2023年01月01日

【薙刀式】「配列を変えよう」は「メイン配列を変えよう」のことだ

ついつい新配列の話をしていると、
「配列を変えよう!」と短く強く言ってしまいがちだけど、
それは、
「qwerty一本だったキーボードを、○○配列で完全に上書きする」
を意味しない。

「○○配列をメイン使いして、必要な時はqwertyも使う」
というバイリンガルになれるぞ、
ということだ。


「英語を学ぼう!」に似ているかも知れない。
英語を学んだからといって、
日本語を忘れるわけではない。
英語の思考で日本語を置き換えるわけではない。
英語で、完全に日本語を乗っ取るわけではない。

経験的に、
配列はバイリンガルまでは可能だ。
言語に例えたけれど、
実際ブラインドタッチというのは運動だから、
野球部をやりながら、
サッカー部をやることは可能だぜ!
というのが実感に近い。

サッカーができるようになったからといって、
野球のバットが振れなくなることはない。
勿論一時的な混乱はある。
野球のボールを足でトラップしたくなったり、
サッカーで蹴った後に一塁に走り出すかも知れない。
しかしそれは、
両方をやっているうちに、
両方に慣れてくるものだ。


新配列を練習し始めて、
なんとなく動きがわかってくると、
元の配列の動きが落ちる。
これは混乱期に入ったことを意味する。

混乱期のおすすめは、二つを維持することではなく、
一旦ひとつに集中することだ。
この場合新配列を集中練習する。

配列の難易度によるけど、
一週間から三週間、ないし一ヶ月から三ヶ月。
これで、新配列の方が動けるようになったら、
今度は旧配列のリハビリをするとよい。
混乱期は人によるけど、
長くても半年くらいだと思う。

一時的に落ちた旧配列は、
使い方を体が思い出して、大体元にもどる。

そして新配列のほうも伸びていって、
おそらく、
新配列と旧配列は、同じ速度に収束する。

同じ速度に収束するのは、
両者を同じくらい使うときだろう。
7:3で使う人もいれば、
9:1で使う人もいるかも知れない。
そういうときは、
メイン配列のほうが速くなる。


新配列と旧配列を同時に使い、
そして速度が同じなら、
新配列を使うことは意味がないか?

多くの配列バイリンガルの人は、
用途で使い分けることが知られている。
qwertyは仕事、新配列はプライベート、
というのが多い。

そして新配列のほうが大抵、
自分の言葉に近く効率がいいため、
新配列のほうが心地よいと感じる。

仕事でqwertyを使わざるを得ないのは、
セキュリティの問題だろう。
もしここでも新配列が使えますがどうしますか?
だったら、
100%の人が新配列を選ぶと思う。


しかし、qwertyと新配列は、
同時併用可能なことが、
数々の新配列使用者が証言している。

一時的な混乱期があり、
それを抜けることができる、
ということは、
もっと周知するべきことかも知れない。

先日知ったのだが、
二つの配列を使える人を、
bifingalというのだそうだ。
面白い合成語だなあ。


で、そもそもqwertyを使う時、
日本語の連接と英語の連接は違うので、
二つの配列を使ってるに等しいんだよね。
同じボールでドッジボールとサッカーやってるようなものだ。
だから、もともとブラインドタッチそこそこできるなら、
配列を二つ学んでいるようなものだ。

じゃあそれに新配列を混ぜたら、
ひとつ忘れるかというとそうでもない。

サッカー部と野球部やってるときに、
バスケ部に入るようなものだ。

まあどれかは適当になるかもだけど、
メインをちゃんとやって、
その他は流す程度に、収束するに違いない。


新配列をやろう。

それは、これまでのことを断ち、忘れてしまうことではない。
キーボード入力が、
広く豊かになるだけのことだ、
と思うと、
ストイックな修行とか、構えなくていいんじゃないかと思う。

そして、中途半端な部活になってもよくて、
「昔サッカー部入ってたけど、
途中でやめちゃったんだよ。
合わなかったんだよなあ。
でもその後に吹奏楽部に入って、
それが今でも続いてるんだよね」
みたいになってもいいと思う。

初恋の人と結婚するわけではない。
色々手を出してみて、
メインが何かをしっくり来るまで探すだけのことだ。


新配列をやろう。
それは、バイリンガル前提で、
メイン配列は何かを探す行為だ。

一週間くらいは辛いけど、
それを乗り越えると楽しくなってくる。

野球部やりながらサッカー部に入ったら、
一週間じゃ済まなくて、
一ヶ月はかかると思う。

それに比べれば全然簡単で、
しかもすぐ使うことになる。

使い分け混乱期があることを覚悟すれば、
一ヶ月程度を見て、
スケジュールの落ち着いてる時にやろう。

そのあとは、その配列の素晴らしさを日々使えるぞ。



ちなみに僕の例でいうと、
サイトメソッドqwerty530字/10分だったのが、
薙刀式で1500字/10分になり、
そしてなんとqwertyがブラインドタッチできるようになったんだよね。
でもqwerty自体は500くらいで変わってない。
それは、
その程度の使用頻度だからだろう。

こんな風にして、
完全に上書きして置き換わるわけではなく、
混ざり、分離して、共存する、
という未来が待っている。

qwertyは根絶やしになるのではなく、
細々と現状維持する。
一方新配列はどんどん伸びて快適を謳歌する。


「配列を変えよう」とは、
このような未来に行こうぜ、ということをいう。
posted by おおおかとしひこ at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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