熱は伝播する。
平温から、その熱になるようにうまく誘導できてれば。
いきなりその温度のものを押し付けると火傷する。
二度と近づかなくなるだろう。
そうじゃなくて、
うまくその温度に誘導するのだ。
熱い風呂にどうやって入るかを想像しよう。
体の端、手や足で測るだろう。
それでも熱かったら水で薄めて、
徐々に体を慣らしていくだろう。
そして全体にかけ湯をして、
問題なければ全身を浸かりにいくよね。
そんな風に、熱さに徐々に慣れるようにするのだ。
いきなり温泉の源泉に飛び込んだら死ぬよね。
その誘導さえうまく行けば、
温泉のような心地よさがある。
そしてそれを出た後も、
ずっと心の芯に残る、
熱さの記憶になる。
あの温泉はよかったなあと。
そうするとその熱は伝播する。
いい温泉があるよと。
熱心な信者によって拡散され、
多くの後追い体験者がやってくる。
そしてそれがまた伝播し…と、
正のフィードバックが起こり、
バズ、流行になるわけだ。
熱湯をいきなりかけないことだ。
また、作者が冷めてもいけない。
マグマのように熱を持ち、
あなたが源泉にならなければならない。
我々も人間なので、
執筆中にテンションが落ちる日もある。
そういう日はそういう日だと自覚して、
プロットの整理とか、清書とか、
熱に関係ないことをやるとよい。
次の日になったらマグマが戻ることもある。
これまでの流れを整理して、
マグマが途切れてる所を直すのも、
温泉の調整みたいなことだね。
熱は伝播する。
温泉のそばは「この辺に温泉がありそうだ」
という雰囲気になってるよね。
温度や湿度の変化を我々は敏感に感じ取り、
この先を予測する能力があるのだろう。
その感じでうまく誘引することだ。
手足にかけ湯、水で薄めて全身、
いよいよ全身に熱めのかけ湯、
そしてゆっくり浸かる。
こんな風に誘導できたら、
その温泉が気にいるに違いない。
観客は冷めている。
世の中に幸せなどない。
日本はやばい。
団塊がいなくなったらどうしようもない。
若者は覇気がない。
モテない。
物価は高い。
家を買い結婚するのって難しくない?
正義って何?そんなのいるの?
そんな人たちに、
うまく温泉まで誘導するにはどうすればいい?
それを考えるのさ。
2023年03月16日
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