2022年09月04日

【薙刀式】記憶負担の計算

試算してみる。
qwertyローマ字が本当に学習負担が小さいか、
ちょっと疑問に思ったので。


何も知らない状態からの学習とする。

【qwertyローマ字】
aiueo 5
kstnhmyrw9
gzdbp 5
y拗音1
促音 1
nn 撥音1(n撥音、nxは除く)
小書き1
長音1
句読点2 小計26

外来音
thi dhi twu dwu
f v j sh 8

スペース、BS、エンター、カーソル4、シフト
全角半角9

総計43


【薙刀式】
カナ 50
濁音、半濁音、小書き、
拗音、外来音5

スペース、BS、エンター、カーソル4、
シフトカーソル4
英数、かな

総計68


【新JIS】
カナ 61(「」を除いた)
スペース、BS、エンター、カーソル4、シフト
全角半角9

総計70


【新下駄】

カナ 123

スペース、BS、エンター、カーソル4、シフト
全角半角9

総計132


qwertyローマ字は、
学習負担が少ないだろうか?
覚えるキーの数こそ、
qcを除いたアルファベット24、
句読点長音で計26だが、
様々な打ち方違いが必要で、
外来音も結構ややこしい。
n撥音やnxは入れていないが、
この使い分けも結構負荷があるだろう。

あと操作系の負荷を忘れてはならない。
スペース、BS、エンター、カーソル4、シフト
全角半角
の9負荷は結構デカい。

そしてこれらのキーは、
標準キーボードを使う限り遠く、
手への負荷をかけ続けることになるだろう。


この負荷に対して、
薙刀式の負荷は、
カナ50さえ覚えれば、
あとは同時押しのやり方を覚えれば、
扱える形の記憶負担だ。

また、操作系が30キー範囲にあることから、
操作系の負荷は低い。

数値上は43と68であるが、
1.5倍程度の初期負担をかければ、
最終的には滑らかで楽な、
整理された運指が得られる。


ちなみに新JISと新下駄についても同様に計算してみたら、
70と132という結果。
新JISが薙刀式より負担が大きいのは、
小書き別置の部分が多いからだろう。

新下駄の記憶負荷の大きさは、
まあ予想通り。
いきなりこれから始めるのはキツそうだけど、
全て別置の合理的高速性は、
新下駄ならではのメリットがあるため、
ここは忌避せずに天秤にかけたいところだなあ。


qwertyローマ字は、
ほんとに初期投資が少ないのかな。
50音に関しては規則性もわかりやすいが、
その他の例外がガタガタになっていて、
外来音に関しては英語表記との乖離も激しく、
操作系は最悪だと思う。
(操作系は新JISでも同じ。
新下駄はBSに工夫があり、親指キーに操作系を入れる余裕がある)


そもそも日本語が複雑なのだ。
50音清音だけならまだマシだった。
句読点、長音、促音の例外くらいで済めば良かったものの、
濁音、半濁音、小書きの変化音はたくさんあるし、
拗音はたくさんバリエーションがあるし、
外来音は不規則にたくさんある。

清音50に対して、それらの変化音が70程度ある。
その記憶負荷をそもそも考えるべきなんだよね。


qwertyローマ字は、
不規則なスペリングで乗り切るから、
そこが効率が悪くなる。

薙刀式は、すべて同置にして、
第二、第三のキーを和音にすることで、
規則的にのりきる。

新JISは、小書きの例外を置き、
あとは濁点半濁点後置で、数打法式にした。

新下駄は極論で全部別置にする代わりに、
運指を練り込んだ。


すべては、
複雑な日本語の、「清音以外の変化音約70」に、
どう取り組んだか、ということだ。

僕は、qwertyローマ字のやり方は、
スマートじゃないと思う。
後付け後付けで、ガタガタになっているし、
操作系の遠さは問題だと考える。

薙刀式は洗練されていて、
ブラインドタッチでは相当エネルギー効率がいいと考えている。

新JISも悪くないけど、
小指外の「な」が問題だな。
操作系が遠いままなのも気になる。
目標としている設計方針が古いのもあるかもだ。
とはいえ、qwertyローマ字と一からヨーイドンなら、
新JISのほうがたくさんの人が打てるようになると思う。

新下駄は、ちょっと気合の入ってる人用なので、
初手でこれをやれはハードルが高すぎる。
でも結局130音を学ばないといけないというのは、
どの配列でも同じなのだから、
いっそ全部別置は、わかりやすいスマートさだ。


たかが配列、されど配列。

私たち日本人は、まだ母国語をスマートに書く手段を、
公式には手に入れていない。

薙刀式なら突破できそうだと思うな。
posted by おおおかとしひこ at 17:43| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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