についてもう少し考える。
何故新配列は流行らないか?
僕は、
新配列とは「体験」だからではないかと考える。
体験が「流行る」ってことはなかなかない。
体験型アトラクションはまあ流行る。
何もせずに体験できたほうが楽だからね。
ところが真の体験は、
人々に行動を強いる。
極端な例だと、スカイダイビングで考えると分かりやすいかもだ。
やってみないと良さはわからないだろう。
見てるだけじゃわからない。
やるのはかなりハードルが高い。
心理的にも、お値段的にも、休みをとって出かける必要も。
そしてインストラクターも必要。
講習期間も必要。
で、
スカイダイビングなら一日で体験は終わるけど、
新配列の悦びが分かるには、
数週間から一ヶ月は必要ってことだ。
これはスカイダイビングよりも、
運転免許取得に近いかもしれない。
釣りとか、将棋とか?
スカイダイビングを、
いつどうやってやろうと思うだろう?
少なくともやってる人が近くにいて、
その人から直接魅力を見聞きして、
やってみようかなと思い、
一人じゃ怖いなと思い、
一緒に行ってあげるよ、
までないと、
厳しいのではないだろうか?
同じく「やる」ハードルの高い自作キーボードでは、
遊舎工房にいきなり一人で入る人は少なくて、
「誰かの付き添いでやってくる」
人がかなり多い。
ネットで見たあれやこれやを見たり触ったりするためだけでも、
なかなか一人であの敷居をまたぐのは難しいっぽい。
いや、自動ドア開けるだけなんだけど、
やっぱり心理的なハードルがとても高いのだろう。
「私なんかが入って大丈夫ですか」という気後れもあるし、
「なんかこわい」という理由不明のものがある。
その理由不明の恐怖は、
「今の私が維持できなくなるのではないか」
かもしれない。
「qwertyから新配列をやったら、
戻れなくなるのでは」って思う人もおおいよね。
つまり、付き添いとか、
インストラクターとかのような、
「一人にさせない」仕組みが重要な気がする。
新配列をやろうという人は、
まあもともと普通じゃない人で、
そういう人は、
さっさと一人でインストールして、
さっさと一人で配列図をDLして、
さっさと一人で練習して、
さっさと一人でマスターしてしまう。
一人キャンプとか、一人将棋とか、
一人スカイダイビングとか、山登りとか、
勝手に一人で行って勝手にマスターになる人。
普通の人はそうじゃない。
一人だと不安だから、
「これでいいのかな」を確認したいし、
あるいは「これよかったなあ」などと感想もいいたいのだ。
そして「これにしてよかった」と、
自分の行動を確認したくもある。
だから、
「一人にさせない」仕組みがあればなあと思う。
FacebookやDiscordがそれなのかも知れないが、
リアルにそこに人がいることに比べれば、
だいぶ効果は薄いと思う。
相談所としては機能するだろうがね。
で、これらのことを総合すると、
「新配列カフェ」がベストなんだろうな。
PCが各席に置いてあり、
キーボードコーナーにあるキーボードは、
自作キーボードからHHKBから、
109キーボードまであって、
それは自由に繋いで良くて、
もちろん持ち込みキーボードを繋いでもOKで、
配列図パンフがあり、
PCにはすべての新配列がインストールされてて、
それらを選択するだけで使えて、
マスターは新配列にとても詳しい人で、
困ったことがあったらなんでも答えてくれるんだよ。
親指シフトの同時打鍵がうまくいかないとか、
薙刀式の3キー同時のコツとか、
そういうのをそばにいてインストラクターになってくれて、
あんまり配列図を覚えてない状態でも、
簡単に打てる例文を知ってるとかね。
全く儲かるとは思えないが、
これによって、
「配列を試したいけど、どうしたらいいか分からない」
人たちにリーチするのではなかろうか。
あそこの新配列カフェにいけば、
「体験」できるぞと。
かつて親指シフトを富士通が奨励したころは、
都会にショウルームがあり、
綺麗なお姉さんが教えてくれたらしいんだよね。
これの維持には金がかかるから、
配列好きのヘンテコなおっさんがやってる、
新配列カフェなら現実的だろう。
何回か来ないと行けないから、
コーヒー一杯500円くらいにとどめないとなあ。
ハードルが高ければ高いほど、
そのリターンは大きいべきだ。
スカイダイビングをやったことなくても、
僕らが知ってるのは、テレビなどのメディアを通じてだろう。
だけどそれだけで「やってみよう」と即行かないだろう。
やっぱ「やってる人」が隣にいないとなあ。
とりあえず、
新配列には動画が足りない。
スカイダイビングの講習ビデオなんて、
山ほどあると思う。
それに負けないほど新配列の動画があふれれば、
触れる機会も増えるだろうに。
単純接触頻度をあげるのは、広告の初歩の初歩である。
ということは、薙刀式の動画はあと100本くらいはつくるべきか。
身近に体験できる場所があることは、
すぐに始められる理由になる。
たとえばスキージャンプなんて、
普通の人がやらなさそうなことをやる選手は、
当然北国の出身なんだけど、
ジャンプ台のある町に生まれた人が多いんだよね。
たったそれだけのことで、運命って変わるんだよな。
よし、体験してみよ、
と思った時、薙刀式カフェがあればなあ。
神保町とかにできないかな。
2022年08月13日
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