2022年10月15日

【薙刀式】HHKB無刻印への道がおもしろい

憧れの無刻印HHKB。
そこへ段階的に至るための方法論。
https://happyhackingkb.com/jp/life/hhkb_life19.html

僕はずっと36キー無刻印なので、
その違いの話をしてみる。


キーボードになぜ刻印があるのか?
「どのキーがどのキーか、わからなくなるから」だ。
それはなぜか?
「全てのキーが同じ形をしているから」だ。

じゃあ形を変えればいいじゃん、
と僕は考えている。
そのキーがそのキーの機能っぽい形をしていれば、
間違うこともないじゃんね、と。

専門用語でアフォーダンスをつける、などという。
アフォーダンスとは、
「それがその機能がありそうだという形をしている」
という概念だ。
ガラスでできてたら、「割れそうというアフォーダンスを持っている」し、
丸かったら「転がりそうというアフォーダンスを持っている」
という言い方をする。

UIでもボタンが出っ張ってるような影がついてれば、
「押せそうな気がする」というやつだ。
そこにマウスオーバーして文字が反転すれば、
100%ポチッとするよね。


キーボードのキーが全部同じ形をしてるのは、
その方が量産できるから、
というコスト上の問題にすぎない。
僕は、全キー異なるアフォーダンスを持たせることが、
正解だと考えている。


さて。

無刻印キーボードは、
ブラインドタッチできれば無刻印でも大丈夫だよね?
というプロ仕様だ。
まさかこれを見て、
「印字するお金がなかったんですか?かわいそう」
という人はいるまい。
「どういうこと?」と混乱する人がほとんどだろう。
つまりそれだけ、
ふつうの人は印字頼りなのだ。

僕はキーボードは触覚で使うべきものだと思っている。
日本刀の握りを見て人を斬る人はいまい。
道具はすべて触覚で使うべきだ。
だからタッチタイピングという言葉は使わずに、
かたくなにブラインドタッチを使っている。
つまり僕は座頭市である。
視覚など頼りにしない。


でも、HHKBの無刻印は、
僕にはハードルが高い。

なぜなら、その配列の並びが、
非合理的だからだ。

文字配列のqwerty部分、30キーは頑張って覚えた。
左端もいけるし、右端もいける。
最下段もまあなんとかなる。

僕が無理なのは、
数字段、数字段の0とBSの間の部分、
そして小指伸ばしの部分だ。

数字は最悪なんとかなるとしても、
数字段の記号が全然無理。
右小指伸ばしに至っては、指も正確に伸びない。

それはすべて、
「なんでその並び順なのか?」が理解できないからだ。


僕がHHKB無刻印を使えない理由は、
つまりふたつある。
1. 全てのキーに、構えた状態からブラインドで届かない。
2. 全てのキーの並びが不合理である。

だから36キー無刻印になる。
ふたつの理由は、
1. 全てのキーにホームポジションから届く。
2. 合理的なマッピングにすることで、動線が整理される。
ことによって解消する。


もっとも、今のHHKBならば、
キーマップを変えられるから、
2の理由は解消するだろう。

あとは1だよね。
60キーは僕にはいらない。

そしてHHKBの最大の優位点、
極上のキータッチは、
僕の自作キーボードの方が上だ。(個人差があります)


自作キーボードがなければ、
今でも無刻印HHKBは、最高峰でいられただろう。
でももうそうじゃない。
36キーないし30〜40%付近が、
人類が気軽に扱える無刻印だと、
僕は考えるようになった。

もちろん、
ブラインドタッチしないならば、
印字ありでいいんじゃない?

僕も滅多に使わない記号は適当に打って探すもの。
あと日本語では薙刀式100%で足りてて
(せいぜい数字を使うくらいか)、
実はMiniAxeのキーマップを使ってない。
英語とプログラミングのときだけ、
機能キーとか記号とかを使う。

人生の優先順位は人によって違うよね。
僕が36キーで足りてるのは、
キーボードの力ではなく薙刀式の力だと思う。



僕は、キーボードを武器によくたとえる。
素手(手書き)が一番強いんだけど、
デジタル変換するには荷が重いから、
対デジタル武器として、
キーボードがあると考えている。

その武器は、ブラインドタッチで使いたい。
手早く、意思を伝えやすくしたいし、
疲れたくない。

その目的にHHKB無刻印が合う人もいるだろうが、
僕には、
「1つの指にキーは3つまで」のほうが、
アフォーダンスが紐付きやすい。

人類に可能なブラインドタッチは、
「1つの指にキーは3つまで、
人差し指は6つまで」が妥当だと考える。
それならばグーチョキパーくらいのアフォーダンスでいける。



僕は一度だけカフェでHHKB無刻印尊師スタイルの人に、
遭遇したことがある。
画面を見るとコーディングしていた。
とっつかまえて話を聞けばよかったとちょっと後悔している。
絶対話したいはずだと、今なら思う。
「ほほう、わかりますか」という変態紳士の会話をしたかったなあ。
posted by おおおかとしひこ at 16:06| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック