2023年03月14日

【薙刀式】トルク

机懸架式のアームレストを作れないか?
というのを手持ちの板やバビロンを工夫してつくってみた。
できないことはなさそう(強度はがっしりは無理かもだが、
作ること自体はできそう)だけど、
別の問題が横たわることに気づく。

なぜ手首をつけるのか?
という真の意味。


僕はずっと、
無意識に手首をつけてタイピングしてきた。
Macのパンタグラフが低いから、
自然と適応したのかと考えていた。

しかし手首をつけたまま長時間打鍵すると、
手首の中の筋肉、前腕の中の筋肉が引きつれて、
非常に疲れる。
拘束したまま使うからだ。

だから手首を浮かせた方がその疲労は少ない。
だけど「手首を浮かせ続ける」という、
別の疲労が発生する。

従ってアームレストがこれを解決する、
手首は浮かせられるし、
重たい(3kg)腕を置く場所がある、
というのが自作アームレストへの方向であった。

で、組み合わせて作って、
試打してみると確かによい。
適宜テントにしたらもっと楽になることもわかった。

ただ一つだけ気になることがある。

テントすると打鍵速度が落ちる。
アームレスト+手首浮かしも、打鍵速度が落ちる。


おや?
これは本来の目的、スピードを犠牲にするのでは?

速さを維持したまま楽にはなれないのか?
それはなんでや?
と観察して、
「なぜ普通に置いた時に、
手首をつけていたのか?」
という最初の姿勢の意味に戻ることになった。

つまり、「手首を設置してると、
指先までが近いので、そこを支点にできる」
からなんだよね。

ざっくりいうと、
支点からの距離×力がトルクだ。
支点からの距離が短い方が、仕事量は少ない。
(大学の力学で、ようやく質点でない、
大きさを持った物体の回転やテコを、
連続体積分を使ってやります。
なぜモノを放り投げると、長辺の軸で回転しやすいのか、
ということもトルクを使って計算で出せます)


なるほど、
トルクを小さくする、
ざっくりいえば「小回りを効かせる」ために、
僕は手首をつけて、最小の支点にしてたのか!


手首を浮かせて、
前腕の真ん中あたりを、机のヘリにつける方法論がある。
これだと指先から支点までの距離が倍くらいになる。
これは小回りが効かない。
だから僕はこのスタイルを避けてきたのだろう。

じゃあ肘をつける?
もっと支点からの距離はひらき、
ナンセンス極まりないことになる。

なるほど、小回りを効かせながら、
エネルギー最小で打っていくには、
肘や前腕支点だと、スピードに難があるわけか。


RTC2023のフォームを見ると、
前腕を机のヘリにつけている人もいた。
そうしないと2000万打鍵したら手を痛めるのかもね。
このトルクのまま小回りを効かせることが、
競技タイピングの凄さなんだなあ。

僕は競技者ではなく、
執筆者として速く、楽になりたい。

手書きのことを考えると、
手首が支点になるよね。
力点=右人差し指に対して、
最小の距離の支点を使ってるわけだ。

で、最近大量に手書きで書いた時に、
小指の第一第二関節にペンダコができた。
人差し指から見ると手首より近い。
ううむ、人間は勝手にトルク最小の場所を、
自動的に見つけている。

なるほど、手書きの方がタイピングより楽なのは、
手首をつけたタイピングよりも、
小指をつけた手書きのほうが、
トルクが小さいからだ。

じゃあ「小指をつけた3本指タイピング」
ができるキーボードおよび論理配列が、
最も力を使わず、かつ高速で打てるかも?



うーむ、根本的なことに、
ようやく初めて気づいてしまったのか?

TANDENによる打鍵法も、
肘を体の横につけて、
手首は浮かせるか、親指側を腹につけることになる。
腹つけがトルク的には最小になるわけだ。
それが出来るか試したいので、
DMM.makeさんはよプリントやってくれ…(あと1週間はかかるだろう)



支点からの距離×力を最小にしたい。

力はもう最軽に近い、アクチュエーション20g。
(HHKBとリアフォが45g。市販最軽リアフォでも30g)
15gや12gだと勢い良すぎて底打ちが痛くなることが分かっている。
(ストロークを短くすればその限りではないかも?)

工夫すべきところは、
支点から力点までの距離じゃね?
手のひらの真ん中に半球を入れるタイプのパームレストあるよね。
そしたらもっと短くなるかね?


それとも、一回机につけるタイプの自作アームレストをつくって、
「コレジャナイ」を確認するかなあ。
(3Dプリントだととんでもない体積になりそうで、
10万円とかかかるんだよな。一部木工にすれば、
万力部分だけで作れそうだが、それでも1万円くらいはいくなあ)

まあやることはクリアになってきた。
DMMのプリントはもう3〜4日早いと、
試作を回せるのだが…はよ…
posted by おおおかとしひこ at 12:33| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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