近所のTSUTAYAにコーナーが出来てて、
悲しくなっちゃった。
なんで今90年代みたいに、
バンバン面白い映画ができないんだろ?
90年代といえば僕は大学生で、
97年に東京に出てきて業界入りした。
ディレクターデビューが99年なので、
学生の頃からの憧れを、
90年代まるっとで叶えたことになる。
渋谷という映画の町が僕の居場所で、
シネマライズやら渋東シネタワーやら、
渋谷パンテオン(五島プラネタリウム)やらに、
通いまくったものだ。
トレインスポッティング、マトリックス、
ムトゥ、スパイダーマンなど、
新しいタイプの映画がキラ星のように生まれてきた。
邦画も岩井俊二以降の新世代が出てきて、
CMディレクターが参戦して、
「鮫肌男と桃尻女」や「ピンポン」がヒットして、
俺も続くぞって思えてた時代。
尊敬するナカテツは、「ポッキー四姉妹物語」
「夏時間の大人たち」と、まだ微妙だった時期。
あの頃はオールナイト上映っていって、
金曜の夜は初日封切りで朝までやってたんだぜ。
最近の映画が19:00上映が最終回なのが、
信じられないよ。
2010年以降くらいかなあ。
映画がそこまで面白く無くなったのって。
マーケティングとかターゲティングとか、
リスクヘッジとかリクープとか、
そういう用語が流行り始めて、
それって攻めの戦略じゃなくて、
損しないための守りの戦略なんだよな。
コンプライアンスとかポリティカルコレクトネスや、
LGBT配慮とか、
全部守りの戦略だよね。
「そんなんどうでもいいとしたら、
どんだけ面白いのを作れる?
どんだけしょんべん漏らすほど面白い?」
って問いを、今映画では発してない。
「どれだけ儲かりますか?」だよね。
大阪人に聞いてみろや。
「ぼちぼちでんな」が答えだよ。
大勝ちもあれば大負けもあるけど、
トータルでぼちぼち勝ってるのが、
長いこと商売を続けるコツだ。
作品ごとにリクープラインを設定して、
それを越えないと二度と作れないシステムなんて、
商売に向いてない。
それよりも「おもろおまっせ」やろがい。
「おもろいでーみんなよっといでー」が、
エンターテイメント商売だろうに。
そもそも、
どうやったら儲かるかも分からないくせに、
「これは儲かりますか?」じゃねえよな。
90年代は大成功作品も数多あるが、
大失敗作品も数多あるはずだ。
そこで失敗した人は死んだのかな?
そういう教訓を後世に残してほしいよね。
今は大失敗もしないし、大成功もしない時代だ。
味のないガムを噛んでるやつらの多いこと。
もし邦画がこれ以上よくならなかったら?
うーん、別のルートから登らないといけないねえ。
カンブリア爆発が起こらないと、
多数の名作は生まれないよね。
そういう世界で活躍しないとな。
2023年02月26日
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