プーチンが戦争終結したいと弱音を吐いて、
「お前の始めた物語だろ」と総ツッコミを受けてて笑った。
物語論的には、
動機、行動、結果という軸で考えることが出来る。
戦争というのは大きな行動だ。
それをするからには大きな動機が必要である。
この戦争の問題点は動機が不明確なことで、
クリミア地方にいるロシア人が不当な扱いを受けているから、
それを救うというのが建前の動機とされた。
しかし、動機に対して行動はおかしなものだ。
首都キーウを陥落させることが目的であり、
クリミアを救うことは動機と思えない。
なので、世界はずっと行動と動機の乖離を疑問視しているわけだ。
これが物語ならば、
実は隠された動機があり、
それゆえの行動だったのだ、
と一気通貫する理由が説明されて、
「なるほど」と皆が納得する結末になる。
ところが現実にはそうじゃないらしい。
「プーチンが病気のため先が短いため、
念願のクリミア併合を急いだ」という「物語」、
すなわち行動と動機の一致が仮説として言われたころもあった。
それが正しいかどうかもまだ不明である。
つまり、
人の行動には、一貫した動機と行動が必要で、
それ以外のものは不可解で面白くない、
というのが、
「他人の行動を見る時」に起こるということだ。
これで適当に会談でもやり、
和平が成立したとしたら、
これ以上人は死ななくなるが、
「なんのための戦争やったんや」と、
不可解さだけが残るだろうね。
まあ表にはでてこない理由がたくさんあり、
それを我々庶民が知ることはないだろうが、
そういう不可解なことは、
物語的には不満であるということだ。
こういうときは、
表向きでもわかりやすい動機と行動と結末を用意するものだが、
そういうライターはいないのだろうかね。
逆にウクライナ側には優秀なライターがいたと思う。
初期からの抵抗や、いくつかのネット流出した物語は、
ウクライナの闘いの意味みたいなことをさかんに言っていた。
ゼレンスキーが首都に残って抵抗する、
という物語も、人々を分かりやすく感動させた。
これで彼は男になり、歴史に残ったと思う。
どういうものであろうが、
人の行動には動機が必要で、
「それがどうなったか」という意味のある結末が必要である。
そうでなければ、
「不可解」になっておしまいということだ。
あなたの書いている話は、不可解で終わる、
まるで打ち切り漫画のようなものだろうか?
それとも、動機が明確で行動に結びつき、
それが結末でこういう意味や意義があったのだ、
と分るような、
意味のある物語だろうか?
ロシアとプーチンは物語を失った。
「クリミアにいる猫を助けようと思って」
とかにしておけば?
こうした不可解な戦争があると、
「裏で糸を引いていたやつがいたのだ」
と、首尾一貫した説明を考え付く奴がいる。
今回で考えられることは、
戦争兵器の在庫一掃セールだよね。
それを売っている奴は誰だ。
そいつが今回の首謀者だろう、という説。
殺人事件の犯人は一番得をしたやつだ、というやつだね。
それが首尾一貫すれば、状況証拠ということになろうか。
もっとも、陰謀論スレスレになるがね。
明治維新とはなんだったかを考えるときに、
イギリスで余った銃を売りつける先を探していた、
という理屈はかなりもっともなことだ。
薩英戦争はイギリスが日本にとりいるための戦略だったと。
まあどういうものであれ、
「首尾一貫した矛盾のない説明」
「意味のある結末」
を、人は求めるということだ。
あなたのストーリーの登場人物は、
どういう行動をするのか?
それは何目的で、どういう動機なのだろう?
そしてそれが成功するということは、
どういう意味があるのだろう?
プーチンみたいに見失っている場合じゃないぜ。
ゼレンスキーみたいに、
「お笑い出身で誰よりも信用されていなかったが、
有事の際に勇気ある行動をしたことで、
誰よりも信用されるようになった男」
のようなストーリーをつくるべきだ。
そしてその結末は、
「建国以来最高のリーダー」という意味になるだろうね。
もっとも、それらを操る影の組織があり……(陰謀論)
2022年12月25日
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