2022年06月19日

日本は貧乏になっている

こないだ久しぶりに編集室でカントリーマアム食べたんだけどさ、
半分くらいに縮んでてびっくりした。
干からびてんのかと思ったよ。
カントリーマアムといえば「究極に贅沢なお菓子」
のイメージがあったけど、この没落ぶりは酷いと思った。

CMの値段が下がっている話をしたい。


1997年ごろは、TV-CMは一本3000万からだった。
4000、5000は普通で、金かけるやつ
(たとえばSMAPが出るやつ)は7000とか1億だった。

2010年ごろ、デジタル撮影時代の到来とともに、
2500、2000、1500くらいになってきた。

2019年ごろ、コロナ前、1200ぐらいかな。

2022年の今、1000を守れなくなってきている。

あるいは、「TV-CMを作る金がない」として、
webCMしか出来ないとなり、
それは500とか100とかまで下がってきた。

いや、やること同じやで?
画質や音質をSDレベルに下げられないし、
そもそも人件費はかかるので、
そんな安い金額でできるはずがないのに、
仕事を受けざるを得ないくらい、
薄利多売方式になっている。

こないだ言われたのは、
「出来るだけお金をかけないでやってください」だった。
クライアントからそれ言われるってさ。
ウチも商売やぞ。


カントリーマアムの縮み方の比ではない。
だからCM制作会社は続々と縮小、蒸発をはじめている。

エース級の制作費が7000万の時代から、
20年ちょっとでエース級は1200万へ。
泡沫が3000万から、100万に転落している。

そして、端から徐々に壊死しているのが、
現在のCM業界だといえる。


テレビ番組はもっとキツいかもしれない。
二度と面白い番組を作れる体制にはなってないと思う。

映画はどうだろう。
現場の伝承が途切れると、もう面白いものを、
どうやって作っていいかわからなくなるのでは?

面白いオリジナルをつくることが、
ロストテクノロジーになりかかってる気がするんだよね。

今のうちに若い奴らに伝えたい。
もう手遅れかもしれないが。


金が回らないのは、首が回らないのと同じ。
この先はまだ不透明だ。
おれは面白いシナリオを書くが、
それをつくれる体制があるかはしらない。
体制づくりからやらないといけないと、
そろそろ勘づいているが。
posted by おおおかとしひこ at 11:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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