いきなりバトルから始まって、観客を巻き込むタイプは、
現場のど真ん中にいけるから、ショウとしては面白い。
しかし物語に必要な、
世界の前提、登場人物への感情移入が、
おざなりになる欠点がある。
以下ネタバレ。
本郷猛に感情移入できたのはどこ?
緑川瑠璃子の死あたりじゃない?
だいぶ後半やんけ。
警官の父親の死の事情がわかったのはそのあとだっけ?
だいぶ後半やんけ。
感情移入はなるべく早くが、
物語の原則である。
「RRR」ではトップシーンだったぞ?
あの憎い敵を倒すヒーローを、
あの母親と娘の涙を流させないヒーローを、
僕らはたったワンシーンで熱望する。
最低でも15分。
それまでに最初の感情移入ポイントがあるべきだ。
なんで本郷は死を選んだんだっけ?
全然感動しないよな。
感情移入ができてないからだよ。
死ねば盛り上がるからやってるだけで、
必然性が全然ないのが、
感情移入に値しないポイントだね。
巻き込まれ型は、
感情移入に必要な、
世界の前提や主人公の欠落などを、
セットアップできない。
だから失敗しやすい。
シナリオの書き初めは楽しいんだよ。
でもどこかで我に帰っちゃうんだよね。
開始30分もすれば、萎えてくる。
そこから立ち直るまで、目一杯かかる。
このシナリオは結局感情移入に至らなかった。
失敗作である。
2023年03月26日
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