人にものを勧める時、どうすればいいか?
という話。
トップゲーマーのウメハラの話が面白い。
https://m.youtube.com/watch?v=aH69xb_nl0U
全体から入らずに、
一点突破でリーチせよ、というわけだ。
なぜか?
なぜそれが有効で、
全体から入らないほうがいいか?
という根本的な部分が抜けているので、
補足しておきたい。
この大前提が抜けている。
「人は、人の説明を聞きたくない」からだ。
下手なプレゼンは、
下手な自己紹介と同じだ。
私は○○生まれで、○○大学を出て、
○○の仕事をして、趣味は○○で…
などのように、
全体の構造を説明するのは、
下手なプレゼンだ。
なぜかというと、
まず相手はその全体に興味を持つ、
前の段階だからだ。
あなたの全体を興味を持って聞く前に、
あなたに興味を持つかどうか、
判断している状態がデフォルトだ。
話を聞く前に、
興味がないから2秒でその場を去ることもできるのだ。
それが第一前提であることを、
ほとんどの人は抜けている。
まず一点突破をするのは、
まず興味を2秒で持ってもらう方式である。
だから正しい自己紹介は、
「昨日うんこもらしたんですよ」
とか、
「映画監督です」
「小説を書こうと思ったらカナ配列までつくりました」
とかだ。
この場を去るか、留まるかの選択肢を持っている相手に、
「刃牙とは範馬刃牙がさまざまな敵と戦い、
徐々に成長していく話で…」
とやってもしょうがないわけだ。
なぜなら「」の中身は、
全く新しいストーリーではないからだ。
全く新しいオリジナルは何か、
という点では「ものすごい強え」範馬勇次郎で、
「炭素を握力でダイヤモンドに変える」とか、
「地震をパンチで止める」とか、
そこらへんになるわけ。
一方に空手の愚地独歩や合気の渋川剛気や、
喧嘩最強の花山薫がいることには、
触れずとも良い。
それは全体の話で、興味を持ってもらったあとの話だ。
だから、
初手一点突破しないと、
2秒で脱落するんだよね。
全体説明は時間がかかるし、
そもそも興味を持ってないとその時間耐えないし。
広告というものは、
この一点突破が出来てるか、出来てないか、
で決まる。
それを、最近の宣伝部は、
肌感覚として持ってないと思う。
自分が広告を浴びる側になればわかるのに。
2秒で殆どの広告は無視してるくせに。
映画ポスターで、
ブロッコリーと揶揄された、
メインキャストがこっち向いてポーズ取ってるだけの、
コラージュ写真がある。
それだけでは全くストーリーもテーマもコンセプトも分からないような、
ただのキャスト表みたいなポスターだ。
これは、なにも一点突破していない、クソ広告である。
何がその映画のオリジナリティか?
キャストの順列組み合わせではあるまい。
仮にその映画がそのキャストでなかったとしても、
面白い映画か?を考えればわかる。
それで面白くない映画はキャスト頼みでしかなく、
映画ではない。
せいぜいホストの出勤表にすぎない。
「トップガン: マーヴェリック」のポスターはうんこだ。
戦闘機とトムクルーズで一点突破しているものの、
その映画のオリジナリティはまったくわからない。
戦闘機のドッグファイトや、
とんでもない作戦や、
アイスマンとマーヴェリックの素晴らしい友情や、
マーヴェリックとルースターの確執と絆が、
まったく入っていない。
この程度はネタバレではない。
むしろ「出し物リスト」だろう。
僕は、とんでもない作戦で一点突破するべきだと思う。
戦闘機のドッグファイトは、
トップガン1の頃はオリジナルであったが、
その後の雨後の筍のフォロワーで、
オリジナルな絵ではなくなった。
なので、
ドッグファイトはもちろんありますが、
今回の作戦はヤバいんです、
で行けると思うんだよね。
めちゃくちゃ狭いジグザグ峡谷で、上から高射砲で狙われて、
背面飛行で9Gというのを、上手く絵にすればいいと思うよ。
しかもそこを単騎でなく編隊で行かないといけない、
という話をすれば、
一点突破できる。
「RRR」はどうだろう?
迷うなあ。
僕はインターミッションの、
炎に包まれた警官ラーマと、
鎖を持って噴水を壊したビームの対峙が、
いいと思うな。
最初の鉄橋の下の、
国旗に包まれたビームとラーマの握手でもいいけどね。
二人のとんでもない男の数奇な運命
(友情、対決、そして友情)を暗示するのは、
前者かなあ。
勿論見た人には肩車だけで刺さるだろうが、
それは初見で2秒では通じないよな。
(ちなみに色々な版のポスターがある。
メインは後半の姿での対峙で、これは違うと思う。
鉄橋の下の対比はわりと使われている。
肩車のやつもあった)
何で一点突破するべきか?
それを選ぶセンスのないやつは、
宣伝部のセンスがないから、
やめたほうがいい。
シェフが馬鹿舌なのと同じだからね。
さあ、ちなみに、
あなたの作品はどのように一点突破できる?
2023年01月17日
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