ざっくりいうと、漢字は単語や語頭にきて、
ひらがなはそのあとの繋ぎや語尾部分に来る。
薙刀式はその後者の部分に強いが、
岡さんの統計からもそのことが検証された。
ほかの配列でも同じ部分を検証してみよう。
比較する連接は、
漢字抜きでのひらがなの連接。
とくに多いと思われる2連接、
連接の中から意味のあるNgramを抜き出したもの。
文章の根拠はマニュアルの説明文のため、
日本語全体とは少し異なる。
凡例:
【】 左シフトないしセンターシフト
〈〉 は右シフト
() 同時打鍵
◎ アルペジオ
△ シフトが絡むアルペジオ
△+ うち連続シフト
○ 左右交互
▲ シフトが絡む左右交互
▲+ うち連続シフト
【薙刀式】
する OI ◎
ます 【F】O ▲
して RE ◎
てい EK ○
した RN ○
よう 【I】L △
され 【U/】 △+
ので 【J】(EJ) ▲
その B【J】 ▲
この V【J】 ▲
のよ 【JI】 △+
には 【D】C
によ 【DI】 ▲+
にな 【D】M ▲
こと VD ◎
ると ID ○
いと KD ○
たと ND ○
しと RD ◎
えと 【O】D ▲
って GE ◎
れて /E ○
くて HE ○
いま K【F】 ▲
ない MK ◎
いう KL ◎
ながら N(FJ). ○△
すると OID ◎○
として DRE ◎◎
からが F.(FJ) ○○
できます (EJ)W【F】O △△▲
のように 【JI】L【D】 ▲+△▲
のような 【JI】LN ▲+△○
によると 【DI】ID ▲+ ○
あります J【EF】O ▲▲+▲
たとえば ND【O】(CJ) ○▲▲
しています REK【F】O ◎○▲▲
ができます (FJ)(EJ)W【F】O △△△▲
していると REKID ◎○ ○
されています 【U】/EK【F】O △+▲○▲▲
してください REH(FJ)【U】K ◎○ △
ことがあります VD(FJ)J【EF】O ◎△▲▲▲+▲
することができます OIVD(FJ)(EJ)W【F】O ◎◎◎△△▲▲
他の配列と条件を揃えるため、
同時打鍵をシフト扱いして、
以前の記事より一段階評価を下げた。
しかしこれらのものがとても打ちやすいことに変わりない。
【飛鳥】
する 【KJ】 △+
ます 【LK】 △+
して SF ◎
てい FK ○
した S; ○
よう 【I】D ▲
され /〈E〉 ▲
ので 〈K〉【;】 △
その 〈;K〉 △+
この 〈LK〉 △+
のよ 〈K〉【I】
には CO ○
によ C【I】 ▲
にな C〈D〉
こと 〈L〉I △
ると 【J】I △
いと KI
たと ;I ◎
しと SI ○
えと 〈M〉I △
って MF ○
れて 〈E〉F △
くて 〈J〉F ▲
いま K【L】 △
ない 〈D〉K ▲
いう KD ○
ながら 〈D〉【D】〈F〉 △
すると 【KJ】I △+△
として ISF ○◎
からが L〈F〉【D】 ▲△
できます 【;】A【LK】 ▲▲△
のように 〈K〉【I】DC ▲
のような 〈K〉【I】D〈D〉 ▲
によると C〈K〉【J】I ▲△△
あります 〈S〉V【LK】 △▲△+
たとえば ;I【MF】 ◎△▲+
しています SFK【LK】 ◎○△△+
ができます 【D;】A【LK】 ▲+▲▲△
していると SFK【J】I ◎○△△
されています /〈E〉FK【LK】 ▲△○△+
してください SF〈J〉【A】/K ◎▲▲▲◎
ことがあります 〈L〉I【D】〈S〉V【LK】 △▲▲△▲△+
することができます 【KJ】〈L〉I【D;】A【LK】 △+△▲▲▲+▲▲△
あれ?
期待よりも「ぬるぬる繋がる」感じはしない。
ですますのアルペジオが印象的な飛鳥だが、
他もその通りと言えるわけでもないようだ。
左右のシフトがバタバタするし、
思ったより連続シフトが繋がるわけでもない。
単打のつながりも薙刀式ほどよくない。
これだけの運指に限れば、薙刀式のほうがいい運指なのでは。
意外な結果。
【新下駄】
する ZV ◎
ます XZ ◎
して LN ◎
てい NK ◎
した LM ◎
よう (DI)J △
され (SL)(DK) △
ので A, ○
その (L;)A ▲
この IA ○
のよ I(DI)
には WE ◎
によ W(DI) ○
にな W; ○
こと IS ○
ると VS ◎
いと KS ○
たと MS ○
しと LS ○
えと (D;)S ▲
って GN ○
れて (DK)N △
くて HN
いま KX ○
ない LK ◎
いう KJ ◎
ながら ;O(SJ) ◎△
すると ZVS ◎◎
として SLN ○◎
からが D(SJ)O ▲△
できます ,CXZ ○◎◎
のように A(DI)JW ▲△○
のような A(DI)J; ▲△◎
によると W(DI)VS ▲▲◎
あります (DJ)(FL)XZ ▲ ◎
たとえば NS(D;)U ○▲△
しています LNKXZ ◎◎○◎
ができます O ,CXZ ◎○◎◎
していると LNKVS ◎◎○◎
されています (SL)(DK)NKXZ △△◎◎○◎
してください LNH(SN)(SL)K ◎ △△
ことがあります ISO(DJ)(FL)XZ ○○▲ ◎
することができます ZVISO ,CXZ ◎○○○◎○◎◎
二連接の合理性は、さすがの新下駄。
ただ、昔懸念した、
Ngramで弱いのがあるのでは?
という予感が現れた形となった。
というよりも、
「ものすごく速いやつと、
たまにあるそうでもないやつのバラツキがはげしく、
結果苦手なN連接が発生する」
あたりが真実かな。
【親指シフト】
する C〈I〉 ▲
ます 〈O〉C ▲
して SD ◎
てい DL ◎
した SE ◎
よう 〈Y〉A ▲
され T【T】
ので 〈L〉〈D〉 ▲
その M〈L〉 △
この R〈L〉 ▲
のよ 〈L〉〈Y〉 △
には 〈U〉H
によ 〈U〉〈Y〉
にな 〈U〉【D】 ▲
こと RJ ○
ると 〈I〉J △
いと LJ ◎
たと EJ ○
しと SJ ○
えと 【W】J ▲
って 〈;〉D ▲
れて 【T】D △
くて ID ○
いま L〈O〉
ない 【D】L ◎
いう LA ○
ながら 【D】〈W〉Y △▲
すると C〈I〉J ▲△
として JSD ○◎
からが WY〈W〉 ○▲
できます 〈D〉K〈O〉C ▲△▲
のように 〈K〉〈Y〉A〈U〉 △▲▲
のような 〈K〉〈Y〉A【D】 △▲△
によると 〈U〉〈Y〉〈I〉J △△
あります 【S】【E】〈O〉C △▲▲
たとえば EJ【W】【H】 ○▲▲
しています SDL〈O〉C ◎○△▲
ができます 〈W〉〈D〉K〈O〉C △▲△▲
していると SDL〈I〉J ◎○△△
されています T【T】DL〈O〉C △○ ▲
してください SDI〈E〉TL ◎○▲△▲
ことがあります RJ〈W〉【S】【E】〈O〉C ◎▲ △▲▲
することができます C〈I〉RJ 〈W〉〈D〉K〈O〉C ▲▲○▲△▲△▲
二連接では薙刀式、飛鳥に食らいつくかと思われたが、
三連接以上はメタメタだ。
リズムはバラバラで好運指とは呼べない。
仮に親指同時がなければ、
悪い運指はそれほどないので、
「等間隔リズムで打つ」というコツがよくわかる。
そうでないと、
このバランスの悪さを吸収しきれないのだろう。
N連接やアルペジオという概念が当時なかったと思われるので、
当時にしては健闘した、という程度だと考えられる。
運指合理性については、
新下駄や薙刀式の圧倒だなあ。
ただqwertyのように、
「全体に悪運指が多いが、
たまに加速ワードがある」
ことが、親指シフトの中毒性を生むのではないか?
と感じた。
親指シフトとqwertyしか知らない人は、
qwertyより中毒性の高い、
「DV男がたまに見せる優しさ」から、
抜け出られないのでは?
と思った。
漢字変換に関しても、漢語二文字目が右手にある法則で、
比較的漢字は打ちやすいはずで、
親指シフトとqwertyとJISカナの三択ならば、
選ばない理由はない。
しかし、劣等比較にはあんまり意味がない。
よりモダンに運指が改良されている、
新下駄、薙刀式、飛鳥のほうが、
圧倒的によいことが判明した。
個人的な印象では、
常に高速なのにたまに減速せざるを得ない新下駄、
トップスピードでは新下駄に劣るが、
平均的に速くたまに加速の報酬があり、
N連接では頭で速く徐々に遅くなり語尾決定を待つ薙刀式、
連続シフトで繋いでいるものの、
全体的には息切れ感のある飛鳥、
みたいに思ったかな。
もちろんこれは、
統計もとの文章がマニュアル説明文と偏ってはいる。
(ですます調が基本であること、
出来ることをメインに書いてて、出来ないことや否定形は少ないこと、
逆接は少ないこと、
形容詞や副詞は少ないだろうこと)
別のサンプルと統計ならば変わり得るだろう。
ただ良く使うかなの連なりを反映しているのは確かで、
この4つの配列で文章を書いていく実戦が、
イメージできるのではないだろうか。
このうちマスターまでの難易度は、
薙刀式>親指シフト>新下駄≒飛鳥
の順に容易、
という別のファクターも付け加えておこう。
やっぱ薙刀式は、ええで。
2022年05月26日
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