2023年02月24日

優れた物語とは何か

色々な観点があると思う。
僕は、以下の4つに分けるかな。


1 主人公と一体化すること
2 変化に感銘を受け、影響されること
3 世界の唯一性。またあの世界に行きたいと思うこと
4 予想を裏切る展開や驚きの連続



1 主人公と一体化すること

感情移入である。
これがうまく行ってないものはつまらない。
主人公が成功しようが失敗しようがどうでもよくて、
ストーリーがどう転んでも面白くないものは、
感情移入に失敗している。

もしこれがとてもうまく行っているならば、
じゃんけんで勝ち抜くかどうかだけで、
面白くなる。

例で何度も出すが、AKBのじゃんけん大会は、
そのファンにとってはとても感情移入できている。
注意すべきは、そのファンじゃない人にとってはどうでもいいことだ。

物語というものは、「すべての人」に感情移入させなければならない。
すべての人が、主人公の一挙一動にハラハラして、
それが成功するかどうかにヤキモキして、
その成功に心から喜ばなければならない。

その感情移入の方法論についてはこれまでたくさん議論しているので、
あえてここでは繰り返さない。


2 変化に感銘を受け、影響されること

テーマである。
つまり、主人公の冒険の価値はなんだったのか、
ということに感銘を受けるということだ。
それは世界を変える力がある。
崇高で、正しく、困難であってもそれが良きものならば、
人は必ず影響を受ける。
(悪いものにも影響を受ける)

それは感情移入がうまく行っているからだ。
主人公がよいことをなした、よかったよかった、
と思えば思うほど、
自らの人生もそうしようと影響を受けるはずだ。
むしろ、そうなっていないものは文学ではないと僕は思うがね。


3 世界の唯一性。またあの世界に行きたいと思うこと

中盤のことである。
つまり、日常世界とは異なる、非日常世界での冒険が物語であるから、
あの世界にずっと浸りたい、
と思わせることは、
その世界自体が魅力にあふれている、
素晴らしいものであるということだ。

これは中盤のコンセプトでもある。
そしてそれが唯一であればあるほど、
価値が高いということだ。
よくあるものではよくあるものでしかない。

あるいは、人気の世界は、繰り返しつくられる傾向にある。
(例 やくざもの)
それは、またあの世界に行きたいと思う人が多い、
という証拠である。
そうした、唯一の世界をつくろう。
それがすぐれた吸引力があるということだ。


4 予想を裏切る展開や驚きの連続

これは物語全体の構成についてだ。
予想が出来て、結末がみえているものは、
この先がみえていなくてドキドキするものに比べれば、
優秀な物語とは言えないだろう。
どんでん返しや驚きの展開は、
そうした人気の要素である。
これはぜひとも、というよりは、
より夢中にさせるテクニックのようなものだろう。

これは、脚本上のテクニックでカバーできる点もある。
どうしても主たる味が足りないときに、
スパイスを入れるような効果がある。
それだけでは機能しない。
テーマや主人公や世界観に関係しないと、
そもそも面白くない。



1から4の要素をあげてみた。
これらがどううまく行っているか、
どう見事にできているか、
などを考えて、批評することは、
よい脚本を書く勉強になるぞ。

名作だったなあ、と思うものは、
どれもよくできていると思う。
そういうものを目指すべきだろう。
posted by おおおかとしひこ at 01:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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