薙刀式は左手の助詞でものごとをすすめて、
右手の動詞で意味を確定する、ようなイメージでカナを配置している。
その中でも「る」(I位置)は、
かなりの動詞終わりを担当する重要カナだ。
「る」の頻度は1.8%程度で、
出現率24位程度の、メジャーギリギリのカナである。
配列によっては、
頻度だけでシフト側に落とされてもおかしくないカナだ。
でも僕はそれを特等席のI単打に置いている。
動詞の終止形を担当しやすいからである。
左手で意味を繋ぎ、右手でとどめを刺す、
という薙刀の流れにうまくこの「る」は寄与している。
【】をセンターシフトとすると、
あるJI
するOI
くるHI
いるKI
やる【H】I
える【O】I
〜うるLI
れる/I
られる./I
させる【UA】I
みる【B】I
とるDI
しるRI
〜てるEI
など、重要な動詞の終点になっていて、
これが薙刀式の主要な右手感覚を維持していると思う。
また、単独動詞だけでなく、
複合動詞にも使われる。
熟語+する(想像する、解釈するなどなど)
の形がたいへん多いので、
漢語の打ちやすさ(拗音の打ちやすさ、概ね左→右に交互打鍵すること)
と含めて、
この形の言葉は「る」の恩恵を非常に受けている。
この「る」は、実は新JIS、月配列を触った時に、
いいなと思ったやつなんだよね。
月U9をベースにした下駄配列で、
M単打にあったことで、
多くの動詞の終点がこの単打に集中するのは、
いい感覚だと思ったんだよね。
そのことから、「る」を終点にした、
運指の流れをつくるべきだな、
なんてことを思った記憶がある。
親指シフトを触った時の違和感に、
「る」がシフト側だったことは大きいかな。
文意を決定する重要な動詞の部分で、
シフトになる感覚がなじめなかった。
勿論終止形だけでなく連体形でもあるから、
ここまでで一旦ブロック終わりで次へ繋げる時も、
うーんシフト側はなあ、なんて思っていた記憶がある。
ラ行で始まる言葉は、和語にはないそうだ。
つまりラ行の音は、必ず尻について、
変化を示すことになるカナということだ。
ら(複数形)
り(動詞の連用形で、途中を示す)
る(動詞の終止形、連体形とかで一旦終了を示す)
れ(可能、連用形など)
ろ(ろうの形で、推定や未来)
みたいな感じの意味を持ってるんじゃないかな。
薙刀式では「り」がシフト側にある以外、
すべて単打になっていることが特徴的だね。
僕の感覚でいうと「途中のもの」はシフト側でいいや、
と思っているから、
「り」はシフト側になったのだと思われる。
もちろん、
漢語や外来語のラ行の役割は異なるだろうが、
言葉を繋げる膠着としてのカナは基本和語だからね。
そういえば、
こんなことを議論してるカナ配列はあまり聞かないな。
飛鳥がありそうだが、
飛鳥の「る」は左シフトJであった。
飛鳥は飛鳥で、別の理論があるのだろう。
2023年01月20日
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