2022年09月12日

【自キ】キーキャップの十字穴テープMOD

という新しい沼を発見したので、報告します。


緩いキーキャップの十字穴にラップフィルムをはさみ、
噛み合いを安定させる、
というMODはよく知られているものだ。

僕も独自にマスキングテープを貼ったりして、
同じ効果を発見してきた。
とくに3Dプリントキーキャップは公差があり、
ゆるい個体が出るのは原理的にしょうがないから、
現実的な対応としてやってきた。
マスキングテープは和紙なので、柔らかくてちょうど良かった。


一方、
現在エンドゲームスイッチと確信する、
Zeal PC Pearlioというスイッチがある。

100%ウムピエでできているステムで、
摩擦係数が非常に小さいため、
擦れ感がまったくなく、ストンと落ちる、
最高のスイッチのひとつだ。
僕はこれをTecsee 2 Stage 37gにバネを交換して、
最高の軽くてなめらかなスイッチとして使っている。

ところが、この摩擦のなさが、
キーキャップの嵌め合いを緩くすることがとても多いことがわかってきた。

具体的にいうと、
キーキャップがたまにすっぽ抜ける現象がある。

逆さにしたら落ちることもあるし、
ケースの中で持ち運んでいると、
どこかでぽろっと取れていることもあるようだ。

ワーストケースでは、
汗をかいて打っていると、
指にキーキャップに貼りつき、そのまま抜けていき床に落下、
ということもこの夏は経験した。

既製品のABSやPBTキーキャップだと精度が良いから、
そこまでひどい事故はないっぽいが、
なにせ繊細なアクリル3Dプリントキーキャップを使っているので、
公差や強度の問題もあろうかとは思う。


で、
透明のキーキャップなので、
マステを貼ると色がかっこ悪いなあと思い、
ラップフィルムを貼るのを試してみた。

しかし静電気の問題で、
色んなところに貼りついてしまい(ラップとはそのような製品だが)、
作業は困難を極めることがわかった。
まずきれいに小さく切ることも難しい。
ハサミで切るとくっつくし、カッターマットとカッターでは、
案外まっすぐ切れずガタガタに切れてしまう。
(カッターに巻き込まれてる感じ)

じゃあ他の物体はあるかなあと思い、
スコッチのメンディングテープ
(乳白のセロテープ状のもので、
貼ると透明になり、上から鉛筆で字が書けるやつ)
でやってみるとちょうどよかった。
ある程度柔らかいから、衝撃の吸収もしてくれるのだろう。


そして、ようやく本題。

しかしメンディングテープを貼ると、
安定する代わりに打鍵音が安っぽくなることに気づく。

「厚みや柔らかさの違うテープなら打鍵音は変わるだろうか?」
と疑問に思って、3つほど試してみた、という話。



結論からいうと、
全然変わる。

僕の使用している環境だと、3Mの両面テープがよかった。


試したテープは3つ。
1 スコッチメンディングテープ
2 百均で買ったOPPテープ
3 3Mの両面テープ

それぞれのスペックと結果。

  厚み 柔らかさ 結果
1 厚  硬い   くぐもったような音
2 薄  硬い   安っぽく甲高い
3 中  柔らかい 澄んだ中音

厚みがあればあるほど吸収(振動の減衰)が進み、
柔らかいほど、
ある種の周波数だけを通すようになる
(硬いほど全ての周波数を貫通する)のでは、
と予測するが、
このへんの物理は詳しくないので、
誰か解析してください。



ということで、
このキーキャップテープモードは、
打鍵音がかなり変わる。

とはいえ、スイッチ(ステムの部分はメーカーによって異なる。
もちろん個体差もある)、
キーキャップ(同)、
組み合わせによる緩み具合、
テープの厚み、柔らかさ、
などだいぶ変数があり、
これは新しい沼の入り口を開いたかも、
ということなのだ。


ケース沼では、
マウント方式沼(ガスケット、Oリング、バーガーなどなど)や、
フォーム沼(poronとかEVAとか)、
プレート沼(真鍮とかアクリルとかPOMとか)、
などで音が変わることがよく報告されている。
スイッチハウジングに挟むフィルム、
スイッチとPCBに挟むフィルム、
スイッチとトッププレートに挟むフィルム、
なんて商品もあるくらい。

その根元となる、
キーキャップとスイッチの嵌め合いの部分でも、
音が変わってくるとしたら、
これは沼の総合地帯ですな…


とりあえずやり方だけ書いておく。

1 カッターマットの上にテープを貼り、
  適宜カッターで6mm各程度に切る。
2 それをキーキャップ側のステム底に貼りつける。
  (両面テープは作業しづらい)
3 そのままスイッチに嵌める。
  テープは変形して、十字穴の中に滑りこみ、
  中でキーキャップとスイッチのステムの間に、
  クッションとして貼りつく。

08E90C3D-F3EC-4470-B5CF-0324CBACE507.jpeg

写真はこんな感じ。 
これをヌッとスイッチに嵌めれば完成。
抜いたときは、またはまらないかも知れないので、
テープをピンセットなどではがす必要があるかもしれない。
(テープがよれずに抜ければ、また嵌めることは簡単)

スイッチのステム側に貼らないんですか?
とdiscordに書いた時に質問があったが、
両面テープだとどっちでも一緒かなと。
キーキャップを変える前提ならスイッチ側がやりやすいかも。
でもなんとなく凹に凸を突っ込む方が、
テープの変形がうまくいきそうと思ったので…



ということで、
キーキャップテープMODという新しい沼を発見したよ、
という話でした。


追試として、
手持ちのNK CreamとABSのDSAで、
なしとスコッチメンディングテープを比較したら、
テープありだと高音がカットされて、
中低音が聞こえる、いわゆるthockな感じになりました。
カタカタからトコトコ、くらいの差。

これは沼だぞ…
posted by おおおかとしひこ at 10:17| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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