というものがある。
本来の目的Aを果たすために、全然違う罪状Bで逮捕してしまい、
拘束中にAにスライドさせるテクニックだ。
これは物語でもよくあることである。
つまり、本来の目的Aで行動や決断がされることは、
あまりないということだ。
Bという行動が表面上にあるだけなのだが、
実はこれはAが真の目的であったのだ、
というようなやつだ。
これは別件逮捕の考え方とまったく同じだね。
ある人を干したいときに、
直接干すと角が立つから、
閑職にわざとつけ、実績がしばらくないからさらに閑職に追い込む、
なんてテクニックは出世競争のときによくある話だ。
ほんとはセックスしたいのに、
ゲームをしにいっただけ、というやつもそうだね。
フットインザドアテクニックも、
本来の目的Aとは全く違う簡単なBを提示しておいて、
とりあえず橋頭保を確保してしまう、
というようなテクニックだったりするし。
名目と本来の目的は違う、というわけだ。
動機や目的や行動について考えていると、
AのためにAがしたいから、Aをする、
というような、
すべてが直結した行動を取ることばかりを考えてしまうことが多いよね。
それはそれでアメリカンでバカ正直なやり方かもしれないが、
リアルはそうじゃないよね。
「私はセックスしたいので、あなたの家の猫には興味がないので、泊まりましょう」
という女はいない。
「猫ちゃんに餌をあげたい」というはずだ。
「飲みに行こうぜ」だって、
酒と肴を堪能しようぜ、という意味ではなく、
仲良くなりたい、何かしらの交渉をしたい、
が目的だったりするよね。
目的Aがあったとしても、
人は迂回してBを果たすことをしたりするわけだ。
単純であほな話しか書けない人は、
こうした人間のリアルを見逃しているのではないか?
もっとも、
アメリカンでどストレートな話がいい場合もあるけど、
たいていはそうじゃないよね。
その虚々実々、
なんとかしてBをひねり出そうとすることこそが、
人間の人間たる部分じゃないかな。
2023年01月09日
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