2022年12月09日

シチュエーション、事情、行動、結果

色んな「物語のn要素」があると思うけど、
今回は4つに分類してみた。
これらをランダムに組み合わせてみる、トレーニング。


ストーリーを作る訓練をしよう。
シチュエーション、事情、行動、結果、
という4つに分けて要素分解してみようか。

シチュエーションとはなんでもいいが、
メインになる舞台やシチュエーションだ。
豪華客船の上ならばタイタニックになるし、
閉鎖された村ならホラーになるかもだ。
学校なら学園ものだし、
バンドならバンドものになるだろう。
こんなものならば100くらいすぐに出せるよね。
いや、200、300出してもいいよ。
500くらいだせるかもね。
戦闘機学校がトップガンで、
魔法学校がハリポタで、
夜間中学が山田洋二の学校だね。
そんな風に詳細を入れてもよい。そしたら500くらいすぐだろう。
これはあとで整理して、
入れ替え要素として妄想するために使う。

事情は、主人公やその他の人物が抱える、
「解決するべきこと」だ。
宇宙人の侵略でもいいし、
あの子のハートをゲットでもいいし、
遂行不可能なミッションに挑むでもいいし、
殺人事件を解決でもいいし、
引越ししなければならない、などの個人的なものでもいい。
これも100や200や300や500は、
すぐに書けると思う。
主人公だけじゃなくて、適役やわき役のものまで考えれば、
もっと出るんじゃないか。
明日までに戻らないといけないのは走れメロスだし、
借金を返すとか、
罰ゲームで告白しなきゃいけないでもいい。

行動は、
今は考えなくてよい。
事情と結末を結ぶ何かだと思って次へすすむ。

結果は、
ハッピーエンド、ビターエンド、バッドエンドの3種から選べばよい。
必ずしもハッピーエンドにしなくてよくて、
今はストーリーそのものを考える訓練をするから、
3種はランダムでいいよ。


ここまでは用意できた?
じゃあ本番。

シチュエーション、事情、結果を、
ランダムに選びなさい。
サイコロ的な何かでもいいし、
目に留まったやつでもよい。

そのストーリーを成立させるには、
どういう行動をして、
どういう結末になるのか、を考えるのだ。

たとえば、
エレベーターに閉じ込められて、
宇宙人の侵略を止めようとするために、
ビターエンド、
という話。
などのようにだ。
どういう行動をとればいいか考える。
通信で指示する話になるだろうか?
それとも宇宙人の放った毒ガス攻撃が、
たまたまエレベーター内に閉じ込められていたから助かって、
反撃に出るストーリーになるだろうか?
それがハッピーエンドでなくて、
ビターエンドになるということは、
侵略は止められたが主人公は死ぬとか、
侵略は一部成功したが、一部失敗もする、
などになるのだろうか。
好きにしなさい。


こんな感じで、
100でも200でも、
ショートストーリー
(思いつけば長いものでもいいよ)
をつくってみることが出来る。

で、よくできたやつをたとえば3本選びなさい。
その、シチュエーションか、
事情か、結末をランダムで変更して、
別の話にしてみなさい。

やってみると分るが、
シチュエーションがちがっても、
事情と結末が同じならば、
行動の種類をアレンジするだけで、
おおむね同じ話をつくることができる。

シチュエーションが同じでも、
事情が変われば、
結末への行動が変わってくる。

シチュエーション、事情が同じでも、
結末が変われば、
行動が変わる。かも知れない。
(同じでも成功したり失敗したりするには、
条件が変わってくるだけかもしれない。
たとえば主人公のスペックを変えるだけで、
容易に成功と失敗の分け目をつくれるかもだ)



さて。
実は、このシチュエーションがガワで、
事情と結末が中身である。

シチュエーションが変わると、
印象はがらっと変わるだろう。
たとえばタイタニックの話は、
宇宙船SFでもつくることが可能だろう。
でもそこで話される言葉や行動は、
船の構造に合わせて、まったく異なるものになるかもしれないね。
でも同じ話だろう。


こうしたことを理解しつつ、
「何をどう入れ替えたら、
どうなるのか」という実験をするために、
このトレーニングは有効だ。

かるたのようにして、
ランダムで組み合わせてみると、
その場でストーリーをひねり出す訓練にもなる。
これに慣れてくると、
いかようなものでもストーリーをつくる、
という技能が磨かれる。
つまり、「思いつかない」ということがなくなってくるよ。

もちろん、面白い、面白くない、
出来がいい、悪いはあれど、
出来ないということがなくなってくる。

まあ最悪これが出来たからいいか、
というものがあると、
「よし全然違うものを試してみよう。失敗してもいいや」
と気が大きくなるので、
大胆なアイデアを出すことを許容できる。
そっちがおもしろくなってしまったら、
キープしてたやつは捨てられるよね。

どんどん面白くなっていくわけだから、
やればやるだけ有効なやり方だ。



ストーリーは、どうやったら書けますか?
という問いは非常に難しい。
要素を抽出して、
この4要素で、
考えればいいんじゃないか。
基本、ストーリーというのは、
問題の解決で、
ストーリーをつくるということは、
無茶ぶりの問題を、なんとかして解決するまでを、
つくることである。
でもそれだけだとただの問題集になって、
面白くないので、
「それをなるべく面白いシチュエーションで描く」
というガワの要素にくるんで、
面白くするのである。

そのような、
どの要素がどれに効いてくるのか、
試すには、
こうした単純なパーツ分解が、
とても有効だと思う。

ペラ一枚くらいのプロットでよいから、
つくってみてはどうだろう。
100本くらいつくると、
経験的になんとなくわかってくるし、
よさげなやつの数本の脚本化をやってみてもよい。
そうして、おもしろいストックはたまっていく。


今僕は昔のストックを掘り出して、
いくつか書いているところだ。
そうして蔵出しをしてもいいし、
蔵を豊かにするために、
どんどんつくって習作してもよいのだ。
posted by おおおかとしひこ at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック