2022年12月23日

【薙刀式】スペースキーによる分節区切り指定

『The Guide 日本語FEPかな漢字変換システムのすべて』
下山浩司、秀和システムトレーディング、1992
という古本を手に入れた。

ATOK7、DFJ2、EG Bridge、Katana4、松茸v3、NEC AI、VJE-β、WX II+
という9つのFEPの操作方法マニュアルを串刺しで比較できる本。

IMEになる前の、
「日本語入力というのはどのようなものからスタートしたのか」
に興味のある僕にとって最高の資料。

詳しくは読み込むとして、
気になったやつが松茸の、スペースで分節区切りが指定できる機能。


変換をXFERでやる前提なので、
スペースキーは空いている。

そこで、□を空白文字として、

すぺーすきーは□あいて□いる。

のように空白込みで入力して変換をかけると、
そこを分節区切りの明示と認識して、
変換がかかる機能。
変換時にスペースは除かれるそうだ。
ほええ。

当時のFEPの文節区切り能力がどれだけ貧弱かは、
全く知らないのでなんともいえないが、
現在より貧弱なら全然ありだったろう。


またこれは、
梅棹さんなどが提唱した、
日本語の分かち書きを明示的に出来た可能性もあるんだね。

ということは、
現在のMS-IMEでも、
旧バージョンに変更した上で、
スペースキーから変換機能を取り除けば、
スペースキーを空白キーとしてだけ使い、
分かち書きはそのまま空白ごと変換させればいけるんだ。

なるほど。

たまに分かち書きを推奨してる人がいるのだが、
いちいちスペース入れて文節ごとに変換するのだるい、
と思っていたのだが、
変換を変換キー(XFER)に預ければ、
スペースキーは別のことに使えるんだな。

こういうこと、分かち書き推奨者は啓蒙したほうがいいんでない?


SKKでもSandSを使って、
漢字と送り仮名を明示的入力して、
IMEの変換操作をコントロールする方法がある。

なるほど機械に直接手を突っ込んで制御してる感覚があって、
大変興味深い。
僕は個人的にはこうしたMT車のような使い方のほうが好みだな。


ただ親指忙しそうだな。
当時の入力速度はどれくらいだったんだろう。



今現在の僕の薙刀式による入力は、
ノールック単文節変換がメインだ。
ほとんど単文節で打って変換して、
確認せず次を打ち始めて自動確定して、
視界の端で間違いに気づいたら戻って再変換する。
(誤変換しなさそうな単位で打つ)

視線を今打ってるところから動かしたくないから、
こうなった。
打鍵数的にいえば、上と同じことをやってるわけか。

ただ戻って頭から変換確認する手間が面倒だ。
その二周する動きがナンセンスなんだよな。


僕はこれらのFEPが花開いてた頃は高校生〜大学生くらいで、
PCは触ってなかったので何も知らない。
PC-8001から急にワークステーションのemacs+Wnnだったので、
FEPが何かわかっていない。

その後Macのことえりしか触ってなくて、
MS-IMEに触れたのがWin10以降のため、
それ以前を知らないんだよね。

だから未だに変換キーと無変換キーが何に使うのかわからない。
これが昔はNFERとXFERと言ってね、
と老人はいうのだが、
誰も全貌を説明してくれないので調べ始めた。

横に串刺した説明を僕は求めているので、
この本から抜粋して知りたいことをまとめようと思っている。
posted by おおおかとしひこ at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック