2022年11月08日

【配列】かえであすかを見ると飛鳥が理解できる

tkenさんのツイートを見て、
そういえばかえであすかをまじまじと見たことはないなあ、
と思い、調べてみた。


えっと、まず配列図が手に入らない。
どこにあるんだろ?
ぱっとどういうものかを知りたいときにリーチできないのは大変だ。
「かえであすか」では出てこないし、
「かえであすか 配列」でも出てこないし、
画像検索もかえうちの設定画面がトップに来てしまっている。

で、作者のブログからの転載だけど、
これであってるかな。バージョン違いはないらしいから、
たぶんあってる。
3E3EA873-FABD-4115-9BA7-163C9D613734.png

テキストに起こしておく。
ロウスタッガードずれのテキストはあったが、
フォントによってずれが異なるので格子表記。
(数字段は省略)

【単打】
「ーじぶ% ━・とはば」[ ※━はダッシュ
きしうてぎ ゆんいかたけ]
ぴちみにぢ ゃっゅょめ…  ※ダッシュ三点リーダは2文字

【左シフト】
ぜせえぁぅ ぇぃよふ!){
ださありぉ ずるすまでげ}
ざひねびヴ やが、。?

【右シフト】
(ぷれぱ& 〜ぞそこごぽ「
わおならづ ぬくのつほろ」
ぺべへぐ* むをどもぼ

かえであすかは、飛鳥21-290をベースとして、
マイナー濁音を隣置にした簡易飛鳥というのが僕の認識だ。
また手の小さい人に配慮しているらしいが、
配列図からはそこは読み解けなかった。

清濁別置配列の弱点は、
先日マイナーカナを調べた表からわかるように、
とても頻度が少ないため、覚えることが困難であることだ。
それをかえであすかは隣置にすることで、
記憶負担を減らしている。

また、日本語には連濁という現象があり
(それぞれ、ときどき、かわるがわるなど。
あと、かま+こおりでがまごおりになるのも連濁だっけ)、
濁音別置は静音運指と異なるものになるため、
違和感があるのでは?
というのが清濁同置派の僕の意見だ。

なので、完全に別位置にした飛鳥よりも親近感がわく。
ただ、「どっち隣?」がバラバラなので、
パッとわからないかも?
(よくみると中指を軸に外側が濁音なのかしら)

隣置とはいえ、そうなっているものは、
ばぜぞごべ
だけであり、
隣置になっていないものは、
じぶぎぢ だずでげざび どぼ
(じざびぼ、はまあ隣、ぎぢは中指対称に近い)
なので、
「多少マシ」のレベルかもしれない。

このうち、じぎぢびの4カナは拗音の第一音になるので左側、
という法則はあるから、多少は記憶負荷は下がるかも。

また半濁音は「あまったところ」感がつよく、
これが妥当な運指を考慮されているかは判断しかねる。
左右交互でいけるようになっているようには見えるが。

とはいえ、
複雑な飛鳥を紐解き、親しみやすくなっている感はあるから、
飛鳥に興味はあるけど難しそう、
という人はかえであすかのほうがマスターしやすいかもしれない。
(僕は最終版、21-290版ともに挫折したので、
一回やってみようかな、と思ったくらい)


さて、ここからが本題なのだが、
かえであすかを見ることで、
逆に飛鳥を理解しやすいと思ったんだよね。

・徹底的な中段重視。
 左右連続シフトを活用して、
 中段だけでかなりの言葉が作れるところ。
・上に加えて、上段のWE、IO、下段のVNM
 あたりを第二に重視していて、
 これらで骨格をなすところ。

・QP、RTYU、ZX、/あたりは捨て気味であること。

・拗音第一音は左、ゃゅょは右、うが左なので、
 拗音はかなりスムーズに打てること。

このあたりを抑えれば、
なぜ飛鳥が打ちやすいかを、
焦点を絞って考えやすくなると思った。

そして、同じ面でのアルペジオや左右交互で、
たくさんの言葉のパーツを見つけることができる。
これこそが飛鳥の心臓部だと思う。

じぶん して じて うし てき きて
みて かん たん たい いん けい けん した
とは はん った って っと
しょう じょう ぎょう きょう ちょう
にょう みょう ぴょう ぢょう(ゃゅは略)
てい うか てた しん てん きん きた 

あり さり ありえ
する ます です まで ですが、 ますが、
よる ある よね。

なら なれ られ
その この そく

などをぱっと見つけられるが、
他にもたくさんあろう。
(このへんは飛鳥使いの人が詳しいと思う。
飛鳥とまったくこれらのセットが同じかも不明)


このアルペジオのアイデアはかなり薙刀式に影響を与えているため、
むしろここに親近感を覚えるなあ。

清濁別置は濁音だけ独立して清音とは異なる運指をつくれるはずだが、
原理的な可能性に対して、
あまりそれが活躍する場面がない気がする。
「なるほどこれは濁音独自の運指だ!」
と思いたいので、どなたか詳しい人教えてください。
別置にしたことで記憶負担が増えて、
使いづらくなったデメリットのほうが気になってしまう。
それをかえであすかはフォローしたのはよくわかる。


かえであすか経由で、
飛鳥の本質的な骨格が炙り出されるのは、
なかなか興味深い。

飛鳥理論は複雑で、
最終版に残されたものすべてを、
網羅的に調べることは事実上不可能だ。
ブログを解読しようにも、
そののち棄却されたものを除くのが困難だし。

どなたかが最終版に残った飛鳥理論(全)と、
途中であったけどなくなったやつ、
あまり効果がなかったやつに、
分離してくれまいか…

その理論体系が整理されなかったことが、
飛鳥を「なんだかよくわからないもの」
にしてしまっているのが勿体ない。
作者のRayさんは「さわればわかる」と思っていたかも知れないが、
こっちとしては「触る前に知りたい」のでねえ。


簡易版飛鳥というよりは、
本質抽出飛鳥ともいえる、かえであすか。

武術の世界では最初に奥義ありという。
初期の技こそがもっとも本質的なその流派の考えであると。
(空手なら正拳突き、剣道なら面)

かえであすかを触ることで、
飛鳥の奥義が理解できそうな気がした。
posted by おおおかとしひこ at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック