クラシックは劇的である。
人間が出せる最大のレベルに、感情の起伏を表現するメディアである、
といっても過言ではない。
そのクラシックの振幅に、
あなたの物語は似合うか?
物語に音楽がついたのは、
オペラ以降なのだろうか?
ギリシャ演劇に楽隊はいたのかな。
歌舞伎は鳴り物はあっただろうが、
曲としてつくられていたのかしら。
少なくとも映画音楽のスタンダードは、
クラシックというか、オーケストラだ。
直接の祖先はオペラだろう。
もちろん、現代音楽、ポップスやロック、時にはラップなんかも劇伴としてかかることがある。
しかし、感情の増幅としてオーケストラの右に出るものはいない。
弦楽器やピアノが感情の繊細な部分にマッチするのだろうか。
ティンパニーや打楽器や管楽器の華麗さ、勇壮さが、勇気の物語にマッチするのだろうか。
そのへんはよくわからないが、
オーケストラ音楽ほど、
感情を大袈裟なレベルで増幅して、
しかも豊かに表現する音楽はないと思う。
もちろん、音楽単体ではなくて、
物語の劇伴としての話。
もし暇ならば、
同じ物語を朗読して、
背後に違う音楽をかけてみるのを、
スマホで録画してみてみるとよい。
映画のサントラ(オーケストラ)、
ロック、ピアノソロ、JPOP、
の4種類くらいがいいかもね。
まったく感情の豊かさ、レベルが、
違うことが分かるはずだ。
オーケストラほど、
感情の振れ幅が大きく、豊かで、
正しいものはないと思う。
ロックじゃリズミカルで激しいものは行けるが、
それ以外は厳しい。
ピアノソロは繊細で悲しみを帯びたものは行けるが、
それ以外は厳しい。
JPOPは何を当てても邪魔だろう。
さて、ようやく本題だ。
あなたの用意した物語は、
そんなオーケストラやクラシックをかけるだけの、
起伏があり、感情が豊かな物語だろうか?
ということ。
JPOP程度のしょうもないやつなら、
その程度の音楽でちょうどいい。
ロックが似合う物語は、一面ではいいが、
多面性はないだろう。
ピアノソロは一場面では有効だけど、
全体としては多面性がないだろう。
つまり、
自分の物語が起伏があり、うねりがあり、
感情が爆発し、融合し、変転するような物語か?
をチェックするのに、
クラシック、オーケストラの音楽は使えるということだ。
音楽負けしているストーリーかい?
音楽がちょうどいいストーリーかい?
あなたのストーリーがちっぽけでつまらないならば、
JPOP程度で収まるかもしれず、
オーケストラじゃ大袈裟だと思うだろうね。
たとえば、
「ワルキューレの騎行」を例に挙げよう。
映画音楽では、地獄の黙示録や、ノルマンディー上陸作戦を題材にした戦争ものなどで、
使われるものだ。
これくらい勇壮な場面が、
これくらいのワクワクが、
あなたのストーリーにあるだろうか?
ないならば、大袈裟な音楽に見えてしまうだろうね。
クラシックの感情の豊かさに、
ふさわしい物語だろうか?
もっと振幅を大きく、もっと激しくしないと、
それに合わないかも知れないよ。
たまにクラシックを聴こう。
それにふさわしい物語を妄想するのに役立つぞ。
2023年03月29日
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