配列を変える第一歩に、
この考え方を持ってくるといいかもしれない話。
qwertyを、
ローマ字と英語の両方に使うから問題が出る。
音の流れも文字の流れも異なる二つの言語を、
同じキー配列で最適化できるわけがない。
それぞれに適したスペシャリストを用意すればいいと思う。
そうじゃない限り、
汎用性は高い=どっちつかずの無駄な配列を、
使い続けることになる。
いや、それが汎用性なのだという人はここで帰ってください。
そうではなくて、
スペシャルなことをしたいのに、
汎用道具しかないことに、
不満のある人がこれ以下を読むべきだ。
極論、人を殺したい時に、
カッターナイフの棚しかないのと同じだ。
包丁や日本刀が売ってなくて不満な人は、
そういう武器屋に行くべきだ。
文房具屋しか世の中にないならしょうがないが、
安心したまえ。
世の中にはたくさんの新配列がある。
まず日本語配列と英語配列を、分離しよう。
それぞれの言語に適した、
二つの配列を使おう。
そしてそれらを行き来しよう。
経験上、
英語=qwerty、
日本語=専用配列、
とするのが一番オススメだ。
qwertyの英語がイマイチという問題よりも、
qwertyローマ字の日本語がイマイチの問題の方が、
深刻だからだ。
英語を英語専用配列、
日本語を日本語専用配列にするのがベストだが、
二つやるのはたいへんだ。
なので効果をより実感できる、
日本語配列を変えるだけをやるのがよい。
qwertyをまんまにする理由は、ひとつだけある。
「全てのショートカットは、qwerty配置を前提としている」
ところだ。
日本語配列を、
ローマ字配列だろうがカナ配列だろうがに変えたとしても、
「ctrl、alt、winを押すとqwertyバインドになる」
設定をすることをすすめる。
そうすると、
qwertyから変えたことでショートカットがややこしくなることはない。
(DvorakJではチェックを入れるだけで実現できる)
もうひとつ懸念点がある。
「半角入力(英語)と、全角入力(日本語)の切り替え」だ。
Windowsの全角/半角は遠すぎる。
薙刀式では、
半角(IMEオフ)を、FG同時、
全角(IMEオン)を、HJ同時に当てている。
標準運指では同時押ししない2キーの同時にすることで、
他の運指と混同しないのがいいところだ。
で、これの目指すところは、
「これから打つ言語を先に宣言してから、
打ち始める」という習慣である。
これはMacの英数/かなの哲学だ。
IMEを都度切り替えて、
英語は英語用の状態(IMEオフ)、
日本語は日本語用の状態(IMEオン)で、
使うべきということ。
半角文字はすべて「これから半角を打つよ」
と宣言してからやればいいし、
全角文字はすべて「これから全角を打つよ」
と宣言してからやればいい。
いまどっちかわからないトグルで全角半角を切り替えるべきではなく、
明示的に自分の意思を示して言語を選ぶべきである。
そうすることで、
USBの裏表のような今どっちか分からない問題を回避できる。
これは同時に、
「IMEがオンの時に、
英語だと思ってうっかり打ってしまい、
F10でことなきを得る」を、
廃止しようということである。
男女別のトイレにたとえよう。
入り口を間違えたら、
一回出て、
正しい入り口から入るべきだという話。
途中で壁を壊して隣に行くやり方を取るのではなく、
「そもそも間違いやすい入り口であること」
が問題であることに気付こうということだ。
Macの英数/かなの「打つ前に明示的宣言をする」
やり方ならばこの悲劇をすべて避けられる。
ウィンドウを移ったときに勝手にIMEの状態が変わろうと、
変わるまいと、それらをノールック確認で、
明示的に宣言すれば問題ない。
このことにより、
英数配列は半角英数で、
日本語配列は全角で、
という明確な分断が可能になる。
これをやりやすいMacは幸せだ。
スペースキーの左右に英数/かながあるからだ。
Windowsは最悪だ。
Qの向こうの全角半角を、USBの裏表のようにトグルしないといけないし、
Capslockで半角、ひらがなカタカナキーで全角なんて、
対称的でない打ち方は直感的ではない。
(まだ左右シフトにバインドされてれば納得はいった)
これらのOSに左右されないために、
薙刀式では、
FG/HJ方式を考えた。
これくらい便利ならば、
英語配列と日本語配列を、
完全に往復できるでしょと。
つまり、
英語配列と日本語配列を分離するためには、
二つの条件が必要だ。
1. ショートカットをqwertyのまま(あるいは新英語配列にあわせる)
にすること。
2. 英語配列と日本語配列の切り替えを、
ホームポジションから手を動かさず明示的にできること。
(FG/HJはその解のひとつ)
この条件が整わないかぎり、
いくら日本語配列を変えても、
不便がつきまとう。
全角アルファベット、全角数字、全角記号はどうする?
半角状態を選択して再変換したまえ。
そんなに出番が多くないはずだ。
多いなら、そうなるような切り替えボタンをつくればよい。
日本語配列を変えよう。
この二つをクリアしたら、
どの配列を選んだとしても、
スムーズに英語配列と使い分けられるだろう。
同じ配列で両方打てば…
という貧乏根性は捨てよう。
その貧乏根性、ないしは無知のせいで、
あなたは「その言語に最適化された配列で、
心地よく、思考のままに書ける」
という、
もの書く人間として当然の権利を、
これまで拒否してきたのだ。
もし、それぞれの言語に特化した、
ブラインドタッチで使いやすい配列があったら?
それが新配列だ。
2022年11月15日
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