2023年02月17日

自分は文字数が書けないのか、ストーリーが書けないのか

これを分離して把握しておくこと。


文字書き慣れしていない人に、
小説原稿(手書きでも、印刷した100枚以上のものでも)を見せると、
そのとんでもない量にドン引きすることが多い。
「そんなのとても自分では書けない」と、
ビビることになる。

でも「書けない」の内容には、ふたつあると思ったのだ。
つまり、
「その文字数のエンターテイメントを思い付く力がない」のか、
「そもそもストーリーを書く力がない」のか、
どちらかを、
分別しておいたほうがいいんじゃない?って話。


もし、ストーリーが書けるが、
その文字数が書けないならば、
その文字数が書けるように、
少しずつ訓練すれば行けるはずだ。
ショートストーリーから始めて、
徐々に航続距離を伸ばしていくとよい。
問題解決の段取りを増やし、
紆余曲折を増やし、
登場人物や解決するべきサブプロットを増やし、
複雑化していけば、
ストーリーはどんどん長くなる。
「メインプロットは面白いんだけど、
もう少し長くしたいなあ」と思ったときは、
上のどれかをやると長くできるよ。
(もちろん、ただの引き延ばしや水増しは、
詰まらなくなる要素だから、
面白く、より濃くなる方向に尺は伸ばすべきだが)

これは徐々に飛べる距離を増やす方法だから、
いつかできるようになると思う。

問題は、より深刻な、
文字数とは関係なく、
ストーリーが書けない、というものだ。

もうそれは才能の問題だからあきらめてくれ、
としかいいようがない。
それでもやりたい人は、
このブログを最初から全部読んでくれ。
それくらいやっても高々1万記事くらいだから、
単行本200冊程度だ。
読めない量ではあるまい。

そして、コツコツとショートストーリーを100本くらい書いてみたまえ。
10本どころか、3本でも無理かもしれない。
それは、才能がないのであきらめてくれ。
たぶん99%の人が、ここに来れない。


なぜストーリーを思い付けるのか?
それはよく分らない。
思い付けない人のことが僕はもう分らない。
想像力があれば、
大体のアイデアは出てくるし、
構成力があれば、それを落ちまで持ってこれると思う。
あとは経験と想像力で、間を埋めるだけのことである。
なんなら取材すればよい。

その、どれかあるいはすべてが欠けていると、
ストーリーは作れないのかもしれないね。


実際、どれくらいの量を書けば、
思っている尺のものになるのか、
知りたければ写経をするとよい。
映画脚本形式のものが手に入るとよいが、
月間シナリオくらいしか自由に閲覧できるものはないかと思う。
僕のいくつかの脚本は、作品置き場に置いてあると思うので参考にされたい。
あるいは、脚本添削スペシャルをみれば大体分るだろう。

15分ぶんを写経するのも、
体力的には結構しんどいよ。
6000字程度か。
下手なタイピングだと数時間かかる。
薙刀式でも一時間程度だと思う。
手書きでも結構かかると思うなあ。
変換や整形の手間で、思考が途切れることを考えると、
手書きでやるほうが僕はおすすめだ。
内容をきちんと把握しながら写経しないと、
ただの作業になってしまうので、
内容と手の疲れ方を把握するために写経をするべきだと思っている。
あと何回もやると、
リズムが身に付きやすくなるので、
名作の写経などはとてもおすすめだ。


実際、どれくらいをやればいいか、
分っていないから、及び腰になるのだ。
一回経験してみれば、大体は見積れる。
そして、それを経験すれば、
他人の作品がどれくらいの手間がかかっているか、
よくわかると思うよ。
その体力というか、熱量というか、集中力というか、
それだけを使えばいいんだと分るまでは、
簡単にはそれを書き終えることが出来ないと思うよ。

もちろん、
つくるものは毎回新しいものだから、
見積もりが全然変わることもある。
思ったより難産になるときもあれば、
もっと少ないかと思ったら案外大量に書けたものもある。
そのへんはコントロールができない、
と思ってやったほうがいいと思う。

つまりは、
なんもわからんが、経験していると大体わかる、
ような世界である。

posted by おおおかとしひこ at 07:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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