2023年01月20日

【薙刀式】レイヤーは嫌われがち

なんでだろうね。
多分、
「ブラインドタッチではレイヤーの方が楽」
というコンセンサスがないからでは。


JISと新JISが混在した時代、
どちらが好まれただろうか?
と昔のキーボードを見てて思ったのだが、
これをブラインドタッチで打たずに、
サイトメソッドで打つとしたら、
「新JISは、ややこしくて探しにくいな」
と思ったんだよね。

1キーにカナが2つ書いてあるのよりも、
1キーにカナが1つなほうが、
「目で見て探しやすい」から、
新JISは普及しなかったんじゃないか、
と感じたのだ。


カナ系新配列は、ブラインドタッチで取ることが前提だ。
だとすると、
4段みたいな遠くに手を伸ばすよりも、
レイヤーに重ねてホーム段などに持ってきた方が、
よほど使いやすいに決まっている。
ブラインドタッチ可能キーが30だとすると、
カナ系新配列は、
「30キー範囲に50前後のカナをレイヤードしたもの」
という共通点がある。
これは、ブラインドタッチ前提、
というのが芯にあると思うのだ。

ところが、ブラインドタッチでない場合、
1キーに複数の役割があることが、
直感的でなく難しく思えるんじゃない?って思うわけ。


自作キーボードでも同様の現象が起きていて、
65%前後の派閥と、
40%以下の派閥に、
綺麗に分かれているんだよね。

そして40%は少数派であることに、
僕は常々疑問なのだ。
せっかく自由にキーの位置を決められるのに、
レイヤードで全てに指が一発で届く方が、
合理的に決まってるじゃないか、
と僕は思うのだが、
世間はそうではないらしい。

色々な主張を観察していると、
「印字とキーが一致しないと気持ち悪い」
という意見がある。
つまり、「キーを見ている」んだよね。

そして、キーを見てる限り、
1キーに乗せられるのは2までだろう。
3や4は、ごちゃごちゃしすぎて難しい。
見た目も美しくなくなるだろうし。


いつまで経っても無刻印キーキャップが流行らないのも、
こうした理由じゃないかと僕は考えている。

刻印キーキャップ-65%-サイトメソッド-1キー1ないし2機能

無刻印キーキャップ-40%-ブラインドタッチ-1キーに4機能程度

と、綺麗に分かれているような気がする。
その間はなさそう。

逆に僕は、
HHKB無刻印を使える人がすごいと思う。
あんな遠くのキーを正確にブラインドタッチできないからだ。



新JIS配列が普及しなかった理由は、
なんとなくこの辺にありそうだと僕は考えている。

また、
僕は飛鳥や新下駄のような、
「1キーに3レイヤー」はマスターしきれず、
「1キーに2レイヤー」までの、
新JIS、月、薙刀式、カタナ式は、全然使えた。

表裏なら行けても、さらにもう1レイヤーの常用が、
少なくとも僕は無理のようだ。

こうしたことから、
薙刀式は、カナ2レイヤーまで、編集モード2レイヤーまで、
にしてある。
正確には4レイヤー配列なんだけど、
不思議と役割を分けると、2レイヤー配列の感覚になるんだよね。
(下駄配列の基本部は3レイヤーだったが、
ひとつは濁音レイヤーなので、実質2レイヤーとして使えた)

たとえば、
新JIS配列のキーキャップが、
天面に単打カナ、
前面にシフトカナ、
みたいに分けて印刷されていれば、
探しやすさも変わって、普及してたんじゃないか?
などと想像してしまった。
(勿論数字段や記号なども揃えるとして)
もちろん、SandSの実装もマストにしてね。

新JISは、普及に失敗した優れた配列だけに、
なぜそれを失敗したかという分析をしないと勿体ないと思う。


その根本に、
「サイトメソッドではレイヤーは嫌われる」
「ブラインドタッチではレイヤーは合理的」
という対立する二要素の議論が、
なかったのでは?
と、いまさら思った。

むしろ、上級者向けに無刻印キーボードを触らせて、
レイヤーは合理的だ、と言わせないと、
合理性が認識されないんじゃないかなあ。

「遠くの1打より近くの2打」は、
それを象徴した言葉だが、
このことが未だに世間には理解がないと思われる。
自作キーボードをやるようなギークにですらだ。

なので僕は、36%無刻印キーボードを、
上級者向け標準キーボードにするべきでは?
と考えるに至っている。

「遠くの1打より近くの2打」というよりは、
「指の届くところに段積みしておく」
という感覚に近いけどね。
posted by おおおかとしひこ at 13:22| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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