見終えた今なら言える。
宣伝部無能。仕事しろ。
一回でも見たのか。見てこれなら映画のセンスねえぞ。
では、どのようなものであるべきか考えよう。
この映画の白眉はどこか。
中盤の大アクション、
ウラン施設破壊ミッションである。
峡谷をものすごい軌道でくぐりぬけ、
その先のウラン施設を叩くのに、
二つの奇跡が必要だ。
まずこれがメインビジュアルになるべきだろう。
雪の渓谷を飛ぶ二機のアクロバット的な戦闘機、
待ち構える対空砲。
その手前にトムクルーズのドアップで、
何が悪いというのだろう?
物語的には、
前作で死んだグースの息子との対立と和解であるから、
同じ程度にグースの息子はクローズアップされるべきだ。
アイスマンの再登場はファン的には重要なので、
是非とも小さくでいいから抑えたい。
あとはポルシェやらバイクやらセスナやらが欲しいが、
メインビジュアルのために泣く泣く削るとしよう。
キャッチコピーはなんだろう。
過去を恐れるな。前に進め。
考える前に動け。
(劇中の重要なセリフをアレンジしています)
デンジャーゾーン第二章!
(劇中でかかった時は泣いたわ)
敵は内側にいた。
限界を自分で作っていないか?
音速を超えて、人生を突き抜けろ。
音速を超えるのは、戦闘機だけではない。
などかな。
命の危険を常に伴っているヒリヒリ感が、
映画本編の魅力なので、
その感じが伝わるほうがいいとおもう。
なおかつ、
グースの息子との対立と和解を、
匂わせられたらベストだろう。
本編を見る前に期待させることはなんだろう?
あの明るいカリフォルニアの空気と、
トムクルーズの白い歯の笑顔ではない。
世界はそんなに陽気ではいられなくなったからだ。
だけどその重たい空気を背負う必要もない。
この物語は前向きだからだ。
だからビジュアルトーンは、
この時代なりの、
嘘じゃない希望を描くべきだと思う。
しかるに。
再掲してみよう。
重たい空気。嘘っぽい金色の光。
今は重たい時代ですけど、
嘘の希望を持とうじゃないですか、
という嘘つきのトーン。
そしてレタッチしまくったCGみたいなトムクルーズ。
劇中のベストシーンでもない、
ただの記念写真の構図ではないか。
まだ、
今回多用されたコクピット内のカットの方が説得力があるわ。
グースの息子との2ショットならテーマ性あるのに。
極めつきはキャッチコピー。
「誇りをかけて、飛ぶ。」
そんな話だったか?
「士官にならず現場主義で来た天才パイロットが、
クビになる。それを救ったのはかつてのライバル。
だが飛行任務ではなかった。
トップガン新卒生たちに飛行を教えろという教官役だ。
しかも実行はほぼ不可能な任務。
マーヴェリック単独なら出来る。
だが彼らを一人も死なせないことは可能か?」
が前半のストーリーだぞ?
その何を見たら「誇りをかけて、飛ぶ。」
なんてコピーが書けるんだ?
こんな無能宣伝部に宣伝される映画がかわいそうだ。
これだけ歴史的な名作を、
宣伝が台無しにしている。
興行ってなんなんだ?
おもしろいものをヒットさせて儲けろよ。
映画っておもしろいものなんじゃなかったっけ?
2022年05月29日
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