久しぶりに少し検索して、
親指シフト5chスレに、
親指シフトってそんなにはええのか?
動画出してみろよと噛み付いてる若者?がいて、
お前はかつての俺か、という感じで見てたのだが
(2019-2020ごろ)、
それに対するシフター側の反論が気になった。
一応ソースを貼っておく。
このスレの493-600後半あたり。
昔ながらの2ちゃん的議論が懐かしかった。
https://itest.5ch.net/mevius/test/read.cgi/hard/1525746789/
一番気になったのが、
「親指シフトはメジャーなものであり、
マイナーで聞いたこともない配列は、
試す価値がない」
という論調かな。
「我々は大企業が推す、
物理キーボードもあればエミュレータも更新される、
お墨付きを(無批判無自覚に)使っている」
というだけのような気がした。
仮に富士通が「ごめんごめん間違ってたわ。
薙刀式キーボード出すんでそれに変えてください」
といったらそれに変えたのだろうか?
そして現在すべてのサポートが終わり、
「公式」の火が消えたいま、
彼らはどのように考えているのだろう?
「かつて素晴らしいものがあったのだが、
愚かな人民が理解せず滅ぼした」と、
ぐずぐず言うのかなあ。
僕は大阪人で阪神ファンなので、
巨人ファンの考え方が相容れない時がある。
巨人ファンは東京という「一番」によっかかり、
「一番」だから好き、という人が一定数いるんだよね。
あらゆる球団の中でこういう特徴があるから好きとか
(ちなみに僕が阪神が好きなのは、
運営がとても人間的で(愚かなのも含む)、
防御よりも攻撃重視な所と、ファンの阿呆ぶりだ)、
地元だから好きとか、
強烈な愛の意思がなくて、
「一番だから好き」というよく分からない理由が、
僕の相容れない所だ。
一時期藤井聡太が昇り竜のように来たとき、
女子たちが「カッコいい」って本気で言ってた時期があったんだよね。
その棋風(終盤の寄せの読みは他を寄せ付けず、
そこに持ってくるためにAI研究で新手を持ってくる)の話かと思ったら、
「顔がカッコいい」って言ってるんだよ。
お前ら目腐ってんのかと思ったね。
あのぼんやりした顔は明らかに理系サークルの平均だろうに。
(理系男子校出身なのでディスってます)
つまり、「一番だから好き」って言う人は、
世の中に一定数いる、
というのがここから分かることだと思うわけ。
一番だから好きでない人は、
冷静に議論が出来ると思う。
そうした人は「親指シフトは最速最楽とはかぎらず、
もっと合う配列があるかもよ」と、
やんわりしているが、
そのやんわりは多数の議論に呑まれて流されやすい。
コピー打鍵の速さだけでいえば、
親指シフトは、新下駄にもいろは坂にも月にも、
qwertyにもJISカナにも負けている。
長い文章の創作打鍵の動画だけで言えば、
親指シフトは、薙刀式といろは坂に負けている。
これは客観的な事実だ。
少なくとも客観で証明するならば、
コピー打鍵でシフターがZタイパーになるか、
創作打鍵で1500字(変換後)/10分以上の動画を出すしかない。
いや、そういうことじゃないんです、
主観的に楽なんです、というならば、
その主観が知らない人にもわかるように、
うまく説明するべきだろう。
たとえば「大麻の気持ちよさ」を説明できるようにだ。
僕は吸ったことがないから、
その気持ちよさをうまく表現して、
その気持ちにさせる文章は読んでみたい。
そしてそれは、小説やフィクションの仕事だと思うんだよね。
僕はその世界の人間だから、
薙刀式の気持ちよさに関しては、
手を替え品を替えて語っているつもり。
その「主観的に楽」が、
いつも、qwertyローマ字に比べて、JISカナに比べて、
という借りてきた議論なのが、
つまらないところなんだよね。
たとえば薙刀式では、
「である」「かもしれない」なんかがアルペジオで最高に速く、
「集中力」「上級者」なんて拗音熟語が異常に速くて気持ちいい。
「ファンタスティック」がスルスル打てる。
