2022年11月13日

【薙刀式】ミスは、同時に何かをしようとして起こる

冷蔵庫の中にスマホを置き忘れるときは、
スマホを見るのと同時に、
冷蔵庫のプリンを取ろうとした時である。

ミスに関する考察。
https://mobile.twitter.com/streptocoooccus/status/1575284583121108992


学生時代の愛読書、
「誰のためのデザイン?」が紹介されてて、
懐かしかった。
いま高騰してんのか。
でも値段分の知識が得られるので、
ものづくりをする全ての人におすすめ。


フェイルセーフという考え方がとくに重要で、
「人間は必ずミスをする」という前提に立ち、
「ミスをしたとしたらその原因を把握できる」
「どんなミスでも致命傷にならない」
「ミスをリカバーする手段がある」
「ミスの原因がわかれば同じミスをしづらくなる」
という基本的な考え方は、
薙刀式にも取り入れているつもりだ。

僕が相互シフトにこだわり、
重なりの%のロジックに納得していないのも、
「なぜミスをしたか自分で判断できて、
改善をその場で確認できるか」
を重要視しているから。

タイマーロジックでは微妙で、
重なりの%だと余計分からなくなるので、
「少しでも重なれば同時、
重なりが全くなければ順次」
というのは、誰でも常に分かりやすい基準だと考えている。

昨今の改定で考えていた、
「から」が「ぶ」に化ける問題も、
「どれだけ注意してもミスするなら、
いっそそこをなくす」
というフェイルセーフの考え方に基づいたものだ。

人間は絶対にどこかで間違う。
誤解は起こる。
間違いには癖があり、
治せるものもあれば、治らないものもある。

その時に、致命傷にならず、
柔軟に対処できるかどうかが、
重要だと考えている。


たとえばワーストケースは、
Fnキー押しでのNumlockだ。

昔使ってたWinでは、Numlockランプが小さすぎて分かりにくいところにあった。
そしてNumlockそのものを知らなかったため、
何が起きたかすら把握できず、
ググりようもなかった。
ランプの近くにNumlockとでも書いてればその言葉をググったが、
おしゃれデザインで緑のランプしかなかった。
そのランプが「なにかのロック状態をしめす」
ことすら僕は知らなかった。

何かの誤打鍵で、Fn+何か→Numlock
でロックがかかった、
というのを把握するのに半日かかったな。

起きている現象を把握するために、
ひとつひとつのキーの挙動を調べて、
正常と異常を切り分けて、
「○キーが×××になる」
みたいにググって、
ようやくNumlockという存在を知った。
そんなものあんの?なんのために?
と思ったことに関して、まだ僕は納得していない。

これは最悪の設計だ。


あといつも言ってるが、全角半角のトグル。
こういうトグル方式のものは、
すべてスライドスイッチにすればいいのに。
ここの設計をケチったWin設計者は、万死に値する。
当然USBの裏表もね。



人差し指シフトという、
他の配列では類を見ないものを採用してるのも、
「人差し指なら器用で動かせるでしょ」
という考えに基づくものだ。
そのへんがマスターまでの時間をちぢめて、
多少疲れてるときでも執筆を続けられる。
こうした実戦プルーフが重要だと思うんだよな。


逆に、ミスしちゃいけない選手権をやったら、
人は必ずボロボロになる。

ノーミスが褒められた芸になる時点で、
人はミスを99.9%するってことだ。


薙刀式の象徴はU位置単打のBSだけど、
編集モードでの、
DF+Uの、末尾まで消去
DF+Oの、Del
DF+Pの、入力キャンセル(ESC×3)
DF+Iの、再変換
DF+JとMの、文字方向移動
DF+Kと,の、文字方向選択
なんかは、
そうしたことの集大成だったりする。

多分、人は、
「日本語の文章を書く」ことと、
「PC操作(変換やその他)をする」ことを、
同時にこなせないと僕は考えている。


「無意識化すれば問題ない」というものと、
「それには無理がある」というものの差は、
個人によって異なるのだろうか。

UIとかユーザビリティとか言ってる人は、
まず冷蔵庫にスマホを置き忘れることに対して、
抜本的な改革を行ったらどうか。


扉にスマホを入れるなと書いたり、
冷蔵庫とスマホを連動させて警告を出す、
ではダメだと思う。
もっと抜本的な、人間の心理や無意識に基づいたものをだ。
posted by おおおかとしひこ at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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