今年の頭に、サドルプロファイルキーキャップをさらに発展させて、
3Dキーボードを作ろうとしていた。
「静36」と薙刀の達人の名をとり、
キーボードとして文字を打てるまではつくり、
あとはボディ設計だけだなというところまでは来たのだが、
今は興味を失い中止している。
3D「だけ」が、エルゴノミクスか?
という問いになってくると思う。
興味深い記事を見つけた。
3Dキーボードの雄、Dactylの派生をまとめたもの。
https://odanny.com/tech/20221126-survey-dactyl-keyboards/
なかなか面白いんだけど、
これがベストとはまだ思えない。
その理論を洗練させて「静36」へと発展させようと思ったんだが、
二つ問題点がある。
・chocスイッチにいいのがない
・オールコンベックスキーキャップで3D軌道は十分
だ。
chocスイッチにいいものがないのが、
いまいち僕が静36をやろうとしない理由かな。
とくにPearlioという、
あまりにも気持ちのいいスイッチに出会ってしまうと、
chocはどんなに頑張ってもchocどまりとなってしまう。
MXで静36は作れないのか?には、
残念ながらノーだ。
親指キーが4本指の平面に対して、
オーバーハングしてめり込んでいるため、
右手だとNMキーの下部分が親指と干渉する。
あと全体的に背が高くなり、その調整はまず無理だろう。
なのでchoc(またはX-switchしかないが、
Xはしょぼい)でやるしかないのだが、
red-pro以来リニアはいいのが出てない。
sunsetはタクタイルとしてはいいが、
タクタイルじゃねえ。
あとchocのステムの穴の狭さが、
キーキャップ開発の心を折る。
ここが3Dプリントで安定しない。
今僕は透明レジンにハマっているが、
レジン系ではまず精度が出ない。
もう5回くらいテストプリントしてるんだけど、
どれもだめ。
MJFなら行けるので、
MJFで基部、上パーツを別で出して接着、
という案もあるが、透明レジンだとかっこわるい…
あと白レジンの黄変がひどいので、
白レジンで完成とできない。
その他は値上げが激しいので、
ナイロン筐体ひとつプリントするだけで2万かかる。
これはちょっといろいろ試作することは無理。
数千円なら試作を回すのはできるけどね。
(最低でも10回くらいは失敗しないと)
まあそれでも情熱をもってやれないことはないが、
オールコンベックスキーキャップの発見が、
「もはや3Dキーボード的に指を動かす必要ないのでは?」
まで来てるんだよね。
実質オールコンベックスの上では、
指の長さに応じて、
うまいこと指が流れるんだよね。
コンベックス型だから、
「真ん中を押す必要がない」
というのもでかくて、
指のいいポジションならどこでもどうぞ、
という感じが、指の長さの差をうまく吸収している。
唯一、親指キーが静36のほうがいいな、
とは思えるのだが、
最近発売したバージョンよりもちょっと改良して、
さらに良くなったので、
もうこれで良いのではなどと考え始めている。
まあまだ改良の余地はあるからもう少し詰めてみるが。
あれだけ考えた、
「キーボードが指の形に合わせる」よりも、
「適宜こっちが場所調整しやすい形」のほうが、
長いこと打てている自覚はある。
僕の目的は最速ではなく、
最長不倒だ。
疲れないことが大事で、
そのために自然な指使いとはなにか?がテーマだ。
3Dキーボードは、
「3Dキーボードの形」に、
指を矯正する矯正マシンに見える。
人間の調子のバラツキを考慮してない感じ。
それはゲーミングチェアでも同じで、
寝返りをうまくうてるようになりたいんだよね。
ということで、
Dactylの試みは大変興味深いけど、
エンドゲームはそっちにない気がしてきた。
「3Dやってみた」
という実験はとても大事だ。
やってみた結果あまり流行らないのは、
現在の高級キーボードの打鍵感に、
全然負けてるからじゃないかな。
まあ単純に、
3D基盤をつくることが難しいこともある。
空中配線もつらい。
でもそれをやってなお、
高級キーボードのような、
ずっと触っていたい質感をつくるのは、
破格に難しいなと思った。
まあ金属筐体削り出しの狂気をはらめば、
出来ないこともない。数十万かかるだろう。
でも、それに乗ってるのが、
chocスイッチなんだよなあ、
というところに戻ってくる。
ということで、
MXで3D曲面を考え直せば、
再び情熱は燃えるかもなんだけど、
うーん、オールコンベックスでいいんじゃね?
と考えているんだよね。
それよりもバビロンとか、
もっと大きなスケールでのエルゴノミクスが、
重要な気がしている。
手じゃなくて全身みたいな。
エルゴノミクスを研究してる人って、
どの程度の負荷を想定してるのかな?
一日一万字はすでに僕は行けると思っているが、
二万字はまだ無理だと思っている。
打鍵数で言えば、
qwertyで×4の80000打鍵くらい。
この辺が目標。
そこに3D曲面のファクターって、
あんまり効かない気がするんだよな。
少しずつの積み上げとしてはいいけど、
魔法の答えではない気がする。
論理配列→編集モード→キースイッチ→キーキャップ
→ケース→打鍵姿勢
と来たのだが、
まだまだどこに答えがあるのかはわからん。
ていうか、みんな体大丈夫なの?
俺だけが打ちまくってるのかな。
そんなに打ったら普通は体壊して、
書かなくなるのかしら。
2022年11月28日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック