2022年09月01日

【薙刀式】言うより速く

脳内発声がある人にとっては、
思考=言う速度なのだろうか。

僕は脳内発声がない思考なので、
言うことすらもどかしい。
つまり、思考速度の方が、言うよりも速い。

だから僕が書く目的は、
言う速度を超えることだ。


とはいえ、僕はしゃべる仕事の人ほど、
立板に水でしゃべれるわけではない。

もともと言うことが苦手で、
それは思考の音声変換という一手間がかかるからだ。
逆に音声変換がボトルネックになるから、
僕は黙ってたほうが思考が進む。

このことにより、
しゃべることで思考を表現することが苦手だ。

子供の頃、黙ってちゃわからないから、
思うことをしゃべって、とよく言われたが、
しゃべればしゃべるほど思考に追いつかずに、
いつまで経っても思うことを全部言えず、
だからそのうち僕は、
しゃべることをやめたように思う。

この手段では、自分の思考を伝えるのに向いてないと。
小学校の頃だろうな。
「何考えてるのか分からない、
不気味な子」と周囲には映ったろう。
ついでにIQ130くらいあったから、
扱いが分からない戸惑いのようなものを、
大人から僕はよく感じていた。


大人になってもしゃべるのは苦手だ。
思考の方が速いのは同じで、
じっくり聞いてくれる人がいれば、
まあしゃべるけど、
全部しゃべる時間がない時は、
自分の中で短くまとめなければならないから、
そこにまとめられないときもあるから、
しゃべって伝わる保証がない、
という不安から、
あまりしゃべりたくないんだよね。


だから僕は、しゃべることよりも、
書くことに能力を開発してきたといってもよい。

続け文字で汚いけれど、
手書き文字で900字(漢字仮名交じり文)/10分のペースは、
大学生の平均300の、3倍だそうな。

タイピングで900行くには、
結構な努力が必要だと思う。
それを僕はqwertyでは無理だと感じた。
手書きの900は、相当動線をつなげる続け文字や、
動線を省略する省略文字を使っていて、
その工夫に比べて、
動線が無駄すぎると感じたからだ。

このクソみたいな動線で、
合理的なわけがないと直感的に思い、
僕はqwertyを早々に捨てて、
もっと動線を詰めたものがないのかを探した。


それから数年、
速度的には薙刀式で1500まで来たけど、
まだ手書きの効率に勝てていないと感じていて、
それは漢字変換の動線効率の悪さだ。

数手で出せるノールック変換確定ならいいんだけど、
まあ一発で変換しないなというときの、
候補選択がまじ遅くて無理だ。

カタカナ変換も単語単位なら行けるが、
文章内に初見のカタカナ単語(主に固有名詞)が現れたときの、
処理の面倒さに呆れてしまう。


薙刀式の目標は、
僕が言うより速く書けることだ。

僕は言うことが苦手だから、
多分今ではしゃべる速度を超えている気がする。

だからたぶんひたすら書くことに苦痛がなくなったのだけど、
今度は思考に追いつきたいという欲望が出ている。



脳内発声がある人は、
思考速度=言う速度=書く速度
になればゴールなのかなあ。

僕は今、
思考速度>書く速度>言う速度
で、
書く速度は動かせる要素のようだから、
動線効率をまだ詰めているんだと思う。

手の速度自体はもうそんなに速くならない気がする。
若者ならいざ知らず、
今から細かい筋肉が変わるとも思えないし、
腱鞘炎に弱そうな気もする。

力を抜いても効率的なフォームをつくるのを、
心がけたほうがいいと考えている。


その大きな目的に対して、
現在「さ、つ、ふ、せ」あたりの位置の再検討は、
あまりにも小さな効果ではある。
とはいえ、気になるんだからしょうがない。
それを詰めたらまた何かが気になるのかなあ。

劇的に改善する可能性は、
あとは漢直しかないような気もする。

自分の中にもう一言語マスターする余裕があるのかないのかを、
どうやって測ればいいのだろう。
漢直を自分にインストールすると、
何か大切なものを失うのかしら。

未知すぎて、そんな恐れがある。
いやあそんなことないですよ、という言説を見ていないので、
誰かその辺を論じてくれ…

カナ配列程度ではほとんど人の失うものはないが、
漢直でもそうなのかを知りたい。



ことばより速くなりたい。
僕の思考はことばを介していないので。
posted by おおおかとしひこ at 09:37| Comment(2) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
言葉になっていない生の考え(空気みたいなもの)から
音声を柄杓にして掬いだしている感覚なので、
脳内発声の1.5倍速くらいで書けたら満足です。

喋くりとは違い、複数の脳内発声が出るケースもあります。
Ex1: ルビ有り文
約束されし勝利の剣《エクスカリバー》
Ex2: 複数の人が同時に喋る
「「えええーーッ!?」」
Posted by YouTatekawa at 2022年09月01日 20:26
>YouTatekawaさん

僕と近しいタイプの方ですね。

脳内発声があるタイプの配列
(僕はローマ字系全般、親指シフトがそうでした)と、
相性が悪いと思われます。
あと音声入力もか。

僕の中では、例にあげられた二つとも脳内発声ないですね。

Ex1. は意味が併記で頭の中に浮かびます。
「宇宙と書いて〈そら〉と読む」なんて言い方をしますが、
読む場合音声が介在しないようです。
なので、剣とエクスカリバーが二重に隣り合って見えてる感じに近いかな。
剣をエクスカリバーがより詳しく説明してる感じです。

Ex2.の場合は、全員が「えええーッ」と同時に言っている場面は浮かんでも、
ユニゾンの声は聞こえないですね。

もちろん、両方とも「音をイメージしよう」と思えば出来ますが、
音のない時に比べて速度がリアルタイムに落ちるようです。
つまり、脳内発声のない世界は、
リアルタイム発声より速く思考するためにある、
という仮説が成り立つと考えます。

それが喋る速度の1.5倍かどうかは…体感的には分かりますが、どうやって測定すればいいんだろうな…
Posted by おおおかとしひこ at 2022年09月01日 20:39
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