2022年05月13日

王道ラブコメスポコン(「タイピスト!」評)

やっと見れたよ。タイピング批評は別カテゴリにするとして、
フランスのこういうのはいいよね。
姿勢や筋肉を見る時のドキドキシーンなんて王道すぎるが最高だ。
フランス優勝後のボトムポイント、
あんな悲痛でわがままな「ジュテーム!」は初めて聞いた。

その後のゴルフボールタイプライターをつくったのは、
IBMなんだよね。
その時の配列が、現在のJISにそのまま継承されています。

以下、ネタバレで。



なんといっても小道具の使い方だろう。
彼女の部屋の写真で真意を示すのは、
古典的だがとても使える。
ハリウッドスターの中で彼女の母親を選ばせるのは、
「好み」というのを示すのにとてもシャレたアイデアだと思ったが、
そのあとにきちんともう一回使うとは。
これが小道具の使い方だ。


彼女がスターになったときの、
写真にタイプで名前を書くのは、
とてもいいアイデアだと思った。
デジタルじゃやれないよな。
LINEに名前を送ってもらっても全然嬉しくないよな。
物理の力だ。

改行(キャリッジリターン)や、
ページ交換で、
今どっちが勝ってるのか見せるのが、
とてもスマートで、
これはスポコンに相応しいデッドヒートぶりだったなあ。

衣装、美術、音楽、
すべてがオシャレフランス。
麗しのサブリナなどを参考にしたというが、
この時代のフランスは特別輝いている。

ラスト、
一本指打法に戻るのか、
あるいは彼が作った道具を使うのか、
と少年漫画的に待ってたが、
そんなことはしなかった。
テーマは愛だからなあ。

控室で「ジュテーム」を、
各国語に訳してるのがとてもよかったね。
ライバルを殴り倒したときに、
IDを親友が渡すのもとてもよい。

こんな洒落てて小気味良い映画はなかなかない。
おすすめです。
ベタ以外に欠点はないぞ。
posted by おおおかとしひこ at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック