この方の、ライター修行時代参考にした資料がおもしろかった。
とくに2枚目の、問の立て方が参考になる。
https://mobile.twitter.com/hatushiba_ken/status/1235198298283073537
もちろん、物語は論文ではない。
だが、直接話法で問を証明するのが論文、
間接話法でするのが物語、
程度の違いしかないと僕は考えている。
つまり、テーマをどう立てて、
どう証明するか、という話だ。
練習のためのテーマは置いといたとして、
いざ実戦の大海に出ると、
「そもそもオリジナルのテーマはどう立てればいいのか?」
で迷うことになる。
僕は「自力で証明できる範囲にせよ」
と警告するにとどめているが、
それは「どんなテーマを?」に対して答えていない。
もっともいいテーマの立て方は、
「世間では常識とされているが、
それをひっくり返す意外なことが、
真実であった」
だと思う。
「よくよく考えてみれば、
それの方が真実ではないか」
「うっすらそう思っていたが、
あらためてそれを言葉にされると、
俄然真実味が増す」
もいいと思う。
そして、
テーマとはシンプルなテーゼ
(命題: PはQである、などの形式)であるべきだ。
そのテーマを表すのに400字必要なら、
それはテーマではない。
せいぜい1行で言えるものに抽象化するべきであろう。
テーマとは、真実である。
真実でないものをテーマにしても虚偽だし、
誰もがわかっていることを真実だとドヤっても、
何も反応がない。
真実に見えないのだが、
実は真実なのだ、
が、正しい「新しいテーマ」の選び方だろう。
つまり、テーマは人類を進歩させるためにある。
科学論文の場合はまさにそのためにある。
物語も、同じだと思う。
それまで分かっていなかったことが、
「なるほど人生とは、世界とは、
人間とは、そのようなものかもしれない」
と、納得して、腑に落ちれば、
鑑賞者の認識世界は広がり、深くなり、
進歩するわけだ。
問を立てたら、そのあとは証明である。
論文での証明の仕方は参考になる。
物語では、
物語形式、
つまり、ある事件を解決しようとする過程、
感情移入を伴い、
価値観や立場の対立する、異なる人間の間でやりとりされるなにか、
で表現していく。
形式は事件解決なのだが、
実質これはテーマの証明の一部である、
という間接話法でやるのだが。
直列型、並列型、アウフヘーベン型も、
中盤のストーリー構成の参考になるだろう。
もし一つしか使えないなら、
別の形式を使えるようにもなるべきだ。
どの形式がこのテーゼを証明するのに、
もっとも腑に落ちるか、判断できるべきだろう。
一個しか技がないやつは、
それ以外出来ないから、読まれやすい。
物語は観客と作者のかけひきの面白さである。
先が読まれたら興味は半減だ。
このようにして、
骨をざっくりと見せられることは、
あまりなかったように思う。
参考にされたい。
2022年05月28日
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