2022年05月28日

問の立て方

この方の、ライター修行時代参考にした資料がおもしろかった。
とくに2枚目の、問の立て方が参考になる。
https://mobile.twitter.com/hatushiba_ken/status/1235198298283073537

もちろん、物語は論文ではない。
だが、直接話法で問を証明するのが論文、
間接話法でするのが物語、
程度の違いしかないと僕は考えている。

つまり、テーマをどう立てて、
どう証明するか、という話だ。


練習のためのテーマは置いといたとして、
いざ実戦の大海に出ると、
「そもそもオリジナルのテーマはどう立てればいいのか?」
で迷うことになる。

僕は「自力で証明できる範囲にせよ」
と警告するにとどめているが、
それは「どんなテーマを?」に対して答えていない。

もっともいいテーマの立て方は、
「世間では常識とされているが、
それをひっくり返す意外なことが、
真実であった」
だと思う。

「よくよく考えてみれば、
それの方が真実ではないか」
「うっすらそう思っていたが、
あらためてそれを言葉にされると、
俄然真実味が増す」
もいいと思う。

そして、
テーマとはシンプルなテーゼ
(命題: PはQである、などの形式)であるべきだ。

そのテーマを表すのに400字必要なら、
それはテーマではない。
せいぜい1行で言えるものに抽象化するべきであろう。


テーマとは、真実である。

真実でないものをテーマにしても虚偽だし、
誰もがわかっていることを真実だとドヤっても、
何も反応がない。

真実に見えないのだが、
実は真実なのだ、
が、正しい「新しいテーマ」の選び方だろう。


つまり、テーマは人類を進歩させるためにある。

科学論文の場合はまさにそのためにある。

物語も、同じだと思う。
それまで分かっていなかったことが、
「なるほど人生とは、世界とは、
人間とは、そのようなものかもしれない」
と、納得して、腑に落ちれば、
鑑賞者の認識世界は広がり、深くなり、
進歩するわけだ。


問を立てたら、そのあとは証明である。

論文での証明の仕方は参考になる。
物語では、
物語形式、
つまり、ある事件を解決しようとする過程、
感情移入を伴い、
価値観や立場の対立する、異なる人間の間でやりとりされるなにか、
で表現していく。

形式は事件解決なのだが、
実質これはテーマの証明の一部である、
という間接話法でやるのだが。

直列型、並列型、アウフヘーベン型も、
中盤のストーリー構成の参考になるだろう。

もし一つしか使えないなら、
別の形式を使えるようにもなるべきだ。

どの形式がこのテーゼを証明するのに、
もっとも腑に落ちるか、判断できるべきだろう。
一個しか技がないやつは、
それ以外出来ないから、読まれやすい。

物語は観客と作者のかけひきの面白さである。
先が読まれたら興味は半減だ。


このようにして、
骨をざっくりと見せられることは、
あまりなかったように思う。

参考にされたい。
posted by おおおかとしひこ at 10:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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