2023年01月20日

【薙刀式】「る」への帰着

薙刀式は左手の助詞でものごとをすすめて、
右手の動詞で意味を確定する、ようなイメージでカナを配置している。

その中でも「る」(I位置)は、
かなりの動詞終わりを担当する重要カナだ。


「る」の頻度は1.8%程度で、
出現率24位程度の、メジャーギリギリのカナである。
配列によっては、
頻度だけでシフト側に落とされてもおかしくないカナだ。

でも僕はそれを特等席のI単打に置いている。
動詞の終止形を担当しやすいからである。

左手で意味を繋ぎ、右手でとどめを刺す、
という薙刀の流れにうまくこの「る」は寄与している。

【】をセンターシフトとすると、

あるJI
するOI
くるHI
いるKI
やる【H】I
える【O】I
〜うるLI
れる/I
られる./I
させる【UA】I

みる【B】I
とるDI
しるRI
〜てるEI

など、重要な動詞の終点になっていて、
これが薙刀式の主要な右手感覚を維持していると思う。

また、単独動詞だけでなく、
複合動詞にも使われる。

熟語+する(想像する、解釈するなどなど)
の形がたいへん多いので、
漢語の打ちやすさ(拗音の打ちやすさ、概ね左→右に交互打鍵すること)
と含めて、
この形の言葉は「る」の恩恵を非常に受けている。


この「る」は、実は新JIS、月配列を触った時に、
いいなと思ったやつなんだよね。
月U9をベースにした下駄配列で、
M単打にあったことで、
多くの動詞の終点がこの単打に集中するのは、
いい感覚だと思ったんだよね。

そのことから、「る」を終点にした、
運指の流れをつくるべきだな、
なんてことを思った記憶がある。


親指シフトを触った時の違和感に、
「る」がシフト側だったことは大きいかな。
文意を決定する重要な動詞の部分で、
シフトになる感覚がなじめなかった。
勿論終止形だけでなく連体形でもあるから、
ここまでで一旦ブロック終わりで次へ繋げる時も、
うーんシフト側はなあ、なんて思っていた記憶がある。


ラ行で始まる言葉は、和語にはないそうだ。
つまりラ行の音は、必ず尻について、
変化を示すことになるカナということだ。

ら(複数形)
り(動詞の連用形で、途中を示す)
る(動詞の終止形、連体形とかで一旦終了を示す)
れ(可能、連用形など)
ろ(ろうの形で、推定や未来)

みたいな感じの意味を持ってるんじゃないかな。
薙刀式では「り」がシフト側にある以外、
すべて単打になっていることが特徴的だね。

僕の感覚でいうと「途中のもの」はシフト側でいいや、
と思っているから、
「り」はシフト側になったのだと思われる。

もちろん、
漢語や外来語のラ行の役割は異なるだろうが、
言葉を繋げる膠着としてのカナは基本和語だからね。


そういえば、
こんなことを議論してるカナ配列はあまり聞かないな。
飛鳥がありそうだが、
飛鳥の「る」は左シフトJであった。
飛鳥は飛鳥で、別の理論があるのだろう。
posted by おおおかとしひこ at 12:49| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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