2023年03月29日

クラシックをたまに聞こう

クラシックは劇的である。
人間が出せる最大のレベルに、感情の起伏を表現するメディアである、
といっても過言ではない。

そのクラシックの振幅に、
あなたの物語は似合うか?


物語に音楽がついたのは、
オペラ以降なのだろうか?
ギリシャ演劇に楽隊はいたのかな。
歌舞伎は鳴り物はあっただろうが、
曲としてつくられていたのかしら。

少なくとも映画音楽のスタンダードは、
クラシックというか、オーケストラだ。
直接の祖先はオペラだろう。
もちろん、現代音楽、ポップスやロック、時にはラップなんかも劇伴としてかかることがある。
しかし、感情の増幅としてオーケストラの右に出るものはいない。

弦楽器やピアノが感情の繊細な部分にマッチするのだろうか。
ティンパニーや打楽器や管楽器の華麗さ、勇壮さが、勇気の物語にマッチするのだろうか。
そのへんはよくわからないが、
オーケストラ音楽ほど、
感情を大袈裟なレベルで増幅して、
しかも豊かに表現する音楽はないと思う。
もちろん、音楽単体ではなくて、
物語の劇伴としての話。

もし暇ならば、
同じ物語を朗読して、
背後に違う音楽をかけてみるのを、
スマホで録画してみてみるとよい。
映画のサントラ(オーケストラ)、
ロック、ピアノソロ、JPOP、
の4種類くらいがいいかもね。

まったく感情の豊かさ、レベルが、
違うことが分かるはずだ。

オーケストラほど、
感情の振れ幅が大きく、豊かで、
正しいものはないと思う。
ロックじゃリズミカルで激しいものは行けるが、
それ以外は厳しい。
ピアノソロは繊細で悲しみを帯びたものは行けるが、
それ以外は厳しい。
JPOPは何を当てても邪魔だろう。


さて、ようやく本題だ。
あなたの用意した物語は、
そんなオーケストラやクラシックをかけるだけの、
起伏があり、感情が豊かな物語だろうか?
ということ。
JPOP程度のしょうもないやつなら、
その程度の音楽でちょうどいい。
ロックが似合う物語は、一面ではいいが、
多面性はないだろう。
ピアノソロは一場面では有効だけど、
全体としては多面性がないだろう。

つまり、
自分の物語が起伏があり、うねりがあり、
感情が爆発し、融合し、変転するような物語か?
をチェックするのに、
クラシック、オーケストラの音楽は使えるということだ。

音楽負けしているストーリーかい?
音楽がちょうどいいストーリーかい?
あなたのストーリーがちっぽけでつまらないならば、
JPOP程度で収まるかもしれず、
オーケストラじゃ大袈裟だと思うだろうね。

たとえば、
「ワルキューレの騎行」を例に挙げよう。
映画音楽では、地獄の黙示録や、ノルマンディー上陸作戦を題材にした戦争ものなどで、
使われるものだ。
これくらい勇壮な場面が、
これくらいのワクワクが、
あなたのストーリーにあるだろうか?
ないならば、大袈裟な音楽に見えてしまうだろうね。

クラシックの感情の豊かさに、
ふさわしい物語だろうか?
もっと振幅を大きく、もっと激しくしないと、
それに合わないかも知れないよ。

たまにクラシックを聴こう。
それにふさわしい物語を妄想するのに役立つぞ。
posted by おおおかとしひこ at 08:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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