う。
そのアンケートのパターンを拾うだけでも勉強になるかもね。
一幕なんて、
所詮二幕のための準備に過ぎないのですよ。
面白い展開こそが、
ストーリーの本体であることは、自覚しておいたほうがいいよ。
「男と女の中身が入れ替わってしまったことでおこる、
ハチャメチャコメディ」
という一幕を考えたとしよう。
じゃあ二幕はそのハチャメチャが本体だよね。
それを考えないと意味がないわけだ。
入れ替わるまでが一幕で、
もとに戻るのが三幕なんだから、
その間は、ハチャメチャをやるのである。
それがそのストーリーの本体になるはずだ。
一幕や三幕を思いついても、
二幕が書けないやつは、
ストーリーがなんたるか、まだわかっていないとすらいえる。
まずその本体を面白くしろ。
逆に、そこに入るにはどう誘導したら面白いか考えて一幕をつくり、
それがどう決着したら満足するかを考えて、
三幕をつくったっていいんだぜ。
ドラゴンボールの本編があったとして、
どうやって旅に出るかの一幕を新しく考えて、
それがどうやって完結するのか、
完結編を考えて三幕にしてもいいんだよ。
一幕と三幕は、二幕ありきで逆算してつくることができる。
すでに本体があるからね。
本体もないくせに、
一幕と三幕だけあっても、
なかなか受肉しないと思うよ。
本体を考えよう。
それをひとつも考えていないから、
二幕が思いつかないのだ。
2022年05月26日
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