地味ハロウィン好きなんだよね。
ハロウィンのコスプレキャッキャ、
広告代理店に作られたイベント感に乗れない人たちが、
アンチテーゼとしてやっている地味ハロウィン。
初年度だったかの、
「TSUTAYAにDVD返しに来た人」というのが大好きで、
ほんとにそれっぽい地味な格好で笑った。
「そういう地味な瞬間が人にある」
という発見のゲームだと思う。
で、僕の今年の優勝がこちら。
https://mobile.twitter.com/KAGICGO/status/1586926396651495424?s=20&t=fAp-HV-HXy3H4BQKPy1xmw
ショッピングモールの1階でやってるイベントが気になる人
このテンションの低さがとてもいい。
スマホを適当に見てて、
微妙に気になってるが、
テンションが上がって駆けつけるわけでもないし、
でもこのまま通り過ぎるには微妙に気になってる感じ。
こんな瞬間が人生にはある。
手すりの古臭い感じも完璧で、
ダウンの地味な感じやオッサンの感じも最高だ。
逆に、違うなと思ったやつと比較してみよう。
https://mobile.twitter.com/naoshige2525/status/1586553397242519552?s=20&t=F0ATwFWoFhEKv_2axWuB_g
マンションの家から出ようとした瞬間、ほぼ同時に隣人がドアを開ける音がしたので一旦玄関で待機してる人
写真が狙いすぎてるからなのか、
ネタが説明が複雑なゆえに、
読んでるうちに冷めてしまうのか。
ダブル減点で寒いと思った。
https://mobile.twitter.com/sharaishvald/status/1586586229130207232?s=20&t=F0ATwFWoFhEKv_2axWuB_g
仮装大賞で合格して号泣してる背景の人
これは悪くない。いい目の付け所だ。
コスプレ金額も地味そうだし。
https://mobile.twitter.com/honageeeee/status/1586612703850041344?s=20&t=F0ATwFWoFhEKv_2axWuB_g
部屋のどこかに蚊がいる人
ネタ自体は笑ったが、
コスプレではないなと感じる。
部屋じゃないと成立しないから、
コスプレの概念からは外れるかもね。
これらはネタはいいが、最終精度にバラツキがあったように思う。
中身とガワについて、改めて考えさせられる。
逆に、趣旨を分かっていないものは、
もっと冷めるし、怒りすら湧く。
https://mobile.twitter.com/wildkumada/status/1454760063843721217
トーナメント表の決勝戦の部分
こういうことじゃねえんだ。
これはコミケや欽ちゃん仮装大賞でやってくれ。
目の付け所はよいが、
コスプレが地味なことが地味ハロウィンではない。
人間の地味な瞬間を、
地味なコスプレで表現するのが地味ハロウィンの醍醐味だ。
https://mobile.twitter.com/slowpoke_bs/status/1586588652951379969
キウイ
動物ネタはよそでやってくれ。
コストが地味なのが地味ハロウィンじゃねえんだ。
陽キャたちがウェイウェイやってるのを馬鹿にして、
我々は地味ですが何か、
という自虐と、
人間にはこのような瞬間があり、
我々の人生とはこのようなものである、
と恥をかくべきだと思う。
ということで、
冒頭にあげた、
ショッピングモールの1階でやってるイベントが気になる人
が優勝だと思う。
これが秀逸なのは、
「この概念を初めて聞いたから」だ。
これまでみんななんとなく知っていた瞬間だが、
今初めて言葉にされて概念化したような、
新鮮味がある。
そこが素晴らしい。
部屋に蚊がいるのだがどこかわからんとか、
隣と同タイミングになるのを避けるのは、
どこかで聞いたことのあるネタである。
その点一段劣るんだよね。
それはずっと前からあったのに、
今人類史上はじめて言葉になり、
認識された瞬間であること。
それが創作でやるべきことだ。
だから僕はこれに、惜しみない拍手を送る。
2022年11月01日
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カジックと申します。
幼少期の頃から色々考えることが好きで、周りからは少し変わってる(何を考えてるか分からない)と言われることもありました。
自分自身を否定されてるような気分でしたが、自分の考える『面白い』に自信があったので今回初参加ながらも手すりを自作し、普段掛けない眼鏡をし、満足のいく写真が撮れるまでひたすら撮影しました。
文章にも拘り、一晩寝かせてから投稿しました。
結果的に大きな反響を呼ぶことになり、自分の考える『面白い』が認められたような気分でした。
数多くある地味ハロウィンのツイートの中で、私の仮装をご評価くださりありがとうございました。
おお、まさかのご本人登場。
コメントありがとうございます。
地味ハロウィンが広まるにつれ、
陽キャについていけない人のカウンターカルチャーとしての知性
(みうらじゅん的な)を、
分かってない人が増えてきましたが、
その中でも今回のは完璧な正統進化だと思いました。
どうでもいいと思ってたけど、いざその場にいるとソワソワするけど、
それをあまり他人に悟られたくない、
みたいな複雑な心理をうまく表現できてて、
「そのような瞬間の発見」という新しさがあると思います。
それはやはりタイトルの勝利かなあ。
「どうでもいい(我々は別に楽しくない)赤い手すり」の色も完璧。
あと下りじゃなくて上りにしたのもいいんだよな。
遠ざかってるのに振り向く感じが。