ふたつのストーリーラインが同時進行するものは、
カットバック構成などと呼ばれることがある。
みっつは?
とくに言い方はないけど、
かりに三つ編みと呼ぶことにしようか。
小学校のころ、女の子たちが三つ編みを互いにやってあげていて、
男しかいない家庭の僕は、見慣れないものに不思議な気持ちになったものだ。
三つ編みのやり方がなんだか魔法のように見えたものだ。
2回対称、つまり左右対称や上下対称をベースとした偶数対称の世界は、
比較的自然界に多い。
だけど3回対称、
ワルツや三つ編みやじゃんけんや正三角形は、
自然界に少ないため、
貴重性があるような気がする。
(3回対称×2回対称の6回対称が、
魔術でいうところの六芒星ですわ)
なので、
同時進行するストーリーラインは、
3にすると、不思議な感覚があると思う。
カットバックする2本のストーリーラインは、
ABAB……という構成になる。
典型的なのは正義と悪の同時進行とか、
男側のストーリーと女側のストーリーが同時進行するラブストーリーとか、
外と中で起こっていることが同時進行するとか。
ところが三つ編みだと、
Aの次にBが来てもCが来てもOKのため、
より複雑な構造を編むことが出来るから、
楽しくなってくると思うよ。
迷路みたいにつくれるからね。
ボールのパスと同じで、
どっちに振ってもいいから、
軌跡を複雑に出来るわけだ。
もちろん、実力がないとややこしくなるだけだから、
そういうときはABの2本のストーリーラインに整理したほうがいいときもある。
三つ編みの面白いところは、
なるべく強弱をつけず、3つの対等なものにすることだ。
三角関係が面白いときは、
拮抗している時だからね。
自然界にめったにない3回対称をつくると、
そうした魔法がかかるのだ。
で、ここからが大事なのだが、
ABのふたつのストーリーラインの場合は、
交差するポイントは簡単だ。
二人が出会えばそこで交差するからね。
ABCの3本の三つ編みならば、
ABの交差、BCの交差、 CAの交差の3パターンをつねにコントロールしなれけばならない。
これで頭がこんがらがり、
整理できないと、観客も混乱して、
「ややこしい話」になってしまう。
それをどうわかりやすく整理するかは、
あなたの手腕にかかっている。
簡単なやり方は強弱をつける方法だけど、
それじゃあ強いふたつの2本に統合した、
カットバックにしたほうがいい。
となると、
うまく色分けできる、同等の3色にしないとだめだということが分かるだろう。
それぞれに特徴があり、強弱が同程度の3本がないと、
三つ編みにはならないわけだ。
2本ならねじれていく。
3本なら安定する。そういうこともあるよね。
(三角関係ものは長期化可能)
もちろん、2本の状態から3本に分岐してもいいし、
3本から2本に収束してもよい。
そういうことを複雑にやると面白くなるが、
リライトはかなり大変になるので、
覚悟をもって臨むべし。
でもミステリーのような迷宮をつくることは、
三つ編みに近いことをやっていると思うけどね。
髪の毛の三つ編みは、
ABCABCABC……と規則的に編むのが美しいのだろうが、
ストーリーはそのようにする必要はない。
好きな順番でやれば、面白くなるだろうね。
2022年09月13日
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