2022年11月21日

【薙刀式】カナ2連接におけるローマ字配列の比較

ローマ字配列では一文字単位での議論しかないような気がする。
意外とカナの連接効率などが議論されてないのでは?
と思ったので比較してみる。


頻出連接20について比較する。
統計データはkouyさんの100万字統計。
それぞれの配列の運指はqwerty表記とした。

比較する配列は、
qwerty、SKY、きゅうり改、けいならべ、
カタナ式、tomisuke、phoenixカナ。
表中の【】はセンターシフト、()は同時打鍵。

   QWE  SKY  きゅう  けいな
ょう YOU  GI   OJ   UI
てい TEI  SP   G;K  SLK
しょ SYO  DGK  FO   DU
って TTE  SS;  MG;  PSL
ゅう YUU  GY   IJ   HI
して SITE DLS; FKG; DKSL
ない NAI  AU   EHK  AJK
かい KAI  FU   DHK  FJK
よう YOU  GI   ALJ  UI
こう KOU  FI   DLJ  FOI

った TTA  SSJ  MGH  PSJ
かん KANN FM   DHN  FJ;
うし USI  HDL  JFK  IDK
した SITA DLSJ FKGH DKSJ
こと KOTO FKSK DLGL FOSO
せい SEI  DP   F;K  DLK
たい TAI  SU   GHK  SJK
じょ JO   CHK  ZO   CU
す。 SU.  DHO  FJ.  DIY
た。 TA.  SJO  GH.  SJY



   カタナ   tom  pho
ょう LMK   OSG  (DO)(DH)
てい EOI   KDF  (G;)(DJ)
しょ RLM   LOS  (AJ)(DO)
って FEO   KKD  (EI)(G;)
ゅう LKK   OGG  (WH)(DH)
して RIEO  LFKD (AJ)(G;)
ない VJI   JAF  (SK)(DJ)
かい FJI   ;AF  (FK)(DJ)
よう LMK   OSG  (WL)(DH)
こう FMK   ;SG  (FL)(DH)

った FEJ   KKA  (EI)(GK)
かん FJ,   ;AJJ (FK)(SI)
うし KRI   GLF  (DH)(AJ)
した RIEJ  LFKA (AJ)(GK)
こと FMEM  ;SKS (FL)(GL)
せい ROI   LDF  (A;)(DJ)
たい EJI   KAF  (GK)(DJ)
じょ 【R】LM NS   (SU)(DO)
す。 RK【N】 LGE  (SH)(W;)
た。 EJ【N】 KAE  (GD)(W;)


以下感想。

qwerty:
思ったより嫌な運指がない。
このことがqwertyの「それほど悪い配列ではない」
という印象を助けているのではないか。
むしろこの辺しかqwertyはいいところがないはずだ。
促音の同鍵連打はとくにひどい。
打ちづらいTYがトップ20でも繰り返し使われていて、
うむ、やはりひどい。

SKY:
二重母音拡張、撥音拡張が威力を発揮して、
打鍵数が結構減っている。
qwertyとどっちかしか使えないなら、
SKYを選ぶ人しかいないでしょ。

きゅうり改:
GHに工夫があることを今回初めて知った。
GHを第二のFJとして、
FGHJを多用する配列なんだなという印象。
これ、きゅうり使用者はもっとアピールしていいところなのでは。
最適化も可能だし、
かなり楽に打てる配列なんじゃない?
僕の中で再評価。

けいならべ:
全体的に優等生。
気になるのが「。」のYかな。
結構使うし、そのたびにYはしんどいと思った。
月配列で「ん」がUにあるような嫌さを感じる。
案外新下駄の運指と近い気がした。
僕はやっぱりSDKLが基本的に苦手で、
それが新下駄でも苦手だった。
けいならべでもこれらは重要位置に認識されていて、
「手癖」が合わないなあと。
合う人は何も問題視しないだろうけど。

カタナ式:
上と対照的に、僕の手癖が出ている。
左右ともアルペジオを多用して、
楽しようと考えている。
とくに横アルペジオよりも斜めアルペジオが、
僕の手癖のようだ。
これもハマる人はバスッとはまる配列かもね。

tomisuke:
鳴り物入りの割には平凡な運指かな。
中でもやや打ちづらい運指があると思った。
sgやloはちょっと僕にはしんどいな。
この配列は英日共用であるという。
英語の性能はまだだれも試してないのでは…
英語の性能分ローマ字が弱く、
ローマ字の性能分英語が弱くなっていないことを期待するが、
果たして。

phoenixカナ:
行段同時押し系としてとりあげた。
これをめんどくさいと思うかどうかだけだなあ。
僕はめんどくさいと思った。
行段順押しするくらいなら同時の方がいいかも知れないが、
つらつらと言葉を紡ぐのに、
いちいち手旗信号みたいに両手を使うのは、
煩雑な気がするがどうなのかな。
動画とか出回ってないしなあ。

なおphoenixはそもそも漢直の中のカナ部分でしかなくて、
漢直がメインのはずだ。
でも出来がいいからここだけ取り上げられることも多い。
二段しか使わない打鍵感は、
ちょっと動画を見てみたいんだよね。

運指自体はまあそんなもんか、だけど、
二段での使用感覚というのは唯一無二だ。



カナ配列に慣れると、
カナ同士の連接で打つことが基本になってゆき、
三文字連続、四文字連続…
と流れで打つようになってくる。
この時ローマ字配列はついていけるのかなあ、
と疑問に思って調べてみた。

カタナ式の経験で言うと、
流れはつながったとしても打鍵数が多いため、
いずれカナ配列へ移行したくなるのでは、
というのが素直な感想。


一方、運指合理性だけが配列の特徴ではなく、
「すぐにマスターできるか」も重要だと思う。
SKY、けいならべはとても覚えやすく、
一日あれば大体動かせるのではないかしら。

qwertyに疑問を抱いた人に、
いきなりカナ配列を勧めてもドン引きされるから、
「qwertyに疑問があるなら行段系使え」
というのはひとつテーマとしてありそうだ。
posted by おおおかとしひこ at 16:18| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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