成長途中の動画は貴重だ。
他の人の「おれはこんなもんでいいのかなあ」という不安に応えてくれる。
薙刀式スクールがあれば横を見ればいいんだけど、
今は大抵独習だからね。
ということでラブねにゑさんの三ヶ月目動画が出た模様。
https://twitter.com/love_nenie/status/1601598785851109377?s=20&t=sinqXpN7SbbV_SUb9_v4vA
文中の、
われわれ まれに くつひも
は、【】を連続シフトとして、
使用配列をv14とすると、
【L/L/】 【F/D】 H【;XK】
と、ほとんど連続シフトで潰せる運指の、
例であると思われる。
(れ、ひ、ほは裏にカナがないため、
シフトでもそのままなのを利用してシフトカナとしても使える)
文中の、
「シフトに影響をうけない」というのが何を示しているか、
最初は意味不明だったが、基板のビアのたとえから、
配列界隈で言われてきた「連続シフト」のことかと思われる。
(シフトを押したり離したりする必要がない、みたいなことを言いたいのだと推測)
ある点(ビア)からとあるレイヤーに入り、
ある点(ビア)までそのままそのレイヤーを進み、
また別の点(ビア)に到達したら別のレイヤーに移動して、
次の到達点(ビア)までそのレイヤーで進む、
みたいなことなので、
いわゆる連続シフトだろう。
薙刀式では、
単打面とシフト面の、2レイヤーしか存在しないので、
裏か表かみたいな単純な構造だ。
だけど、そもそもこの連続シフトの構造は、
飛鳥配列がたぶん最初に徹底研究したはず。
単打面、右シフト面、左シフト面の3レイヤーに、
清濁半濁小書きがバラバラに置かれていて(別置)、
繋がりの強いカナ同士が同じレイヤーに置かれて、
連続回路が集積しているようなイメージだ。
代表的なのは左親指を押しながらの左シフト面で、
左シフトを【】で示すと、
です【;K】 ます【LK】
など、とくに中段アルペジオで色々なパーツ回路が仕込んである。
だけど、清濁別置により、
扱うべきカナ数が増え、
レイヤーも増えて、
回路が複雑化してしまったと思う。
丸暗記は頑張ればいけるとは思うが、
「ここにこんなパーツが!」と、
ぱっと見で読み取ることが非常に困難になってしまったので、
門外漢を寄せ付けないものになってしまったのが、
飛鳥配列の残念なところ。
「こんないい流れがあるなら、こうするべきでは?」
とかは、作者以外わからなくなってしまっている、
非常に理解困難な迷路になっている気がする。
僕は一度解読を試みたのだが、
やっぱわからんわ、となって放置したままだ。
真剣に解読すれば面白いレイヤー構造だとは思うんだけどね。
近視眼的で場当たり的な設計になってて、
俯瞰的な設計論がないのがよく分からない原因か。
その複雑な迷路を先に見ていたので、
薙刀式はもっと単純にしたろと思って、
レイヤーを2にした経緯がある。
自分的にも3は使えないだろうなと思った。
ただ当然、飛鳥のような、
ここぞという連続シフトのパターンは少ない。
ただ、感覚的になんだけど、
回路みたいにカナは整理されなさそうなんだよね。
その一連に使われているカナは、
他の回路でも使われるからだ。
パターンが多すぎる気がする。
とくに「い」「う」「ん」などは、
手を結ぶカナがたくさんあるので、
集積回路とかハブみたいになっている。
頻度的に単打カナだから、
これに連なるのは第一レイヤー、
となるだけで手一杯になってしまう。
まあその中でもビアに当たるようなカナが、
ありそうな気はするが、
うまく30×2のパズルにテトリスのようにハマるかは、
誰にも分からない。
薙刀式はその中でも、よく出来た解のひとつだとは思う。
連続シフトはシフトキーを押しっぱなしにするから、
たとえば親指に負担をかけることになる。
これを嫌って連続シフトを減らしても本末転倒だ。
なので、
連続シフト配列を設計することは大変難しいと思う。
連続シフトが採用されている配列は、
3面:
飛鳥、TRON(ただし1面は濁音)
2面:
新JIS、薙刀式
くらいかな。
思ったより少ないのは、
連続シフトを効率的に設計することは、
難しいからでは。
パズル的に収まったとしても、
指の流れが気持ち良くないと、
連続シフトの意味がないからなあ。
飛鳥を試用してみて感じた点は、
連続シフトが続く時は気持ちいいのだが、
計3面もあることから、
面の切り替えが頻繁にある言葉では、
親指がバタバタしてしまうこと。
言葉によって、
連続シフトの気持ちよさとトレードオフで、
バタバタするマイナーな運指も増えてしまうのだろう。
文字領域シフトキーで連続シフトを採用した例はないので、
それならもっとうまくいくかも?
(薙刀式はDvorakJの仕様上は、
人差し指シフトは連続シフト可能なのだが、
あんまり濁音連続とかないからなあ)
とはいえ、
「とても気持ち良くて使いやすく覚えやすい、
連続シフト配列」が存在しない悪魔の証明は難しいため、
妄想だけはすることになる…
薙刀式の連続シフトは、
たまにあると気持ちいい。
「くつひも」は自分でも気づいてなかったな。
自分的には、
必要 【X;I】L
はよく使うかな。
そうそう、これは打鍵動画の話であった。
三ヶ月もあれば、これくらいは自分の言葉を書ける、
というのはこの例からも想像できると思う。
薙刀式の特徴は、
「爆速で進むパートをかなり初期から使える」
ってことかも知れない。
そういった言葉たちを中心に前後を繋げていけば、
なんとかして自分の言葉を書ける、
みたいな状態にすぐなって、
あとはコツコツやっていく、
学習曲線の初期の立ち上がりが速い配列なので、
すぐに実戦に出れるのでは。
(追記)この動画だけでも爆速ワードはたくさんあり、
さいきん ふと のは、 されない
カナ というのは、 でいう なものかな、
ということです。 をつうじて おもてと
っていくように ふへん つながっていく かんじ
われわれ まれに とか そういう やつです
はいちする こと たくさんの つくれる
そんな でした
なんかはスムーズに速く打てている。
当然話題の語よりも繋ぎの語のほうが多く、
これが薙刀式だ、って感じだなあ。
2022年12月11日
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