2023年03月14日

最初にオチを決めることの重要性

オチはいつ決めるのがいいか?
最初から書いて最後に至ったときに初めて考えるのか?
僕は序盤を作った時に、
ペアとして考えるべきだと思う。

なぜだろう。


目的地の決まっていない旅はフラフラするが、
目的地の決まっている旅は、
まっすぐ向かうことと寄り道を区別できるからである。

前者のフラフラは意図しないものだが、
後者はわざとフラフラさせられる。
アンコントロールのフラフラ人生と、
そのように見せかけたコントロール下のフラフラでは、
フラフラの精度が違うわけだね。


最初にオチを決めておくと、
そのオチに至る道筋がつくれる。
仮にABCDEと話が進んで、オチがEだとしよう。

オチを決めずに話をつくっていると、
途中Eに寄ってしまう可能性がある。
最初にオチを決めていれば、
そこに寄りそうになれば軌道修正が可能だ。

オチを決めずにEを描き、
そのあとずっと書いてしまい、
ラストシーンにたどり着いたら、
もう一度Eを言っても終わる気がしないので、
E以外の別のオチを探す必要があるわけ。

で、それってABCDEと進んできた流れとは、
別のところから探さなければならないため、
中折れした話にしかならないと考えられる。

論旨がすっきりとしないわけだ。


最初にオチを決めてれば、
ちゃんとAからはじめて、
Bへ向かう途中を勢いよくするのか、
寄り道してちょっと遊ぶのか、
次にCへ向かう途中を…
などのようにコントロールしながら、
話の起伏をEまで作りながらいける。

ジェットコースターの設計のようなものだ。
Eが決まってるからその前をどう作るかを考えられる。
Eが決まってないときに、
もう地面についちゃったジェットコースターは、
どんなに頑張っても勢いがないだろう。
どっちがキレのあるオチかは明らかだ。


もっとも、
プロット段階でEと決めていたとしても、
登場人物が暴れまくり、
プロット以上に面白くなり、
さらにいいオチを思いつくことは、
まれによくあることだ。

それはそのように書き換えるといいだろう。

あるいは、E以上のオチXを思いつき、
Xに向かって進むのだが、
やっぱりEの方が締まるわ、
と戻すこともある。

それはどちらでもいい。
面白い方をとることだ。

で、EとX両方を含む、
第三のオチを頭を捻って考えだしても良い。

最後まで書いてこないと、
その贅沢な悩みはないよね。


オチは最初に決めるべきことだ。
この話はどこに向かうのか分からない不安定感は、
この語り手を信用していいときはドキドキだが、
この語り手を信用できないときはイライラだ。
論旨のしっかりした話は、
語り手を信用させる。
posted by おおおかとしひこ at 01:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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