「ということは、」が流れる指になる。
こんな簡単な話でいいから、
主観的な話を聞きたいんだよ。
「たとえば」をしりたい。
いや、我々は親指シフト伝道師ではなく、
ただのユーザーなのでようわからんです、
大富士通に乗っかってるだけなので、
もっと詳しい人に議論をふっかけて下さい、
という割り切りもないから、
議論の堂々めぐりが2ちゃん的だったなあと思った。
今なら、自作キーボードで、
いくらでも○○式キーボードはつくれる。
印字ありのキーキャップだってつくれる。
(ブラインドタッチだから本来不要なのだが、
他の人にアピールする用につくれるよ。
たとえばあぷろさんは親指シフト印字キーキャップを昇華印刷で自作した、
コルネキーボードを持っている。
直接話したが「楽」の正体は打鍵数で、
新JISの濁音二打より楽、という指標であった。なるほど)
自分で作り始めれば、
「他はどうだろう」と気になり、
「自分のやっていることは妥当に正しいのだろうか」は、
とても気になると思う。
つまり研究者の立場だ。
研究者はこうした自己批評に常にさらされる。
人生の一部を捧げるものに、
価値があるかどうかはつねに問答するべきだからね。
親指シフトがそれほどいいものか、
いやベストか、
いやベストじゃないけどここがいいところだ、
みたいな捉え方で親指シフトを見ている人が、
結構少ないのかなあ、
というのが僕の感想。
キーボードもないくせに月配列がなんぼのもんじゃ、
という排斥の仕方も、
「一番だから好き」の人なのかなと。
いや、公式キーボードなんてなくたって出来るぞ、
という良さを理解してないことが、
「よっかかることで思考停止している」
感じがしたんだよね。
親指シフトは発表当時画期的であり、
一時期ナンバーワンを取ったが、
その後ナンバーワンから転落し、
根拠となるワープロコンテストも、
トップが920字(変換後)/10分であった証言があり、
現代の2000越え水準からは遥かに下である。
つまり、全然一番じゃない。
僕は阪神ファンなので、
一番だから好きになることはないから、
親指シフトの何がいいのか、語ってほしいんだよね。
自作キーボードの人たちは、
みんな違ってみんな良いの人たちだ。
そのやり方はあなたにとって一番だが、
私にとってはそうではないかも知れないし、
そうかも知れないので、
話を聞かせて下さい、
という人たちである。
それはいい意味の喧嘩で、
いい意味の研究者的態度なんだよね。
そうして淘汰や進化をしていけばいい、
と考えている人たちで、
それは科学の徒だなと僕は思う。
とても健全だなと。
主観と主観のぶつかり合いを、
どうにかして客観で橋渡しをして、
ここからは理解できる、ここからは違うと思う、
という線引きを冷静にしているから、
とても面白い。
そういう世界があることを、
親指シフターは知るべきでは?
と思ったな。
まだまだ自作キーボード界隈では、
物理配列が話題の中心で、
論理配列に至ることはまれだ。
でもキーマップに関することは、
興味があるもののその知識がないため語れない、
という人が多いと思う。
でも親指エンターや親指BSは明らかに便利で、
親指操作のレイヤーキーでホームポジションのまま文字以外のキーを打つのも、
もはや常識になりつつある。
あとは文字配列だな、というあたりまで、
空気は熟成されているような気がするため、
そろそろ布教時期では?
などと僕は思っている。
同一品大量生産の時代から、
多品種少量生産の時代になり、
オンデマンド生産の時代へ移行しつつある。
一番に寄りかかり、
それをアイデンティティにすることは、
だいぶ前の感覚に僕には思える。
それが2019-2020。ごく最近なのに。
(追記)
「一番のものが好き」って心理、
ひょっとして「最初に見たものを親と思い込む」
ヒヨコの本能的衝動と同じ遺伝子かな?
だから理性で覆せないのかな?
2022年10月15日
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