物語要素事典。
昔ブクマして、すっかり忘れてたやつ。
これはすごいぞ。
https://www.lib.agu.ac.jp/yousojiten/
(作者の教授が退官したため、元サイトから移行したそうです。
あまりにも貴重なまとめ)
古典を中心とした、プロットの博物館だ。
そしてそれがメイン要素ごとにタグづけされて分類してある。
少し読み込むとわかるが、
特に知ってる物語だと、
「え、プロットってこんなに少ないの?」
って思うんだよね。
手塚治虫などの収録もあるから、
あの豊かな物語に対して、
なんという少なさよ、と、
痩せこけたそれを見て思ってしまう。
でも逆なんだよ。
ここからスタートなんだ。
この基礎の上じゃないと面白くならないし、
この基礎の外にどんなに面白いものをつくっても、
それはその物語のためには無駄なのだ。
だから、偉大なる物語は、
これを出発点にして、
いかにして組み上げたかを比べると良い。
勿論、知らない物語に関してはネタバレ集なのだが、
優れた物語はプロットのネタバレごときでは、
びくとも揺るがない価値がある。
でもすべてはプロットの上に乗っている、
という構造を知ることだ。
しかしどの項を読んでも面白い。
これはネットじゃ勿体無くて、書籍で欲しくなるやつ。
ことあるごとにペラペラ見たいやつや。
問題は、あなたがこれに匹敵する/超えるプロットを組んでるか?
ということだ。
大したもんじゃなえな、俺の方がいいぞ、なら大いに結構。
しかし時折「負けた」ってやつがあるから面白い。
円環構造 ★5「天狗裁き」
なんて、円環構造と知ってても「うまい」って言っちゃったもの。
短編ならではだけど、
落語には星新一みたいな人が沢山いたのかもなあ。
落語全然知らないけどたまにすごいのあるよね。
こうした構造の本質を勉強する上で、
格好の教材だね。
俺も知ってる映画ならめちゃくちゃプロット提供できるけど、
古典映画のみに絞ってるから、
初出かどうかのチェックがあったんだろうか?
この事典を使いこなせる人は、
このプロットを見て、
自由に改変して全く別のプロットを組み上げられるレベルの人だ。
まったく新しいプロットが浮かばなくなったら、
パクる誘惑に負けるかもしれないが、
組み直す実力がないならば、
パクっただけの質の悪いものになるだろう。
そしていずれそれはバレて身を滅ぼすことになる。
つまり、
パクったろというレベルの人には使いこなせない事典だ。
2022年08月28日
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