2022年12月12日

困ったら図をかけ

色々ややこしくなることがある。
そういうときは図をかいて整理するとよい。

ていうか、たぶん、図にかけない状況などは、
整理がされていないことが多い。
図に書くことで、整理するのである。


人間関係とか、地図的な位置関係は、まず図にかいたほうがよい。
さらに複雑な人間関係、
過去と現在が交錯しているようなものとか、
誰が誰にどの秘密を隠しているかとか、
そういうややこしいものも図に書いたほうがよい。

そもそも図にかけないものは、
整理が出来ていないことが多い。
もっとも整理されたものは言語化できる。
それは頭の中で図をかけるし、
なんなら言葉と図で他人に説明できる。
言語化とは最も整理された理解だ。

言語化できていなくても、
図にしてみることは、
言語化という整理への道だったりする。
「なるほど、これとこれはこうだったのか」とか、
「ここに穴がある」などは、
図をかいて初めて気づくことがある。
ああ、頭の中で考えていたことだけでは、
見えていない部分がたくさんあったなあ、
などとわかってくる。

図をかくと、考えを回り込むことができるのだ。


頭の中の考えというのは、一方的な視点であることがとても多い。
頭の中で視点を別の人物に移動したり、
別の場面や時間軸に動かすことは、
わりと難しい。
それを行き来して違いを把握したり、
修正をかけたりすることは、
頭の中だけではとても難しいと思う。
一方的な考えだけで気づかないこともたくさんある。
こういうときは、図をかくと整理できるのだ。

あるいは、自分が把握しきっている、と思うことでも、
図をかくことで新しい発見をすることが出来る。
たとえば「ドラゴンボールで悟空と餃子は、
一度も喋ったことがない」というのは有名なトリビアだけど、
これも人物関係図をかいていれば、
おや、悟空と餃子の線があいてるな、
ということに気づくはず。
天津飯だけでなく、餃子と誰かをどうにかしてからませる、
というアイデアもチェックすれば出たかもしれないのにね。

図をかくことは、
一次元的な、点的な頭の中を、
二次元平面に展開して、
整理することが可能になることが多い。


ちなみに今短編集を考えているんだけど、
20本を超えたあたりで、
どれがどれか分らなくなったので、
やっぱり図をかいたら、
次にやるべきことが見えてきて興味深かった。
単にリストをつくって、
登場人物に男女のマークを付けただけでも、
ああ、女主役がちょっと足りていないなとか、
気がくるっているタイプの男が主人公のやつがないなとか、
ネタ被りはあるだろうか、
とかをチェックすることができるんだよね。
ああ、ここが足りないからここを新しく考えよう、
などと次の指針を考えることが出来る。
そしてこれらを整理する、
別の軸を考え出すこともできるわけ。
小道具で整理できないかとか、
シチュエーションの季節で整理できないかとか、
職業で整理できないかとか、
ハッピーエンドやバッドエンドで整理できないかとか。
色々バランスを取りながらやっているつもりでも、
偏りはあるものだ。
その偏りに気づくために、
図をかいて整理することは役に立つよ。

で、ここからが僕のおすすめだけど、
デジタルで整理しないこと。
エクセルやイラスト系で管理できるのでは?
などと思わないことだ。

なぜなら、
「書き出すことが整理そのものだから」なんだよね。
カンニングペーパーをつくることが勉強そのものだったりすることと同じなのだ。

フォントがきれいになっているとか、
直線がきれいに引かれているとか、
左ぞろえになっているとかは、
整理の本質ではない。
情報が整理されているか、ということがだいじだ。
字や線が汚くても、
情報が整理されていれば、
それを俯瞰することが出来るんだよね。

頭の悪いやつほどデジタルを使い、
頭のいいやつほど、
「手でかける範囲に情報を整理する」と思う。

手でかける範囲にうまく情報を整理することで、
流れ続ける時間軸の映画の、
情報を整理することが出来る。
映画は止まって解説することができないメディアだから、
頭の中で整理しきれることだけが、
提示できる情報量だ。

麻雀のルールは複雑すぎて映画にならないが、
じゃんけんは映画になる。
整理できるからだね。


あなたの頭の中がごちゃごちゃしてきたら、
整理するために図をかくのである。

「あの人の頭の中は一体どうなっているんだろう?
あんなに複雑な物語を、どうやってつくったのだろう?」
なんて思うことがよくあるけど、
図をかいて整理しただけだと思うぜ。

これは、自分でかいた図だから意味がある。
自分自身の整理だからだ。
おかんが片づけた部屋は、どこに何があるかわからんよね。
そういうことだ。
posted by おおおかとしひこ at 03:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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