2023年02月22日

玉虫色

表現で最も強いのは、ひとつに全力をかけることだ。
逆にいうと、玉虫色の表現なんてただのノイズだ。
面白い例があったので貼っておく。
https://twitter.com/yogoren/status/1627971699047292928?s=20


特攻の拓かよってくらい独創的なふりがなだが、
おそらくこれが目的ではあるまい。

大人向けに警告文を書いた
→漢字が読めない子供は意味がわからないし、
 そもそも子供のほうが事故りやすいのではないか
→ふりがなを打った
→これでも子供がわからない
→わかるようにひらがなで解説した

つまり、
「一つの文で、大人も子供もわかるようにしたろ!」
という玉虫色が、このおかしさの原因である。

これが、世に出る表現をおかしくしている元凶だと、
僕は考えている。
なぜなら、
「承認段取り上の手戻りができない」
という欠陥システムがはびこっているからだ。

本来、このようなシステムが理想である。

大人向けに警告文を書いた
→漢字が読めない子供は意味がわからないし、
 そもそも子供のほうが事故りやすいのではないか
→ふりがなを打った
→これでも子供がわからない
→子供にわかるひらがな文と、大人に分かる文を併記しよう

なはずだ。
ボトムアップから併記案を提出したとしても、
「すでに最初の文が受理されているため、
これは変えられない」
というシステムが、
現在のシステムの欠陥である。

「変えられない」かどうかは置いといて、
「関係各所にすでにこれで通達してしまったため、
文案変更に稟議をあげ、
再び関係各所にこれでいいですかと確認を取る、
時間もコストもかかる」
という理由で、
「変えられない」となることは、
とても良くあることだ。

「いや、そんなん、こっちの方がええやんとなったら、
通してこいや」と現場は思うのだ。
つまり、
事件は会議室(や関係各所の通達)で起きてるんじゃない、
現場で起きてるんだ、というやつだ。


この看板がそのようなコミニュケーション不全を起こした結果かは分からないが、
少なくとも現場のデザイナーがいくらベストな案をあげても、
上が通さない理由に、
このような「今提案されても手遅れ」
という現象がある気がする。

おそらくは、
太平洋戦争の負けた原因、
大企業が硬直していること、
そして東京五輪の開会式の惨憺たる出来、
つまらない爆死映画などは、
ぜんぶこれだろう。

最大の問題は、中間管理職やトップよりも、
現場の方が優秀なことだろう。


全体コンセプトが間違っていた時、
コンコルド効果や、
今更変えるのが面倒、反発を止められない、
という理由で、
不満があるまま変えない現象がある。

僕が別件でqwertyと闘っていることと、
繋がってくるね。

これは人類のバグである。

これを変えられるAIに、そのうち負けそう。
このアキレス腱を狙われて滅びるSFとか書きてえ。
posted by おおおかとしひこ at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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