たとえ文章だろうが、
頭で書くのではなく、手で書くのだ。
絵のときもそうであることは経験的にわかっていたが、
文章すら手が書くのである。
脳ではなく腕や手の神経が手を動かしている話:
https://togetter.com/li/1886701
脳は方向性やチェックをするだけで、
手がパフォーマンスをするのである。
具体的な文体、言葉のチョイス、
誰がどう言ったか、
誰がどうリアクションする、
細かい構成、
感情の流れ。
頭で把握してることと、
手がやることはだいぶ違う。
そのギャップは、
神経層にあったのだな。
僕は「身体で書く」なんて言うけれど、
そういうことだったか。
逆に、
ペンを持ってどれだけ紙に書いたかで、
マジで決まるってことだな。
ずっと僕はタイピングを研究していて、
結果、やはりペンで書くべきだと考えている。
アレは清書道具と、
精々修正液くらいの役にしか立たず、
一発目のホットなものを書く道具ではない。
タイピングに使われる腕の神経は、
物書きの腕の神経と、かなり異なる、
というのが僕の直感的答えだ。
タイピングの何が良くないかというと、
漢字変換だ。
書く意思と異なる作業を挟むのは、
書くことにおいて純粋作業ではなく、
そこをショートカットできない。
神経系統は、ショートカットすることで、
どんどん技能を獲得していく。
それが作業の合間に挟まれると、
一生ショートカットできない。
だから僕はタイピングオンリーにするならば、
漢字変換をかまさず、直接入力する方式について最近調べていて、
それをやるべきかどうかについて悩んでいる。
常用漢字2000字のコード(2〜3打のアルファベットの組み合わせ)
をマスターできないだろうから、
たぶんやらないとは思っているが。
つまり現在のデジタル執筆は、
我々の腕の神経の代替物にはならない。
構造が違うもの。
圧倒的に手書きの優位点のほうが大きい。
いますぐペンを文房具屋に買いに行け。
自分に合うペンを探せ。
僕が30年くらい愛用してるのは、
ぺんてるの中性ボールペンの青だ。
分からないなら試す価値はある。110円だし。
最近の僕の「身体で書く」は、
役者のアドリブのような感じだ。
周りに何があるか身体中の神経を研ぎ澄ませて、
その文脈が来たら身体ごと反応する、
みたいに書いている。
手は主に出力だが、
身体はセンサーとして使っている。
理屈(辻褄など)は頭で制御しているが、
それよりも身体が動く方が先で、速い。
そのセンサーを働かせるために、
脳内で風景や人物や文脈を映写して、
VR空間のように自分の身体の周囲につくりあげて、
そこから身体の反応を引き出して、
手がそれを記録しているみたいな感覚だ。
だから頭はそんなに使ってない。
頭を使うのは事前計画がメインだね。
先日のぶっ倒れるまで書いたのも、
頭が疲れたんじゃなくて、
センサーと記録手が疲れて爆睡したんじゃないかなあ。
甘いもの食ったけど回復しなかったもの。
2022年05月18日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック