Twitterから。
> キー配列とマッピングを工夫してどれだけキーの数減らせるかみたいな自作キーボード勢のエクストリームスポーツ見て素直にすごいなと思ってたけど、いざ「なんでキーの数少ないほうがいいんですか」って聞かれたら「なんででしょうね…?」ってなった
ブラインドタッチするため。
そしてブラインドタッチ時に、
なるべく指を動かさなくていいようにするため。
全部に指を届きやすくするため。
逆になぜ広くするのか、を考えよう。
機能とキーを一対一対応させたいから。
つまりそのキーを押せばその単機能、
というふうに直感的にしたいから、
以外にないのでは?
109キーボード、
つまりフルキーボードをすべてブラインドタッチ出来る人は、
たぶんいないと思う。
ということは、ブラインドタッチ出来ないキーは、
「見て探して打つ」ことになる。
ブラインドタッチ派は、
それが無駄だと思うわけだ。
視線の移動、指の移動、
また視線を画面に、指をホームポジションへ。
時間の無駄だしエネルギーも無駄だ。
つまり、
作業に集中し続けたいし、
そこから動かずにすべてを処理したいのだ。
そのためには、
パッと指が触れるのは、
ホームポジションから1U以内だと思う。
なので、(大抵は親指にある)レイヤーキーを使うわけだ。
Aというキーを、
単押しでA、
左親指を押しながらAで別のX、
右親指を押しながらAで別のY、
両親指を押しながらAで別のZ、
と4種に定義できるから、
狭い面で4階建のビルのようになってるわけだね。
109キーを4で割ると27.25だから、
28+2レイヤーキー=30キーあれば、
理論上はフルキーボードが入ってしまう。
使い勝手を考えて、
40%(40〜50キー)が、
キー数少ない派のスタンダードかな。
僕は36キーだ。
レイヤーキーはフットペダルでもいいかもしれない。
でも親指の方がきっと速くて楽だろう。
親指にレイヤーキーを置かず、
違うところに置く人もいる。
その辺は好きなように出来るのが自作キーボードの強みだね。
いわゆるふつうのシフトキーは、
ひとつのキーに2つの機能を入れようとしたものだ。
ノーパソでよくあるfnキーも、
狭いスペースに足りないキーを押し込んだものだ。
しかし自作キーボードでのレイヤーは、
狭いところに押し込むのではなく、
「新しい合理的なマッピング」をつくるためにある。
もし109キーボードのキーをすべてバラバラにして、
自由に並べ直していいよ、となったら、
どのように並べなおす?
という問題に、みんな挑戦しているといってもよい。
もちろん、
ブラインドタッチ前提だと考えれば、
30〜40%で、
4レイヤーに積んだ方が指が全てに届くだろう、
ということ。
()を89のシフトに置く必要はない。
たとえば左親指+JとKにペアでおいてもよい。
{}を[]のシフトに置かずに、
[]を左親指+Mと,、{}を左親指UとI、
みたいにバラけさせてペアにして置いてもいいんだよ。
?をシフト/にせず、左親指+;に置いて、
!をシフト1にせず、左親指+Lに置いてもいいんだ。
どういう置き直し方がいいか?
何をどうペアにすると、
記憶しやすくて、しかも動線が少ない、
いいキーマップになるか?
