飛鳥配列の、「段系」ってことばの意味を、
かえであすかのブログを遡っててやっとわかった。
ア段やイ段などをまとめてどちらかの手に寄せる、
という意味だったのか。
で、薙刀式も実はそうだったと気づく。
飛鳥の段による配置は、
以下の通りだ。
左手:
ア段、イ段、エ段
右手:
ウ段、オ段
もちろんこんな綺麗になってるわけではなく、
例外もある。
左手:
ア段、イ段、エ段
(例外)う
右手:
ウ段、オ段
(例外)い、ん、ゃゅょっ
のような感じらしい。
で、実は薙刀式も、
この段による左右の振り分けが、出来てるんだよね。
左手: イ段、エ段
右手: ウ段、オ段、例外いん
例外は多少ありながら、ほぼこの原則が保たれている。
例外はマイナーカナで、まあそれは許されるだろう。
で、ア段はどこ?と言われると、
これが面白くて、
「真ん中付近」なんだよね。
右手人指: あたなや
右手薬指: さらわ
左手人指: かま
左手中指: は
そして、
飛鳥も薙刀式同様に、
左から右の流れを意識していたらしい。
単に「速い/楽」を意識した結果そうなったらしいが、
薙刀式のように、
明確に左右の役割をわけてはいないっぽい。
薙刀式のアプローチは、
左手に助詞やつなぎの言葉を多くして、
右に文末(動詞終止形のウ段)や語末に来やすい活用語尾を多くした、
つもり。
それが結果的に、
左手にイ段エ段、
右手にウ段オ段が集まったということは、
日本語がそういう言語(段によって役割がある)、
ってことじゃない?
特に僕の脳内には脳内発声がないため、
音ではなく役割で配置したため、
音の結果は偶然に過ぎない。
だけど結果的に、
飛鳥とア段以外同じ傾向になったというのが面白く、
日本語が、「音によって役割がある」
ことを示唆してるのではないかと思う。
もちろん日本語話者としては、
客観的証拠はないものの、
なんとなく理解できる話で、
「言霊」はそれを指すことばでもある。
ア段が薙刀式は特殊だな。
真ん中に寄せているんだなあ。
ア段は最も平易な発音であることから、
「重要な役割をするもの」が当てられている気がする。
薙刀式は重要なものは内側指に任せるため、
結果的に真ん中に寄ったのでは、
と考える。
僕の、飛鳥配列へのなんとなくのシンパシーは、
アルペジオや連続シフトでヌルヌルと繋ぐところや、
手ごね配列の細やかな配慮だったりするのだが、
もっと根っこのところでの、
日本語の、言霊と左右の感性の部分に、
共鳴してたのかも知れない。
親指シフト、新JISと、
漢語配慮(漢字の二文字目には8種のカナしか来ないため、
これを右側に寄せて、左→右で漢字を打ちやすくする)
の設計ばかり強調されたのは、
「かな漢字変換黎明期のアピール」ではないかと僕は考える。
逆にそこで止まっていた音韻論に対して、
飛鳥は和語を強調したそうな。
具体的な方策は不明だが、
それが段系という発見とつながってるような気がするな。
薙刀式の直感的な使いやすさの秘密?が、
またひとつ暴かれたような気がするが、
役割と段の言霊的繋がりと言われても、
何と何が対応してるのか、
イマイチよくわからない。
イ段エ段は繋ぎが多く、
ウ段オ段はとどめが多い、
という風な調査が必要になってくるだろうな。
左手→右手の方が、
右手→左手より有意に速いことは調査でわかった。
(サンプル1、右利き)
イ段エ段からウ段オ段に繋ぐのが速いことが、
日本語文章を書くのにとって、
どのように得するのか、
は、これからの調査次第であろう。
また、飛鳥も薙刀式も拗音に対する考え方は同じで、
イ段カナを左手、ゃゅょを右手に置いている。
飛鳥は左→右で拗音を出し、
薙刀式は左右同時で拗音を出す差に過ぎない。
脳内発声を経由しない僕が、
役割だけで左右にわけたものが、
結果的に言霊主義の日本語になってるのが、
大変おもしろい。
2022年11月14日
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