そんなん当たり前やん、と思ったら案外「そうだったのか」
と言ってる人が多くて震える。
知り合いの作家が前に「キャラ設定にせよ世界設定にせよ、
否定文で定義してはいけない」と言っていてずっと覚えている
https://togetter.com/li/2023284
少しでも設定を作って物語を動かした経験のある人ならば、
否定文設定を使うことはないことを、
経験的に知っているはずだ。
なぜなら物語とはキャラクターの能動的行動の軌跡であり、
主体的、能動的設定しか使わないからである。
設定とは点のことだ。
それがベクトルを描くのがストーリーだ。
その点を「Aではない」と規定すると、
使えないのだ。
Aでないならなんやねんとなるからね。
「Aではない。Bである」
のようにBを規定すると、
そのBを利用してストーリーをつくることができる。
でもAは使わないから、
じゃあ前半部分いらないよねとなる。
ためしに、
「朝食を食べない」と規定しようか。
Bは「かわりに、昼飯と夜飯は食い、深夜飯もたまに」
というキャラクターだ。
だとすると、
昼飯や夜飯でバカ食いするかもしれないし、
朝はぼーっとしているかもしれない。
そのことで何かが起こることが、
設定を利用したストーリーというものだ。
そうでないと、
「俺朝飯食べないんだよ」
「へえー」
で終わるからね。
「朝飯を食わないことで朝ボーっとしていて、
そのことで致命的なミスを犯す」としよう。
たとえばバイトで大失敗したとする。
次のバイトの日も、
そのキャラは朝飯を食わないか?
それは、その他の設定によると思うんだよな。
うっかりしてるキャラなら同じミスをするだろう。
ちゃっかりしてるなら、晩飯をドカ食いして寝るかもしれない。
柔軟なキャラなら「○○だけ食っとくか」と、
習慣を変えるかも知れない。
その時に何をするかは、
「朝飯を食わない」というキャラクター性からは、
導かれないんだよ。
つまり、
「Aではない」では行動にならない。
行動を導くのは、「Bである」という点からだ。
「Aではない」はまあわかるよ。
ほんなら何か?
が、そのキャラクターのその後を決める。
「Aではない」で設定した気分になってる人は、
何かの設定資料を真似して楽しんでるだけの、
「まだ何も完結させてない人」だと思われる。
一度でもまともな話を完結させたら、
そんなふわふわしたものがなんの役にも立たないことがわかる。
その上で、初期設定をそのようにして、
使うときの別の設定資料を用意するなら分からなくもない。
そもそも設定って、単なる備忘録だからね。
キャラクターがいて設定を忘れずにメモするだけで、
設定すればキャラクターが出来上がるわけじゃないし。
2022年12月31日
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