ということに、
40%勢はチャレンジしている。
ただキー数を減らすのにチャレンジしてるのではなくて、
使いやすいブラインドタッチは、
何キーであるべきで、
そのときのキーマップはどうあるべきか、
をみんな考えてるんだよね。
そして僕は36キーあれば、
自分の使用範囲ではまったく足りてると思っている。
ちなみにさらしとくか。
【単打】文字キー
QWERT YUIOP
ASDFG HJKL;
ZXCVB NM,./
親指部は、
Ctrl、Lower、Space Space、Raise、Gui
(GuiはWin時はWin、Mac時はCommand)
薙刀式はDvorakJで実装。
【Raise】記号と数字
〜:W_+ (789)
`;Vー= [456]
@*^|\ 0123ent
親指部は、
Ctrl、Lower、Space Alt、Raise、Gui
【Lower】左手はBlender(数字はテンキーの数字)、
右手は制御系、多少薙刀式に寄せている
Esc 789マクロ Home BS ー Del Esc
Tab 456, ← ↑ → caps ent
Ctl 123. End ↓ 無変換 変換 Numlock
親指は同じ
T位置のマクロはBlenderの、シフトD+エンター(オブジェクトを複製してその場に置く)
が入っているよ。
【Raise+Lower】リセットとFキーと音量
Reset Reset
F1 F2 F3 F4 F5 Vol- Mute Vol+
F6 F7 F8 F9 F10 F11 F12
親指は同じ
Fキーはほぼ使わないのでどうでも良い並びに。
記号類は数字段のシフトの記号がだいぶ曖昧だし、
左手下段のやつは余った置き場だが、
左手の上下段はUSの単打/シフトの組みの合理性をもらってるし、
カッコ系は右手テンキーの左右にあるから打ちやすい。
もっとも、ほとんどの場合は薙刀式の編集モードの記号部で事足りるため、
テンキーくらいしか使ってないがね。
半角記号が欲しいときは、
コーディングするときだけで、
そんなに使ってない。
もし本気でコーディングするなら、
もっと練ったマップになると思う。
つまり、
キー数を減らしてマップを練ることは、
「全部のキーを等価に扱わないことの発見」
でもあると僕は考える。
使ってないものは使わないレイヤーに片付けることになる。
(ほとんど使わないからブラインドタッチもできない)
こうした整理整頓こそが、
キー数を減らす意味だと思う。
だからそれぞれの用途によって、
個々人に合わせたキーマップになっていくと思う。
まさかBlenderのマクロパッドがここに融合してるなんて、
誰も思うまい。
多少使いにくいけど、Blenderはテンキーの数字が重要
(視点移動のショートカット)なので、
これがないと逆にフルキーボードが必要でめんどくさいんだよね。
すべての手の内に。
いや、
いらないものは手放して、
いるものだけを手の内に収めること。
そしてそれがホームポジションから1U以内にすべてあること。
いわば、道具箱の整理整頓、
コクピットの整理整頓を、
キー数を減らすことでやっているわけだ。
キーボードの歴史を見ると、
合理的な動線の開発史ではなく、
場当たり的にキーを増やして、
ごちゃごちゃの動線のまま、
引くに引けなくなった、というスパゲティの歴史である。
キー数を減らす自作キーボードの運動は、
この歴史にノーをつきつけ、
俺が整理してやる、
という意思のもとによるものである。
いや、そんな高邁なものを持たなくとも、
ホームポジションから全部届くうーというのは快感だ。
一人暮らしのときに、
ベッドや机の周りに全部があるようにした感じだ。
部屋のモノと違い、
自作キーボードではレイヤーに積めるからね。
すべては同じ姿勢で動きを最小にするため。
切れ目なくシームレスに作業に没頭するため。
すぐれた道具は、存在が消えて、
頭の中と出力が直結するものをいう。
間に道具をかましている意識が消えないのは、
劣悪な道具の証拠である。
日本刀を振り回している、という意識では全然ダメで、
殺す、という意思に対して、
日本刀を触っているという意識がないような刀が、
優れた刀だと言える。
つまり40%や30%は、
キーボードを自分の肉体の一部にするためにある。
理想は10本指に対応した10キーだろうが、
それは流石に無理なので、
じゃあ何キーならいいんだ?
という模索が現在である。
で、これは文字の論理配列でも同じだと思ってて、
4段目を使うとか、小指外を使うとか、
使わないとかの話。
薙刀式は30+スペースキーに限定して、
QTYも捨て気味にしているので、
なるべく狭い範囲で指が全部届くようにしよう、
という意識でつくっている。
2022年09月27日
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