2022年06月01日

【薙刀式】「バビロン」俺氏の中で再評価

机面よりも下にキーボードを配置させられて、
テントにも対応できる懸架システム、
キーボード空中庭園「バビロン」を、
3Dプリント展のために引っ張り出してきたんだけど、
結構打ちやすくてビビった。
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まず教科書的に、
肩幅にセッティングして、
前腕をまっすぐ出した状態で使ってみたら、
そんなに有効性は感じなかった。

背筋を立てた状態、
前腕を水平に保った状態、
肩幅で前に出す、
みたいな、軍隊的な直角姿勢ならば、
まあ悪くないんだけど、
その姿勢を維持するのに疲れる、
みたいな感じ。

ところが。

だらっとした姿勢で座り、
左右キーボードを縮め、
前腕をハの字にして、
テントさせてみると、
これが思いの外よかった。

なぜだ?と自分の体を観察してみると、
前腕が体の側面でうまいこと固定されているようだ。
肘と手首の間の部分が、
胴体に接触した感じになって、
肘周りに余裕がある感じになっている。

これは、
ピアノとも、
ピアノをベースとしたタイピングの教本とも、
異なる姿勢である。


ピアノは、
65g前後に調整されたキーを、
下に押し込まなくてはならない。
そしてそのタッチ加減で音の音色を作る必要がある。
だから鍵盤面は水平であるべきで、
手と腕の重さで打つ感じだそうだ。

デジタルのキーボードはその必要がないから、
ほんの2mmのアクチュエーション距離進むだけを、
25g程度の力で撫でられればよい。

その目的の差が、姿勢の差になってるのでは?
と推測する。


前腕を水平に浮かせ続けることは、
結構な筋力を使い、
それはキーボードを打つ力より使う。
なのでピアノ的な姿勢では、
姿勢維持筋が疲れる。

それよりもだらっとした、
リラックスした姿勢でものを書きたい。

ピアノでは、
姿勢維持筋よりもはるかに打鍵に筋肉を使うから、
姿勢維持が逆に必要になる。
そうした全身運動は、
物書きに不要だ。

なにせ僕は体の縛りをなるべく避けるために、
靴下はゆるいものを履き、
靴もゆるめのを履いてるくらいだ。
家では裸足になる。
冬も。(電気毛布は下に敷くが、靴下は履かない)

なるべく全身の力を抜かないと、
自由な発想は出てこない。

この時に腕の重さが邪魔で、
それを吊り下げる力が無駄だと思っている。

手書きの時は紙の範囲で手が動き回るため、
そんなに同じ姿勢ではない。
ところがキーボードの場合、
同じ姿勢を強要される。


腕の重さを感じないための第一の解答は、
「机の上に両手をベタ付けして置いておく」だ。

これが一番シンプルかと思っていたが、
バビロンの現在解、
「前腕を腹の斜め前あたりに固定」は、
案外いいぞ、と思ったのだ。

緊張する筋肉が異なるのはわかるが、
どれがどう、までまだ言語化できていない。

小一時間打鍵比べをしてみたが、
これは別解になり得るくらいいいかもな、
と感じたので記録しておく。



バビロンは、こうした利点がありながら、

・持ち運びに適したケースが見つかっていない
・組み立て、バラシの手間がある
 (クランプだけなんだけど、左右分割キーボードの、
 左右ケーブルをマグネットで繋ぐ、PCとのケーブルをマグネットで繋ぐ、
 と手順が増えて、一手で終わらないめんどくささがある)
・カフェでやるとドン引き

というデメリットがあるため、
これまであまり使ってこなかった。

しかし案外いいぞ、ということがわかったので、
積極的に恥をかいていきたい。

もしそれがベストならば、
バビロンシステムごと、
キーボードケースに再設計してしまう手だってある。
今はお盆に乗っけてるだけだからね。
3Dプリントに慣れた今ならいくらでもいけるぞ。




タイピング姿勢は何がベストか?

おそらく、
いくつかの正解を寝返りしながら変えるのが、
いいんじゃないかと思っている。

机の上だと疲れるが早く打てて、
バビロンだと最高速ではないが疲れない気がした。
両者の間にトレードオフや保存則が成り立つかは不明。

そもそもこうしたことをサドルプロファイルで、
パームレストその他一切不要にしたはずだが、
思いつきで低いキーボードをつくりたくなって、
一周してここに戻ってきたか、と感じる。

どういうキーボードがいいのか、
これだけやってまだわからんとはなあ。
難しいがおもしろいな。
posted by おおおかとしひこ at 10:43| Comment(2) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
かむキーボードのもちゃちです。
またまた、
https://kamu.mochachi.com/grip/zumen.htm
の図1のキーグリップはどうでしょう。
これなら腕を組んでの入力も出来、寒い時はこたつの中に手を入れて入力が出来ると思われます。
かむキーボードの原点です。
Posted by もちゃち at 2022年06月01日 19:39
>もちゃちさん

このタイプなぜか好みじゃないんですよねえ。
裏表や左右の感覚が逆になる気がするんです。
戦闘機の操縦桿のトリガーも、
人差し指で手前に引くタイプではなくて、
親指で押すタイプの方が好きですね。
なんでだろう。

基本的には、紙にペンで書く感覚が、
ずっと欲しいと考えています。
Posted by おおおかとしひこ at 2022年06月01日 20:06
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