問題
「激落ちくん」を受験会場で売るための言葉
(キャッチコピーでもよい)を考えよ。
「激落ちくん」は、汚れなどが劇的に落ちる特殊スポンジ。
「その言葉」を見たらなるほどと思い、
受験会場でのタブー「落ちる」でも買うようにせよ。
シンキングタイム。以下に僕の回答例。
回答例
最悪のものを身につけておくと、
最悪の事態から免れるというジンクスがあります。
「激落ち」以外に最悪なことってある?
人の考え方を変えるには、
おそらく「その考えが支配する範囲」から脱出させて、
広い視野からそこを客観視させるといいのではないかと思う。
とても大変なことでも、もっと広い視野から見たら、
せいぜいこれくらいのこと、などのように。
勉強、合格、不合格、将来、などの、
視野が狭くなっている状態から、
少し広い視野を見せてあげると、
不安が相対的にちいさくなるような気がする。
でも「受験の心配なんてアフリカの明日死ぬかもという人に比べれば大したことない」
という論法ではみんな飽きているから、
新しい相対を持ってくる必要がある。
それが、
「最悪のものを身につける」という考え方で、
「最悪を免れる」という新しいジンクスだ。
どこかで聞いたようなことがありそうで、
たぶんあんまりないだろう。
逆に、というのはアイデアの基本だが、
逆だと何がいいんだ?というところまで説得すると、
そうかも、と思えるものだ。
つまり、「逆はいいぞ」という直感に、
理屈を与えてやるといいんだよ。
その屁理屈を考えられたら勝ち。
このアイデアあげるので、
激落ちくんと受験時期に商売してみて。
人の考えを変えさせるには、
つまりふたつ必要だ。
感情による説得と、理屈による説得だ。
ひとつだけでは動かない。
泣いたとか笑ったとか、感動したとかではだめだ。
あとで理屈が反発する。
合理的だ、理屈が通っている、だけでもだめだ。
そもそも心が動いていないのに、
人は合理だけでも動かない。
心が動いていて、かつ理屈が通っているものに、
人は説得される。
僕の回答例では、
運命的な、非合理的なものに対して、
一瞬理屈が通ったような感覚を及ぼしている。
で、それを「ジンクス」という言葉で覆うことで、
まあ本当じゃないけど、気持ちの問題だから100%嘘でもないな、
という、理屈と感情のふたつに訴えているわけだ。
そして、フットインドアテクニックとして、
「新しいジンクス」を持ってきているわけだ。
新しいものは人の心を開く。
キットカットを受験会場で売れば、
「きっと勝つ」をすでに知っているからみんな買うかもしれないが(もう古いのかな。小さくなったし)、
それはみんな知ってるから新しくない。
靴のソールとか、家具の滑り止めみたいな、
「スベラーズ」も同様の意味になるだろう。
だから、その逆は新鮮に映るんだね。
逆を誰も考えていないから、そこの領域は新鮮なんだよ。
斬新と言っても、まったく新しい領域を開拓する必要はなくて、
みんな避けている逆の領域に誰もいないなら、
その考え方はブルーオーシャンで、新鮮なんだよね。
「最悪のものを身につけると最悪を避けられる」
というのは勝手に僕が考えたジンクス的な理屈だが、
これは車のお守りに、
割れた陶器のかけらを売るとか、事故車の一部を売るとか、
縁結びに切れた紐を売るとか、
そういう応用が利く考え方かもしれないね。
人は不安を強く持つとき、
感情と理屈の両方で説得されると乗ってくることがある。
そしてそれが新しいと、驚くし、新鮮に映る。
新鮮、というだけですでに感情の半分は動いているんだね。
これらの要素をうまく噛み合わせる文ないしキャッチコピーが出来たら、合格。
(キャッチコピーはちょっと難しかった。
これくらいの冗長さが必要だと思った)
当然、これはシナリオにも応用が利くぞ。
よくできた文学というのは、
新鮮で、不安にさせてくれて、
感情と理屈と両方で心を動かす。
それがのっかりやすい「考え方」ならば、
その考え方を受け入れて、人生を変えるかもしれない。
悪意のあるものを洗脳、
善意のあるものを宗教という
(すべての宗教は善意だけとは限らないが)。
合理だけで再現性のあるものを科学、
簡単なやつをライフハック、
どれでもないものは、文学という。
2022年09月21日
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