2022年12月19日

【薙刀式】次の新配列はどこから生まれるだろう

16キーボードは、qmkと自作キーボードがなければ生まれなかったと思う。
じゃあエンジニアしか新配列をつくれないのかな?
僕は否だと思いたい。


エンジニアは、
そりゃ普通の人に比べたら、
沢山キーボードに触ってるから、
その効率化を考えるのも当然だろう。

でも日々キーボードに触れているのは、
エンジニアだけじゃない。
作家や編集者や記者など、
特別キーボードによく触る人もいるけど、
その人たちだけがキーボードを独占してるわけじゃない。

キーボードに触れるたびに、
この並びはおかしくないか?と気づく全ての人が、
プログラミングのことを知らなくても、
配列を作れるようにするべきだと僕は考えている。

実際僕は何の先行研究も知らないまま、
カタナ式のver1を作っちゃったし。


もちろん先行研究を知ることはとても大事だけど、
そもそもそのことを「キー配列」というのか、
「新配列」というのかすら、
名称は一定していない。

キー配列という言葉で議論されるのは、
ほとんどがUS/JISの話と、Win/Macの話と、
ノートPC/フルキーボードの話だ。
文字配列をqwerty以外にしようというアイデアに、
普通の人が触れて、かつ調べることはとても難しい。

なので、
「文字配列を変えよう」というのがもっとも端的だとは思うが、
先行研究たちを呼ぶ呼び方がないので、
新配列をとりあえず僕は使っている。


プログラミングも何も分からない人が、
「このキーボードから発せられた信号を、
PCが○○キーだと認識するのは、
決められた表があるはずで、
それを書き換えたり、
キーボードからの信号を読み取り、別の表に変換して渡すプログラムがあれば、
文字配列を変えられるはず」
と気づけるか、だと思う。

気づきさえすれば、ググってるうちにたどり着けると思う。

だからほんとは僕は、
「キーボードの仕組み」を解説してあげたいのだが、
qmkはだいぶ分かってきたけど、
PC側がどう受け取ってるかがよく分からんのよね。
だから詳しくわかる何かがあれば教えてください。

キーコードとスキャンコードは何が違ってて、
shift(kc_2)を"か@かを決定してるのは、
どこの何のファイルに書かれてて、
そもそもその処理速度ってどうなってて、
どのような処理に先立ってるのか、
みたいなことまで知りたい。
出来ればIMEとの関係もだ。
こういう大雑把な解説をしてくれる人がいないので、
個別に専門用語をググってはわからん、ばかりの無駄をしている。

第一USBケーブルがキーボードのマイコンに給電してることすら、
自作キーボードをやって初めて知ったことだし、
qmkのデフォルトがマトリックススキャンだと知ったし。



そんなことを知らなくても、
DvorakJがあればある程度新配列を作ることが出来る。
先行する配列を改造することで、
実装をパクることすらできる。

もっとカジュアルに、
配列をみんな変えればいいのにと思う。


国語学者なんかさ、
俺らの知らない日本語の知識をたくさん知ってるよね。
そういう人が根本から考えた日本語配列とか見たいじゃない。

事務のOLちゃんが、
こういう風になってればメールの文章打ちやすいのに、
って配列を使ってもいいと思うのだ。

なぜ誰も、qwertyローマ字のブラインドタッチを、
おかしいと思わないのだろう?
「Aを左小指で」という第一歩で僕は首を傾げ、
現在までそのままだ。
;なんて捨ててBSでいいでしょ。

これを不思議に思わない人は、
よっぽど言葉に対する感性が鈍いか、
手がめっちゃ器用で特段心配ないかの、
どっちかじゃないかな。
まあ、だから、国民的ブラインドタッチ率は30%を切るのだろう。


何かの記事で、
「上級者はブラインドタッチ」なんて書いてあってコーヒー吹いた。
上級者じゃなくて、
義務教育レベルにしたいよな。
そして義務教育には、qwertyは相応しくないと思う。

(僕は唯一の配列に限定するのではなく、
10個くらいから選べるようになってる無刻印が、
理想だと考えている)


次の新配列は、エンジニアじゃない人が作るべきだ。
これまでの配列作者で、
非エンジニアの人も結構いたと思う。
飛鳥のRayさんや薙刀式の俺は、
PCど素人レベルだと思うんだよな。

でも多少PCに明るくないと、
DvorakJをインストールしてファイルを書き換えて、
という発想もないかも知れない。

そもそも俺、テキストエディタ持ってなかったから、
いまだに薙刀式はメモ帳で開発しているし。
(なぜかqmkのコーディングはMeryを使ってる)
MacならデフォルトでSimpleTextがあり、
そこそこ性能がいいのに、
Winのメモ帳はかなりダメだと思う。
最低限すぎて時々むかつく。

だから、
テキストエディタを自分で調べてインストールできる人、
が、新配列を作る前のハードルになっている気がするね。



高校生がつくったtomisukeというのはセンセーショナルであったが、
作者のtomisuke氏はMoonlanderを使うギークだ。
僕は、
もっとふつうのおばちゃんがつくった新配列とかを見たい。

こっちの方が使いやすいやろ、
を作り出すのに、
特別な技能はいらないし、
手の感覚と言葉の感覚さえあればいいはずだ。


次の新配列はどこから生まれるのだろう?
エンジニア以外から出てくることを期待している。

新配列をつくるのは、
「変えても元に戻れる」という安心と、
「よしいくぞ」と飛び込む勇気だけだからな。

もしキーキャップがはずせて、
「好きなところに挿したら、
その印字のキーに変わる」
という仕組みならば、
みんな俺配列を作れると思うんだよね。
まあそれをプログラム的に実行するのがエミュレータなのだが。

Dumangがそれを実現したけど、
ビジュアルがいかつすぎたのかなあ。
普段使ってるキーボードが、になると完璧なんだろうな。


ちなみに昔カタナ式を開発してた頃は、
パンタグラフのキーをパチパチ外して入れ替えて、
空打ちしながら考えてた。
ブラインドタッチできればそんな必要もなかったのかもだけど。
posted by おおおかとしひこ at 12:56| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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