2022年12月19日

【薙刀式】長文のコピー打鍵

・ある程度の文字数を読み、内容を理解してから打鍵する(先読みなし、理解あり)
・逐次見ている文字を反射的に打っていく(先読みなし、理解なし)

のどっちが速いんだろ。
タイパーのコツを見ると、
(先読みあり、理解なし)が速いんだろうな。


ととさんがずっと停滞していた、
13分(600字)の壁を突破し、
12分台に乗った模様。めでたい。

これで500字/10分のペースだから、
適宜メールなどは書けるようになると思う。


もう昔の「速くなる努力」を忘れてしまっているが、
長文のコピー打鍵、僕はほとんどやらなかったんだよな。

目線は「先読みなし」にどんどん追い詰められているのに、
どうしても「理解あり」を脳が考えてしまうので、
ずいぶんと遅かった記憶がある。
eタイピングBくらいだったかな。

でこれは「向いてない」と思って、早々にやめた。
その時点でも700〜800字/10分くらいはあったので、
たぶん、
「自分に入れて出す」が、
「自分から出す」の倍(くらい)かかってるんだろうな、
と考えて、
「他人の文章のコピー」には興味がなくなった。


タイパーの技能に必要なのは、
「考えずに写す」ことである。
オウム返しが一番優秀で、
なんなら今打った文章の内容を、
何一つ覚えてないのが最高かも知れない。
(こういう言葉があった、くらいは記憶にあるだろうが)


そもそも理解とはなんぞや、
という話になるが、
人工知能研究をやってた20年前は、
僕はメンタルモデル仮説を支持していた。

言語による理解だと当時は思われていたが、
言語の下位にある、言葉を介さないメンタルモデルというのがあって、
それを組み合わせて、積み木のように積むと、
それが「考え」を表すものになる、
というような仮説だ。

なぜ人は言語が違うのに相互理解可能なのか、
なぜ人は言語を赤ん坊から学ぶことができるのか、
という問いに、
言語によらないメンタルモデルが脳の機能として最初からあり、
それを介して言語を覚える、
という仮説があって、
それが今でも僕の「理解」の理解である。

つまり言語をメンタルモデルに脳内で変換して、
それがうまくいけば理解できたということで、
メンタルモデルに不備があったり、
機能しないような組み方をしたやつは、
理解が不足している、という仮説である。

これによると、
僕は長文のコピー打鍵をするとき、
言葉からメンタルモデルを構築して、
理解しようと考えてしまうようだ。

そして改めて、「この理解を言語化するならば」
と元の文章を見て、打鍵組み立てに入る感じ。

タイパーはこの過程を飛ばして、
オウム返しに徹底する。
この差が、タイムの差になってくる、
と僕は考えている。


僕が薙刀式で書くときの速度は、
すでにメンタルモデルが十分にできていて、
それを言語で表現するときの速度に過ぎない。
打鍵組み立ては無意識化されていて、
思えば手が動くようにはなっている。

あるいは、
かっちりしたメンタルモデルができているわけではなく、
ふわふわしてる感じの状態であったとしても、
言語化することによって、
メンタルモデルが頭の中で動き、
より理解が深まって、さらに書くべきことがあることに気づく。

書くことのモデルは、
「頭から出てきた文章シークエンスをコピー打鍵する」
ではなく、
「頭の中の理解を文章化しているうちに、
そのフィードバックが頭の中であって、
さらに芋づる式で次の理解がすすむ」
みたいな感覚である。

だから、
僕が「書く」ことにおいてコピー打鍵はしてないんだよね。
ハンドサインで自分の考えをコード化している、
という感じ。
最終コードは日本語だけど、
その前のコードが薙刀式の手の動きで、
その前のコードがメンタルモデル、
みたいな感じだ。

だから僕は日本語を介して考えていない、
とすら言えるかも知れない。

脳内で考えて、脳内で言語化することもあるし、
言語化しないけど考えのプロセスが進む、
ということもあるようだ。


さて、コピー打鍵だ。

僕はこのような脳と手の構造をしているようなので、
他人の文章をコピーするときは、
一旦メンタルモデルまで解体する
(これが本を読むことだ)ことをしてから、
改めて再構築するみたいなんだよね。
だから2倍の時間がかかるみたい。

このプロセスを踏まないで、
目で見たものを反射的に叩き落とす動物のようになると、
コピー打鍵は速くなるのだろう。

ということで、僕は、
「じゃあ自分のやろうとしてることとは違うな」
と思って、
以降タイプウェルで指が動くような反射だけを鍛えよう、
と思ったわけだ。


最終的には常用語SSに到達したが、
ワード運に左右されるだけのゲームなのでは?
などと思い、限定数十秒でコンマ数秒を切ることに、
あまり興奮が得られなくなってしまったのでやめた。

もっと長い勝負、数日や数ヶ月単位の勝負をしているわけで、
しかも速度メインじゃないしな、
と思い、
それからは自分の書く文章の速度を測定している。

動画に撮れば簡単で、
10分前後書いて、頭とケツの時刻を見て引き算して、
それでエディタの文字数を割ればいいからね。


たぶん、もっと初期の頃は、
「何で手が詰まってるか」をメモする必要があると思う。

苦手な運指があるはずで、
でもそれは薙刀式の悪運指かもしれないわけで、
ほとんどの場合マイナー連接だから、
そこまで練習する必要もないとは思う。

「苦手だけど間違わずに打てるわ」
くらいに感覚として作っておくと、
出てきたときに焦ることはないかな。
ミスることもあるけど、
まあしょうがないと割り切れる。

ひとつの文章につき、
そんな単語はゴロゴロ出てくるから、
それをひたすら潰していくと、
指が繋がるようになっていくかもしれない。


遅い原因は、
遅い順に、
ミスの訂正、
次どこ行けばいいんだっけと固まること、
ポツポツと一打ずつ打ってしまうこと、
だと思うので、
ポツポツをじゃらっと打てれば、
タイム自体は縮まると思われる。

それは、言葉ごとに変わってくるので、
苦手な言葉をつくらないのがよいのでは。


ということで、
600が見えてきたら、
長文コピー打鍵以外のクロストレーニングをすると、
神経が発達しやすいかと。
posted by おおおかとしひこ at 12:01| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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