2022年05月29日

トップガンのポスターはこれでいいのか(2回目)

見終えた今なら言える。
宣伝部無能。仕事しろ。
一回でも見たのか。見てこれなら映画のセンスねえぞ。

では、どのようなものであるべきか考えよう。



この映画の白眉はどこか。
中盤の大アクション、
ウラン施設破壊ミッションである。
峡谷をものすごい軌道でくぐりぬけ、
その先のウラン施設を叩くのに、
二つの奇跡が必要だ。

まずこれがメインビジュアルになるべきだろう。

雪の渓谷を飛ぶ二機のアクロバット的な戦闘機、
待ち構える対空砲。
その手前にトムクルーズのドアップで、
何が悪いというのだろう?

物語的には、
前作で死んだグースの息子との対立と和解であるから、
同じ程度にグースの息子はクローズアップされるべきだ。
アイスマンの再登場はファン的には重要なので、
是非とも小さくでいいから抑えたい。

あとはポルシェやらバイクやらセスナやらが欲しいが、
メインビジュアルのために泣く泣く削るとしよう。


キャッチコピーはなんだろう。


過去を恐れるな。前に進め。

考える前に動け。
(劇中の重要なセリフをアレンジしています)

デンジャーゾーン第二章!
(劇中でかかった時は泣いたわ)

敵は内側にいた。

限界を自分で作っていないか?

音速を超えて、人生を突き抜けろ。

音速を超えるのは、戦闘機だけではない。


などかな。

命の危険を常に伴っているヒリヒリ感が、
映画本編の魅力なので、
その感じが伝わるほうがいいとおもう。

なおかつ、
グースの息子との対立と和解を、
匂わせられたらベストだろう。



本編を見る前に期待させることはなんだろう?

あの明るいカリフォルニアの空気と、
トムクルーズの白い歯の笑顔ではない。
世界はそんなに陽気ではいられなくなったからだ。

だけどその重たい空気を背負う必要もない。
この物語は前向きだからだ。

だからビジュアルトーンは、
この時代なりの、
嘘じゃない希望を描くべきだと思う。


しかるに。


再掲してみよう。
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重たい空気。嘘っぽい金色の光。
今は重たい時代ですけど、
嘘の希望を持とうじゃないですか、
という嘘つきのトーン。
そしてレタッチしまくったCGみたいなトムクルーズ。
劇中のベストシーンでもない、
ただの記念写真の構図ではないか。

まだ、
今回多用されたコクピット内のカットの方が説得力があるわ。
グースの息子との2ショットならテーマ性あるのに。

極めつきはキャッチコピー。
「誇りをかけて、飛ぶ。」
そんな話だったか?

「士官にならず現場主義で来た天才パイロットが、
クビになる。それを救ったのはかつてのライバル。
だが飛行任務ではなかった。
トップガン新卒生たちに飛行を教えろという教官役だ。
しかも実行はほぼ不可能な任務。
マーヴェリック単独なら出来る。
だが彼らを一人も死なせないことは可能か?」
が前半のストーリーだぞ?

その何を見たら「誇りをかけて、飛ぶ。」
なんてコピーが書けるんだ?


こんな無能宣伝部に宣伝される映画がかわいそうだ。
これだけ歴史的な名作を、
宣伝が台無しにしている。

興行ってなんなんだ?
おもしろいものをヒットさせて儲けろよ。
映画っておもしろいものなんじゃなかったっけ?
posted by おおおかとしひこ at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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