Twitterで見た意見が興味深かった。
> ちくわ饅頭@pizza__daifuku
> これ言うと怒られるかもしれんが、月配列が普及しないのって使えば使うほど誰もが何かしら不満を覚える欠陥配列だからなんだよなぁ… だからこそこれだけ亜種が存在しているわけで。 私は他人に勧める気は全く起きない。他の月使いも同じ気持ちだと思う笑
月配列2-236はちゃんと触ってないけど、
新JISには不満があった。
たぶん月も、Uんは納得しないと思う。
僕はさんざん、
薙刀式をああでもないこうでもないといじっているが、
その経験があると、
これ以上どう動かしてもこれ以上良くならないバランス
(局所最適)に陥ることがわかる。
ただそれは、
○○と○○と○○を捨てて、
現在のバランスを取ったのだという自覚があるから、
これはそれらを諦めてこれを取ったのだ、
と明確に説明できる。
だから、「これ以上があるのでは?」
という不安を覚えるわけではない。
ところが、
それを作った人でないと、
ある不満Aが出てきたときに、
Bに変えれば良いと感じたとしても、
別の不満Cが出てくると思う。
すべてはトレードオフだからね。
そのとき、AとCのどちらをより不満と思うか、
を自分で評価しないといけない。
もちろん、個人的な尺度でCがよければ、
配列Bにすればいいと思う。
ただそれでCをまた不満に思い…
となるのが配列沼だろう。
少なくとも手ごね系配列の作者は、
一定期間その試行錯誤をして、
一通り「不満のバランスに納得がいった」から、
完成とするんじゃないかと思う。
単なるユーザーは、
その見えていない「不満のバランス調整」を感じ取ることが出来ないため、
とりあえず目についた不満だけを見るのだと思う。
作者は不満集合全体が見えているが、
ユーザーは一部であるという非対称性がある。
新JISに関しては、
その作り方の概要は知ることができるが、
なぜあの位置に「ん」があり、
あの位置に「な」があるのか分からない。
月配列の制作当時は、「な」の移動はあったが、
「ん」はあまり問われていなかったように思う。
なので、
どこかしらに不満ポイントが出るものの、
何故それはそこか、
そしてその他の不満集合と比べて、
これがベスト不満バランスであると、
全体を見て語れる人がいなかった、
という繰り返しで、
俺俺月配列系へ発散していったのではないかなあ。
機械計算配列はさらにで、
その配列Xが何故良いのか、
誰も一気通貫した説明ができず、
お告げに他ならないので、
ははーと使うか微妙として捨てるかの二択しかない。
「これのさ、ここがいいんだよ」
「そうそう、これはよくないよね、
でもこうしたらもっと悪化するから、
ここは被害を最小限に食い止めてるのさ」
という説明が出来ないものは、
やはり人は不安になるのだと思う。
女子が彼氏と付き合ってて、
「ほんとにこのままでいいの?」みたいな不安に陥るやつ。
完璧な恋人は存在しない。
完璧なバイクも、完璧なペンも、
完璧な宗教も存在しないだろう。
どこかには不満が出ると思う。
だけど、そこはそれなのだがこれはここがいいのだ、
というバランスを説明できれば、
それが良いものだと理解できる。
理解できれば、そこはしょうがないと諦められる気がする。
僕は月配列を理解しようとして、
その大元からわかりたくて、
新JISを触って、
とても良い配列だと思ったが、
強い不満も出た。
新JISの目標が600字/10分と知って、
うーん、じゃあいいかな、と思い、
月配列をやることはなかった。
その後月配列はロールオーバー上等だから、
高速打鍵向きと聞いて、
なんだもっと研究すればよかったかも、
などとちょっと後悔している。笑
で、その後あんまり月配列使用者の話が出てこないので、
その後どうなったかは知りたいんだよね。
実装はいまだに簡単なはずだから、
使おうと思えば全然使えるはずだし。
薙刀式にはそろそろ不満を覚えなくなってきて、
最近は打鍵姿勢やらスイッチ改造をやり始めている。
論理配列的には局所最適だし、
近傍では最大値なんだろうと無意識に感じてて、
不満は物理に向いている気がする。
不満は多少あるものの、
やっぱ家が一番、となるのが、
円満家庭という幸福なのだろう。
月2-236はそれにしてはバランスが悪かったのかもね。
いっぱいある月配列系を、いつか俯瞰してみたい。
2022年12月21日
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